今日の絵本は "Winter's Gift" です。クリスマス・シーズンにぴったりのお話です。そして、美しい絵本です。
名もない村のはずれ、名もない森の奥の小屋で、おじいさんはひとりぼっちです。永いあいだ、毎年、おばあさんと2人で静かに祝ってきたクリスマス。でも、おじいさんはおばあさんを亡くしたばかり。今年はクリスマスツリーもありません。小屋の外では、ただただブリザードが吹き荒れています。
毎年、おばあさんと2人でかざったクリスマス・ツリー。ツリーの飾り付けが終わると、いつも、おばあさんは小さな箱に入ったツリー・トップの星飾りを取り出しました。「星飾りは “希望" の象徴。たとえ、どんなに大変なときも、いつも "希望" をもたなくてはね。」 でも、おじいさんには、もう、希望がありませんでした。
おじいさんの小屋にほど近い森の中では、仲間からはぐれた一頭の馬が、吹雪の中で途方に暮れていました。吹雪がはこんでくるのはオオカミの遠吠えです。
ジェーン・モンロー・ドノバン作・画の "Winter's Gift" は、ジェーンがおじいさんとおばあさんに、感謝とともに捧げた絵本です。絵本に描き出された暮らしのディテールには、いかにも、幼いジェーンの目に映り、心に焼き付いた彼女のおじいさん、おばあさんの暮らしが投影されています。
ひとりぼっちのおじいさんと仲間にはぐれた馬とが一緒にクリスマスを過ごす・・・ハッピーエンドなのですが、そこにいたるまでの、おじいさんの寂しさと、迷子の馬の心細さが,小さな子にはちょっと辛すぎるかもしれません。
でも、やっぱりクリスマスの季節に一度は読みたい絵本です。
Winter's Gift | |
Sleeping Bear Press |
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