Kindergarten Rocks!
初めての幼稚園も、上にお姉ちゃんお兄ちゃんのいる子どもにとっては、「はじめて」という気がしない馴染みのある存在です。なにしろ毎日のように、すでに幼稚園に通っているお姉ちゃんやお兄ちゃんから、あれこれいろいろなことを聞かされているのですものね。そういう子の場合は、ご両親も経験豊かで全然ドキドキしてされていないはず。そんな視点から書かれた絵本も欲しいですね。
"Kindergarten Rocks!" は、そんな「弟」が主人公の絵本です。
デクスター(Dexter)は今年から幼稚園に通うことになっているのですが、何も心配していません。だって幼稚園ってどんなところか、そこでみんなが何をしているか、デクスターは全部知っているからです。なぜって、お姉ちゃんのジェシー(Jessie)はこれからデクスターが行く幼稚園に先に通っているんですもの。
だから、デクスターはこれから行く幼稚園のことなんか、全然心配していないし、怖くもないし、もちろん怖気づいてなんかいませんよ!そう、全然、まったく、なんにも‥‥。
‥‥と思っていたのに、”その日”が近づいてきたら、実は、デクスターもやっぱり心配‥‥。そして、実は彼も内心はおずおずと入園式に出かけました。でもね、なぁんだ!お姉ちゃんが言ったとおり、心配することなんて何もなかった!だから、帰りは意気軒高。ほんと、幼稚園だってロックだぜ!
もう一人男の子をご紹介しましょう。デイビッド(David)、そう、あのデイビッドです。うちではお母さんに「No! No! No!」と叫ばれ続けたデイビットも”David Goes to School(デイビッド、学校に行く)”ではついに幼稚園生になります。
このブログでご紹介したNo David!の絵本をご記憶でしょうか?デイビッドにはいつだって悪気なんかありませんでしたよね?ただ好奇心旺盛で、ちょっと注意が足りないだけ。世の中にはそういうデイビッドがたくさんいます。そして、そんなデイビッドたちには初めての集団生活はやっぱりちょっとチャレンジ!ではないでしょうか。
”David Goes to School”では、デイビッドが"集団”の中でのあるべき行動原理をいろいろな"失敗”を通して身につけていくプロセスを、実用的・実践的、且つ愉快に描きだしています。
いたずらっ子や問題児を持つ親や先生には、どれも思いあたりそうなことばかり。「先生がお話しされているときにはちゃんと聞きましょう」「何か言うときには、いきなりしゃべらないで、先に手を上げてね」などなど、まるで教科書のよう。男女を問わず、デイビッド・タイプのお子さんを育てているご両親に、そしてデイビッドを担任している先生に捧げられた一冊。共感をもって読めることと思います。
でも、まったく問題のないお子さんをお持ちのご両親にとっては、ユーモラスで楽しいこの本も、無用の長物かもしれません。