お母さんと読む英語の絵本

読み聞かせにぴったりな英語絵本から、米国の子どもたちの世界をご紹介
子どもをバイリンガルに…とお考えのお母さんに

ARTの描く ARTの絵本

2010-10-05 | about 英語の絵本

Art

絵本とアートがテーマの今月最初の絵本は、題名もそのものずばりの "Art" です。表紙のイラストをご覧ください。男の子がアート作品に自分の名前をサインしているところです。Artと読めますね。そうなんです。彼の名前はArtなんです。Artはアメリカでは男の子の名前。アート(芸術)と同じ綴りですが、アートではなく、日本語で書くとアールという感じに発音して読みます。

さて、絵本"Art"は男の子Artが描くArtのお話。作者はパトリック・マクドネル(Patrick McDonell)で、彼はもちろん意図的にArtをかけ言葉として使っているので、読者はどのページでもArtの文字を見ることになり、またアートとアールに読み分けることになります。見開きページを開くたびに、ページ全体がアールの描いたアート。アールは自分の作品にほれぼれと眺め入ったり、自分の作品なのに押しつぶされそうになって圧倒されていたり・・・テキストはいずれもごく簡潔で、でもそれで十分。実にシンプルできれいな絵本です。

作者のパトリックは、アメリカで超人気のイラストレーターにして漫画家(そしてもちろん絵本作家)です。絵本にも登場する犬のアール(Earl)と猫のムーチ(Mooch)が主人公の連載漫画「マット(Mutt)」は、これも超人気キャラクターのスヌーピーを生んだチャールス・シュルツ(Charles Shultzの)連載漫画「ピーナッツ(Peanuts)」をしのぐ人気とまで言われているほど。子ども向きの漫画やイラストだけでなく、ニューヨークタイムズ・マガジン、リーダーズ・ダイジェスト、フォーブスなど、定評あるおとなの雑誌にも多数のコラムにイラストを描いています。

パトリックの絵本はどれもほのぼのと心温まるお話ばかりです。おとなにも子どもにも大人気の一冊は "Hug Time" です。
仔猫が旅に出ます。目的はたったひとつ、世界中にHugを届けること。英語のHugは「愛情込めてギュッと抱きしめること」。ちっちゃな仔猫がそのちっちゃな両手(両脚?)でどれだけ大きな変化を世界にもたらしたか・・・。アマゾンではこの本の読者レビューはおとなの読者のレビューでいっぱいです。

また、以前このブログでもご紹介した "The Gift of Nothing" もパトリックの絵本。

猫のムーチが犬のアールにプレゼントするお話。何でも持っているアールには、今更あげるものなんか何もないなぁ・・と思ったムーチは、空っぽの箱にリボンをかけてアールに持っていきます。箱を開けて「あれぇ、何にもはいってない・・・」とつぶやくアールにムーチがあげたプレゼントは・・・? そう「Big Hug!」




コメント (1)
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