お母さんと読む英語の絵本

読み聞かせにぴったりな英語絵本から、米国の子どもたちの世界をご紹介
子どもをバイリンガルに…とお考えのお母さんに

ハロウィン絵本の決定版

2010-10-21 | about 英語の絵本

Trick or Treat

さて今日は、ハロウィンに欠かせない"Trick or Treat"の絵本をご紹介します。

まずはハロウィンらしい、でもちょっと変わった絵本にしてみました。タイトルはそのものズバリ"Trick or Treat" 。作者は"Chicka Chicka Boom Boom"のヒット作で知られる、あのビル・マ―ティン(Bill Martin)です。

10階建アパートの1階に住んでいる男の子が、ドラキュラの扮装をしてキャンディハントに出かけようとします。するとお母さんが、「行ってもいいのは、このアパートの中だけね。ノックしてもいいのは、知っているお宅のドアだけよ。そうそう、それから、くれぐれも誰も怖がらせないようにね!」と注意します。

男の子は最初に、2階のニッカー・ノッカー(Knicker Knocker)さんのドアをノックしました。"Trick or Treat"と挨拶すると、ノッカーさんは"Treat, Treat"と言いながら板チョコ(Candy Bar)をたくさん袋に入れてくれました。3階のスリッパー・スロッパー(Slipper Slopper)さんはピーナッツカップ(Peanut Cup)を、7階のパンパー・ピックル(Pumper Pickle)さんはキャラメルポップ(Caramel Pop: 棒についたキャラメル)を、8階のティ―タ―・トッタ―さんはジェリービーンズ(Jelly Beans)をくれました。

最後に、10階のマジック・マーリン(Magic Merlin)さんのドアをノックすると……誰も出てきません。2度、3度とノックして、そのたびに"Trick or Treat"と叫んでも誰も出てきません。ところが、突然バーン!とドアが開いたと思ったら、マーリンさんは魔法の杖を振って"Wack Bards!"と叫び、男の子は『何もかもが「さかさま(Backwards)」になってしまう魔法』をかけられてしまったのでした。

急いで9階に戻ると、ティ―タ―・トッタ―さんの部屋からトッタ―・ティ―タ―さんが現れて、ジェリービーンズではなくベリー・ジーンズ!?(おへそが見えるロ―ライズのジーンズ)をくれました。7階ではパンパー・ピックルさんならぬピックル・パンパーさんが出てきて、キャラメルポップではなく、小人の警察官(Paramel Cops!?)がぞろぞろ……。2階ではニッカー・ノッカーさんならぬノッカー・ニッカーさんがこともあろうにコウモリさながら鴨居にさかさまにぶら下がっていて、板チョコ(Candy Bar)ならぬおもちゃの自動車(Bandy Car)をくれました……。というわけで、何もかもが『さかさまのでたらめ』。僕の袋の中は奇妙なもの、おかしなものでいっぱいになってしまったのです。トホホ……。

ようやく1階の自分のお家にたどりついてドアをノックすると、お父さんが出てきて"Treat!"と言いながらギュッと男の子を抱きしめてくれました。「何もらってきたんだい?」僕は泣きべそで「お菓子をもらいに行ったんだけど、変なものばっかりなんだ……」するとお父さんが「そうかい?美味しそうだよ!」あ!おかしなものだらけだった袋の中には美味しそうなお菓子があふれそうにいっぱい!お父さんのハグで魔法が解けたんだ!

一見、ちょっと訳がわからない言葉遊びですが、まあ、そこは年に一度のハロウィンですから。大人にはちょっと読みにくいかもしれませんが、慣れるとなかなかに楽しめる絵本で、これが子どもたちには案外受けます。

さて、もう一冊のおすすめは人気キャラクターのシリーズ絵本の一冊で、どこにでもありそうなハロウィンのお話。タイトルも楽しそうな "The Berenstein Bears Trick or Treat"です。
アメリカも最近は「隣は何をする人ぞ」の感があり、とくにどこへ行くのも家のガレージの中から車に乗って……というカリフォルニアでは、ご近所でも一年中お会いしないというご家族があります。子どもたちも事情は同じ。そんな見知らぬご近所さんのベルを鳴らすのは、実は、ハロウィーンならではのちょっとドキドキの経験。時には(あのおばあちゃん、ちょっと怖いかも……)などと気が引けていたお年寄りに、思いがけずすご~く美味しいお菓子をもらったりする!のも、ハロウィーンの日ならではの楽しみ。そんな気分を思いおこさせてくれる絵本です。







コメント
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