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海猫日和

色々と思うこと,見たことについてとりあえず気の赴くままに書いてみる.

ちょっとグロいかも

2007-07-08 | 植物あれこれ
植物というのは自分では動けないものである.
子孫を残すには,手段をあれこれ講じて外界に散らす必要がある.その手段とは水や風であったり,鳥や獣であったり,或いは虫であったりもする.

昨日森に入った時に見つけたので.こういうのがちょっと苦手な人が居るかもしれないが,載せてみよう.


しっかり熟したエンレイソウの実である.

これが,

こうなるわけだ.

熟すと果皮が破れて,そこからアリが種子を運び出している.エンレイソウを始め,スミレやカタクリ,ホトケノザといった植物の種子はアリに種子を運んでもらうのだ.


スミレの種子にとりつくアリ.

これらの種子にはエライオソームという甘い物質が付いていて,アリはそれを目当てに種子を運搬するのである.アリの巣の中にはゴミ捨て場のような場所があり,アリがエライオソームを食べ終えたあと,種子はそこに運ばれる.タネはそこから発芽して,新しい生活場所を得るわけだ.うまくできているものである.

地上の星

2007-07-06 | 植物あれこれ
ここのところ植物ネタが続いているようなので,せっかくだから続けてみよう.

道ばたや空き地によく生えるものとして,ハコベというものが知られる.が,ハコベとはそもそもナデシコ科ハコベ属に属する植物の総称である.古よりハコベラとも呼ばれ,春の七草として四辻善成の歌にも詠まれている.漢字では「繁縷」と書く.良く繁るもの,ということだろう.


ミドリハコベ Stellaria neglecta

実際に,春先の生え始めは小さいが,花の下からどんどん分枝を出して成長し,なんだかんだと秋近くまで花が咲いている.そもそもハコベの語源は「はびこる」だとする説もあるくらいだ.踏みつけにも強く,人の往来する道ばたでも生息する.


茎を引っ張ると,周りはちぎれるのに中心部は繋がったままである.中央は硬く,周囲は軟らかい,という性質により,踏みつけに耐えている.

花弁は5枚だが,それぞれが2つに裂けており,それがめしべ,おしべを取り囲む.属名のStellariaとは星(ステラ)に由来し,この花の形を星に見立てたものである.昔の人はうまく名を付けたものだと思う.

皆地上に見向きもしないが,野にも星があるのだ.

2007-07-05 | 植物あれこれ
雑草という名の草は無い.

というのは,昭和天皇の言葉だったろうか.

確かに,その通りである.
昭和の天ちゃんが言ったように,どの植物にも名前というのはある.まあ,種類が多くて区別がつかない事が多いため,纏めてそう呼ばれるわけだ.確かにわかりにくいものも多いし,最近では花壇から進出したもの,海外から入ってきたものなどもあってどんどん種類が増えている.面倒なので雑草とひとくくりにしてしまう気持ちもわからんではない.

そもそも人間が生活するという,頻繁に攪乱が起こる場所で生育するのだから,それなりの適応力を持った植物が生き残れるということでもある.また,田んぼや里山,道ばた,市街地と色々な状況にそれぞれ特化した植物というのもまた存在する.雑草とひとくくりにするにはあまりに多様である.

「雑草」とヒトが呼ぶ時,そこには蔑む意図が含まれることが多い.雑草とは,ヒトが栽培するもの以外の植物全般,あるいは,ヒトにとって有用でない植物,といった意味で使われる言葉だ.元々の意味としてはただ単に,色々な植物,というだけのものだっただろうけれども.

「雑」という字は,旧字では「雜」と書く.さらに元を辿ると「襍」という字に行き着く.

この字は「衣」と「集」という字に分けられ,元は布を集めて衣服としたところから来ている.

要するに,色々なもの,その集まり,というのがこの字の元々の意味と言える.

他の熟語を見てみると,「雑多」,「雑談」,「雑記」,「雑学」などと言ったところがこういう意味にあたるだろうか.

「雑」と言う字に対し,いつから蔑むような意図を含む使い方をするようになったのかは定かではない.が,色々なもの,その集まり,というのが転化すれば,「細々とした」や「混ざった」となるだろうし,やがて「寄せ集め」とか「まとまりのない」などという使い方もされることになったのだろう.

まあ,言葉そのものには元々善し悪しなど無く,使う人間の品性次第だと言ってしまえばそれまでなのだろうけれども.

「雑草」と言う時,「多様性に富んだ植物」とでも考えればよい.そういう考えをする変わり者が居てもよかろう.

と,まあ,こうやってつらつらと書き連ねるものを雑感とでも言うのだろう.

お後が宜しいようで.

十薬

2007-07-04 | 植物あれこれ
漢方で言うドクダミのことですが.



ここ数日の間に花が咲いたらしい.ドクダミの煎じ汁には利尿作用があるらしい.腫れ物や皮膚病に用いられることもあるらしい.日本では葉を天麩羅にして食べることもあるようだが,今のところ試す気はあんまり無い.揚げ物は面倒だし.


花の拡大.

ところでドクダミの場合,この白いのは花弁ではないのである.これは総包片と言い,つぼみの時に花全体を包んでいたものである.ドクダミの花というのは,小さい花の集まりで,中央で筒状になっているものである.花弁も萼もないという,ちょっと変わった花である.ちなみに一つの花はめしべ1本(白く糸状で先端は3つに分かれる),おしべ3本で形成されている.

ちなみにコショウ目に属しており,独特の臭いがあるというのも何となく納得である.

日当たりの良くない湿ったところを好み,民家の庭先でも案外見かける.その所為か雑草扱いされることもよくある.

雑草なんて名の植物は無いので,全く失礼な話である.

住宅地であっても,見ようと思えば見えるものはいくらでもある.自然か自然じゃないかという議論はさておくとして,市街地というのも生態系の一つの形ではあるのだ.

ランの季節

2007-06-14 | 植物あれこれ
NFPはラン科の植物が多いことで有名である.希少なものも何種かある.まあ,希少であろうと無かろうとNFPの生態系にとって重要であることに違いはない.


サイハイラン.戦国時代の武将が振る采配に似ていることから.


コケイラン.割と道ばたに多い.花は地味ではあるが,数が多いので映える.


トケンラン.花はコケイランに似るが,葉は太短く,斑点がある.コケイランの葉は細長く斑点は無い.

この3種は割とよく見かける.他にもユウシュンラン,キンセイラン,アオチドリ,ハクサンチドリ,サルメンエビネ,ギンラン,ネジバナなどの記録がある.

ランというのはあまり栄養のない土地でよく生えている印象がある.特に針葉樹の暗い林床とか.まあ,酸性の土壌を好むという話を聞いたこともあるが,真偽のほどは私には分からない.

花がきれいなせいか,盗掘の対象にもなっている.毎年同じ所に咲くわけでもないのだろうが,ある日咲いていたのが次に行った時には無い,ということもある.

せっかく森に咲いているのだから,そのままにしておけばよいものを.

自己の欲のために持ち去ってしまうという行為は軽蔑に値する.

残念ながらそう言う人が居るのも事実である.サルメンエビネやキンセイランなどは特に狙われるのか,持ち去られたところもある.希少なものは狙われやすい.

が,森に入場制限などできないし,盗掘者を個体識別して排除することも難しい.結局の所,ヒトの欲望というのがどうしようもないものなのだ,ということなのだが.

こういう点でも,ヒトの意識というのを変えていく必要があるのだろう.ビジターセンターやら解説員やらというものの役割と言ってしまうとそれまでかもしれない.が,森に関わろうとする我々の行動次第と言うことになるのだろう.

周りの人間にそれぞれがそれぞれのやり方で伝えていくこと.

それが重要なのだろう.

笹米

2007-06-13 | 植物あれこれ
さて,あまり目立たないものを取り上げてみよう.



これはクマイザサの開花しているところだが,写真がヘタレなのは無視するとしても,実に地味である.

当然ながら植物なので,ササにも花というものはあるのだ.

ちなみにササはイネ科にするかタケ科にするかササ科にするかで色々揉めていたはずだが,現在の所イネ科に分類するのが主流のようである.

NFPにはクマイザサ,チシマザサ,チマキザサという3種のササが分布している.なおクマイザサは葉の裏に毛があり,チシマザサはクマイザサより葉が細長く背も高い上に葉の裏は無毛である.・・・等というこの辺の細かい話は私は専門ではないので控えておこう.あまりマニアックにしても何だし.

ちなみに,世間様でよく言うクマザサというササは存在しない.種としてのクマザサは,漢字では隈笹と書き,京都あたりにしか分布していない.一般でクマザサといっているのは熊笹の意で,クマが居そうな所に生えるササをまとめて呼んでいる,いわゆる俗称である.そんな名のササは無いのだ.

よく,どこぞの名産品とかで「くまざさ茶」とか「くまざさまんじゅう」とか「くまざさソフト」なんてものがあるけど.




そもそもそこに描かれているササはクマザサじゃないし.


その絵なら「チマキザサ節茶」とか「ササsp.茶」にするべきだ.





まあ,そんな話はさておき.


タイトルの「笹米」とは,その名の通りササの種子である.イネに実る米と同じだ.その昔,飢饉の際にはこれを食べたとも伝えられる.さすがに試してみたことは無いけれど.他にササの子は山菜としてけっこう知られており,時々店で売られている.

林床を覆ったりいつの間にか勢力を広げていたりと厄介者扱いされることが多いササだが,案外と人の生活に関わりはあるということだ.

樹の花色々

2007-06-01 | 植物あれこれ
暖かくなって葉が繁り,樹の花も咲くようになった.葉が先に展開し,その後に花が咲くタイプが多い.まあ,サクラなどは花芽の展開が先だったりするのだが.草本と違って見やすい高さにないためか,それとも案外地味なためか,注目する人は少ない.が,樹というのも立派な植物である.花も咲かすし実もつける.要は皆見えていないのだ.

案外地味というのは当たっていなくもない.

例えばこんなのも花である.

イタヤカエデの花.写真中央部にあるが,普通の人は知らない.色も目立たないので葉に紛れてしまうのだろう.まあ,写真もよくありませんが.

多少目立つものといえば

こんなところだろう.ハシドイの花である.ハシドイというと馴染みが無かろうが,ライラックに近い仲間である.さすがにライラックほど目立ちはしないが,先ほどのイタヤカエデと比べれば十分に目立つ.

割と派手なものというと

これかな.トチノキである.花序は長く,多くの花が咲く.下から順に開くのである.ちなみにトチの実は,昔は東北地方などで粉にしてシタミという非常食として重宝されたという.

樹の花というのは目線より高いところにあるためか余計に気付かないものだが,こうしてみてみると色々あって面白いものである.ちなみにこれらは大学構内に咲いていたものである.案外色々な樹が街路樹等人目に付くところに使われており,それらを観察してみるのもまた面白いものだ.

明日はサークルの新歓に駆り出されたので趾骨・・・じゃなかった,支笏湖に行って来ます.

酢漿草

2007-05-30 | 植物あれこれ
さて,唐突ながらタイトルの漢字について.

読める方は居られるだろうか.






















これで「カタバミ」と読むのである.


・・・無茶言うな.


他には「方波見」や「方喰」,「傍食」などと書く.まあ,このくらいなら読めなくもない.


ちなみに,カタバミ(カタバミ科)というのはこんな植物である.道ばたや草地によく生える,雑草と呼ばれる類の草本だ.まあ,どんなものであろうと名があるはずで,雑草などという植物は存在しないので,全く失礼な話である.が,そういう話はいずれするとして.

茎は地表を這い,根は太く頑丈である.踏みつけに強いと言うことだ.なればこそ道ばたや庭や畑などで生息できるのだろう.実は何かに触れるとはじけて種子が散布される.そういう意味でもヒトの行き来があるところで生き延びやすいと言うことだろう.

カタバミの名はおそらくは葉の形に由来するのだろう.葉がハート形をしており,一部が欠けたように見立てての名であろうか.葉にシュウ酸を含み,酸っぱいという話だが,あまり食べるという事は聞かない.なぜ「食」や「喰」という字を充てたのだろう.ヤマトシジミの幼虫の食草ではあるが,虫が食べたようには見えないし.
まあ,「酢漿草」という漢字はこのシュウ酸を含むことを示すのだろう.


さて,ようやく本題というかなんというか.

今回記事に取り上げた理由は,我が家の家紋が酢漿草紋だからである.

カタバミの葉は3枚が組になっており,幾何学的な意匠である.また畑の雑草としては有名で,一度根付くとなかなか除去するのが難しい.つまり,絶えない.ということで,家門の存続を願ってということもあってかこの紋様を使う家は多いようだ.花言葉は「輝く心」であるらしい.ちなみに西洋の花言葉は「賢い婦人」なのだとか.

酢漿草紋は山陰や北陸地方で多く用いられているらしい.そういえば我が家のルーツは富山の薬売りだというので,宜なるかな.

詳しくはこういうページを参照されたし.
家紋の由来


開花1号

2007-03-30 | 植物あれこれ
先日からボコボコ顔を出してきていたアキタブキが咲いた.これは雄花のようだ.雌花もどこかにあると思うので,そちらも見つけたら載っけます.

花が咲き始めると,春になったなあという感じがする.尤も,周りは雪ばかりでまだまだ寒いのだが.それでも春が来たのだ.

北海道にあるフキは本州のものより大型の亜種でアキタブキという.
学名ではPetasites japonicus subsp. giganteusと言う.

簡単に意訳すると「日本のフキで大型のもの」とでも言えば良かろう.

実際に足寄町の螺湾と言うところに生えるフキは特に大型でラワンブキとも呼ばれ,人の背丈より高くなる.「フキの葉の下の人」,すなわち「コロポックル」になれる訳だ.フキはアイヌ語で「コロコニ」といい,「コロコニ・ポック・ウンクル」=「フキ・下の・人」の詰まったものが「コロポックル」である.

雄株と雌株があり,春先はまず葉より先に花茎が出てくる.これが咲く前のものがいわゆる「フキノトウ」である.花が咲き終わると茎を伸ばし,雌株はそこで綿毛を風に乗せて飛ばす.そのまま茎を伸ばし,葉をつけ,それは人やクマの食料となるのだ.

飛べ

2006-12-13 | 植物あれこれ

通学路の道ばたにこんなものが落ちていた.

       

シナノキの種子である.丸い部分がタネ,葉っぱのような部分は苞と言い,簡単に言えば花の付属物とでも考えればよい.タネの部分は,当然の事ながら花があった場所である.花は幾つかが一まとまりとなって垂れ下がり,この付け根を覆うのが苞である.

シナノキはシナノキ科の高木であり,学名Tilia japonicaが示すように日本の固有種である.アイヌ語では「クペルケプニ」と言う(正確には「ル」と「プ」は小文字であるが,ワープロで書けぬ.「ニ」は樹を指す).彼らはシナノキの内皮を「クペルケプ」と呼び,初夏になると樹皮を剥いで繊維をとり,荷縄(タラ)や袋(サラニプ)の原料としていた.現代でもロープなどに一部利用されているという.

NFPを含め,このあたりでは広葉樹ではシナノキやミズナラなどが多く,針葉樹はトドマツが多い.黒松内以北の北海道の植生が凡針広混交林帯(TATEWAKIA)と言われる所以である.まあその話はいずれするとして.

シナノキの種子がなぜ苞を持つのか,というと,彼らの生存戦略によるものである.苞の部分をプロペラのように用い,風に乗って親木から離れた所へと飛んでいくのである.もちろん全ての種子が遠くへ行けるわけではない.この種子にしたって親木のすぐ近くに落ちていた.だからこそ種子は多く作られ,たまたま条件の良い日にとばされて好条件の土地に落ちた種子が,親の遺伝子を継ぐのである.それ以外のものは,あるものは土に還り,あるものは鳥や虫のエサになる.この種子は既に割れてしまっていた.カラ類か誰かが喰ったのだろう.

身近な生き物にも,様々な姿があり,様々な謎がある.