お母さんと読む英語の絵本

読み聞かせにぴったりな英語絵本から、米国の子どもたちの世界をご紹介
子どもをバイリンガルに…とお考えのお母さんに

Tweet? いえいえ Tween!です

2010-10-13 | from Silicon Valley


アメリカに"Tween"ということばがあります。はっきりした定義があるわけではありませんが、8歳から12歳くらいまでの年齢層の子どもたちの呼び名で、Tweenie、Tweenerなどの愛称もあります。そもそもの語源は"In-Between"(・・・の間)の省略形。要するに『お子さま以上思春期未満(子どもとティーンエイジャーの間)』という意味ですね。

世代をさす呼び名なのですが、Tweenといえば、たいてい女の子のこと。この年齢層の女の子が、いかにビジネスの注目を集めているか・・・。言わずもがなTween族は巨大な消費者集団なのです。

この年頃の女の子を持つ親の最大の悩みは、なんと言っても「服装とメーク」ですよね? 学校にメークをしていってもいいか悪いか、ピアスホールはいつあけるか(耳ならまだしも、おへそにも、とか・・・)、そう、「子どもがやりたいこと」と「親がやらせてもよいと思うこと」とのギャップが著しく大きいのがこの世代の特徴です。洋服もメークも”毎日のこと”だけに、「親子のいさかい」も”毎日のこと”で、親にも子にも、実に憂鬱な日課になりがち。女の子を育てた友人はみな口をそろえて、反抗期の始まりを実感したのは『服装をめぐる口論』だったと回想していますが、さもありなん。

いまどきのTweenieに人気のアメリカンブランドは"Baby Phat"や"Jucy Couture"、ちょっと背伸びして"Forever21"あたり。いずれもお小遣いで買うにはちょっと高いので、やっぱりお母さんの許可とクレジットカードがないと買えません。でも悩みは、テレビスターが着ていた大人っぽいセクシーなのを選ぶと、たいていお母さんに「ねぇ、それ、ちょっと早すぎない?」とか「買ってもいけど、学校には着ていかないって約束できる?」などと言われること。実はそろそろ"Victoria'a Secret"のカラフルな下着なんかもほしいなぁ・・・と思っていたりするのだけれども、そんなこと言おうものなら「まだXXX Kidsで十分じゃないの?」のコメントが返ってくるのが常で、店先で、これも毎度の親子げんかが始まる、というわけです。

いま全米には2000万人のTweenがいます。2020年までには2300万人になると予測されていて、これらTweenが形成する市場は総額4兆円に上ると試算されていますから、彼女たちが日夜あの手この手の広告や勧誘に取り囲まれるのも無理はありません。とりわけ目立つのが大人の女性向けのファッションラインのTween版を販売するブティックが次々と登場していること。例えば、マドンナの今年13歳になる娘さんをデザイナーに起用した”Material Girl”などがその代表でしょうか。もっともお母さんのマドンナは、「娘のデザインでも彼女には着せられない商品もあるわね」と母親の微妙な心境を吐露しているそうですが・・・。

一昔前だと、「この世代の『バイブル』は?」と問えば、たいてい売れ筋の人気雑誌があって、それさえ見れば一目瞭然。いまの流行が全部わかる・・・という感じだったと思うのですが、最近は出版メディアはテレビやウェブに押されてあまり影響力がありません。圧倒的なのは”Teen Vogue”だそうですが、あとは、しばらく前まで大人気だった"Cosmo Girl"も先ごろ廃刊になってしまい、残っているのは"Seventeen"くらいです。

雑誌モデルに代わってのファッションカリスマは、テレビ番組のヒロインやヒーローです。熱狂的なファンを持つのがディズニーチャンネルのミュージカルドラマのシリーズ。最初のカリスマは人気番組「Hannah Montana」で主人公のミュージシャンHannahを演じたMiley Cyrus(歌手で女優)あたりでしょうか。いまは16歳の男の子、Justin Bieberが圧倒的な人気を博しています。

さて最後に、こんなTweenたちに親はどう対処すべきか?  先ごろニューヨークタイムスが掲載した、専門家の"実際的な"アドバイスは・・・というと、
●親は「人は着ているもので”人となり”を判断されるものだ」という事実を子どもにしっかり教えること。
●親は「ドレスコードとして許容できるブランドと許容できないブランド」をはっきりと峻別し、あらかじめ子どもにきちんと伝えておくこと。
●日頃から服装やメイクに関する子どもの意見や考え、子どもの希望や憧れをよく聞いておくこと。

う~ん、いずれも「言うは易し・・・」のような気がしないでもありませんが、ともあれご参考までに。





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