うまがスラムダンクの続き

うまがスラムダンクを勝手にアレンジ。
スラムダンクの続きを書かせていただいています。

#29 【藤真トラブル】

2008-12-28 | #02 翔陽 選抜編
翔陽 10
海南 8




海南のオフェンス。

牧がドリブルで運ぶ。

翔陽は、トライアングルツーのまま。



藤真は低い姿勢で、牧の動きを見ている。


(また、一志のところか?あるいは、自分でいくか?)


牧が微かに神を見た。


(神か?)


藤真は、一瞬、横に目を向けた。



『キュ!!』



その一瞬の目の動きを見逃さなかった牧は、神とは反対方向にドリブルをはじめ、藤真を抜く。



(!!!)




「藤真があっさり抜かれたーーー!!」

「牧が前半から飛ばしているぞーー!!」




牧は一直線に永野に向かっていく。


「俺の上からは打たせん!」



『ダムダム!』



かまわずジャンプする牧。


永野もブロックに跳ぶ。


長谷川は、神にタイトについている。


(神にはいれさせない!)




『スッ!』



跳んでいる永野を横目に、牧がボールを落とす。



『バン!』


『ガシ!』



「牧さん、ナイスパス!」

ボールを受け取ったのは清田。



「俺をフリーにするとは、誤算だぜ!」

清田がレイアップシュートを放った。



だが。



「フリーでも、点は入れさせん!」



『バチィーン!』



「!!!」



花形が、豪快に清田のシュートを叩き落した。




「おぉぉーー!花形すげーーー!!」

「花形、高すぎる!!」




ボールは、ラインを割った。


「ちきしょう。どっから跳んできやがった!?」

「清田、花形はだいぶ脚力がついている。瞬発力はもちろん、届かないと思ったところからも跳んでくるから、気をつけろ。」

「はい。」

(藤真にも、花形にもぜってー負けねぇぞ!!)



(やはり、花形のあの脚力は、要注意だな。)

花形を見て牧が思う。



海南ボールで始まる。


『ダムダムダム・・・。』


牧が小刻みに体を揺らしながら、ドリブルをついている。




「今のところ、藤真君は牧君を抑えられていないわね。」

「サイズ、パワー、スピード、どれをとっても牧君が藤真君に勝っている気がするんですけど、
なぜ2人はライバルという位置付けなんでしょう?」

「強豪海南、翔陽にして、1年生からスタメンとして活躍している彼ら。
自らがしかけ、攻撃の起点となる牧君に対し、味方を動かし、得点を獲る藤真君。相対する2人の3年生PG。
帝王と呼ばれる牧君、並び称されはしても、牧君に一度も勝ったことのない藤真君。
ライバルというより、因縁の対決といったほうがいいわね。」

弥生が続ける。

「ただ、藤真君は今、牧君しか見えていない。周りが見えていない状態だわ。
最後の対決ということもあり、対牧君に固執しすぎている気がするわね。
普段なら交わせるスクリーンプレーも周りが見えていない分は、簡単に引っかかっているもの。
藤真君がこのままだと、底力で勝る海南が圧倒する可能性もあるわね。」

「確かに、最初のスクリーンだけは、交わせていたけど、今は引っかかってしまっていますもんね・・・。」




『キュ!』


(牧!もう抜かれないぞ!)



『ダム!』


(硬すぎる!らしくないぞ!)



一つのフェイクを交え、牧が抜きにかかる。



「藤真!」


花形が藤真に声をかけるが、藤真の耳には届いていない。



『ガシ!』



再び、清田のスクリーンにかかる。


(くそ!またスクリーンか!)


自分自身に腹が立つ藤真。



(牧さんのライバルがこんなもんなのか?)


少し残念に思う清田。



『ダムダム!!』



『シュ!』



ステップを踏む牧。

オーバーハンドレイアップシュートを放った。



だが。



『バチィーーン!!』



「!!!!」



再び、花形のブロックが炸裂。




「うぉーーーー!牧もブロックしたぁ!!」

「ゴール下の摩天楼!!」




(花形・・・、やるな・・・。)


花形の想像以上の動きに、戸惑いを隠せない牧。


(やはり、跳躍力に、瞬発力が格段にあがっている。これは少々やっかいだな。)



(牧さんが、あんなに綺麗にブロックされたのは、赤木以来だぜ。)

ボールは、再び、ラインをわっていた。



藤真は、花形のブロックを傍観者としてただ眺めていた。

藤真の瞳に写っているのは、牧の姿だけ。



(俺は、牧に勝てないのか・・・。)




翔陽 10
海南 8







続く。