(聖バルバラ)
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バルバラはキリスト教が禁じられていた3世紀のローマ帝国で、
ニコメディアの富裕な家庭に生まれた。
求婚者たちから美しい娘を遠ざけようとした
非キリスト教徒の父、ディアスコロスによって、
バルバラは塔の中で生活することになる。
その幽閉生活の中で
彼女はキリスト教への信仰に目覚めた。
ある日、2つの窓のある浴室が塔内に建設されることになった際、
バルバラは窓を3つに増やさせた。
この理由を三位一体を表すためとしたことから、
娘がキリスト教徒であることを知った父は激昂し、
手にかけようとする。
その瞬間、岩が2つに裂け、バルバラを包んで連れ去った。
しかし、彼女を発見した羊飼いはその居場所を彼女の父親に密告してしまう。
その後、羊飼いの羊たちはイナゴに姿を変えられた。
一方、捕らえられたバルバラはキリスト教を信仰した廉によって、
火で身体を焼かれるなどの拷問を受けた。
しかし、翌朝には神のもたらした奇跡によって傷は癒され、
その裸身は白い薄衣で人目に直接触れないように覆われたとされる。
12月4日、剣によって彼女は殉教したが、その父は後に稲妻に打たれて死んだという。
十四救難聖人の一人で、発熱や急死から人々を護る。
鉱山や火を扱うなど危険な場所で働く人々の守護聖人である。
イタリアおよびスペインでは船や砦の弾薬庫での暴発事故を避けるため、
聖女バルバラの像をおき、弾薬庫自体を聖人にちなんで「サンタ・バルバラ」と呼んだ。
フランスではトンネル工事の際に聖バルバラの像を置く。
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【聖バルバラへの祈り】
「父と子と聖霊の御名(みな)によって アーメン。」
「ああ 御力(みちから)の他の奇跡のうちにて
殉教の勝利を与えたまいし天主よ、
御身の童貞にして殉教者なる
天の祝せられしバルバラを祝(しゅく)す我らをして
彼女の模範により
御身により一層 近づくを得せしめたまえ アーメン。」