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『慶徳義塾バスケットボール部 2軍一般合格者』
赤木 剛憲 (湘北高校 神奈川)
水島 流 (浦添南高校 沖縄)
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そこに、藤真の名前はなかった。
「藤真・・・。すまぬ。」
「赤木が謝ることはないだろ?それより、俺の分まで、頑張ってくれ。」
「うむ。」
「俺は、お前らに負けない素敵なキャンパスライフを過ごすかな。」
藤真の目は薄っすら涙が溜まっていた。
「よっ!ご両人!」
そこに諸星登場。
「諸星。」
「また貴様か。」
「貴様はないだろう?チームメイトに。」
「ふん!」
「宜しくな。心強い味方だと思っているぜ。」
握手を求める諸星。
『ガシ!!』
「おう。目指すは全国制覇だ!」
「もちろん!」
そのやりとりを見つめる藤真。
「藤真は・・・。」
「・・・。載ってなかっただろ?」
「知っているのか?」
「あぁ。先にみさせてもらった。残念だったな。」
「仕方ないさ。実力がなかっただけだ。」
「・・・。」
「おっ!そうだ!!俺は、そんなことを言いにきたんじゃない。
藤真、一緒にバスケ部の部室へ来てくれ。」
「んっ!?」
「飯塚監督の呼び出しだ。」
「なっ!」
顔を見合わせる赤木と藤真。
バスケ部部室。
『トントンッ!』
「失礼します!」
「失礼します。」
部室のドアを開けると、そこには、年齢は50代くらい、白髪の小さな男性が座っていた。
顔は穏やかで、優しそうな細い目をしている。
「諸星君。ありがとう。君かね、藤真君というのは?」
「はい。神奈川県の翔陽高校、藤真健司と申します。」
「まぁ。そんな堅くならずに。中田君から君のことは聞いているよ。
ドリブル、パス、視野、統率力、PGに必要なスキルは全て持っていると。」
「あっありがとうございます。」
「高校時代の成績も調べさせてもらった。監督のいない高校だったらしいね。
選手兼監督、コーチも務めていたようだが。」
「はい。」
「!!」
(そうだったのか・・・。)
隣で少し驚いている諸星。
「2年生の選抜までは、全国に出場。その後は、県予選で敗退。
いくら、1,2年次に相当の実力があったとしても、これでは、関東一部の大学からは、推薦の声はかからない。」
「・・・。」
「例え、海南の牧君や、山王工業の深津君と肩を並べられる可能性を持っているとしても。」
「・・・。」
「でも、それはラッキーだった。」
「ん!!」
「慶徳義塾バスケ部に君のような選手を招き入れることができるのだから。」
「えっ!」
「なっ!!」
驚く2人。
「しかしながら、飯塚監督。私には、入部の許可が下りていません。」
「そうだったね。2軍には入れないようだ。」
「まさか。」
感づく藤真。
「どういうことだ?」
鈍感な諸星。
「諸星君、藤真君、君たちは、春から1軍でやってもらう。
通常、1年生は2軍からスタートするのだが、今年はガード陣が手薄でね。
中田コーチと検討した結果、このような決断に至った。どうだね、やってもらえるかね?」
目をあわす諸星と藤真。
勝手に口が開く。
「任せてください!」
と大きな声で諸星。
「よっ宜しくお願いいたします。」
深々と頭を下げた藤真の顔は、今までにない喜びの表情を浮かべていた。
「こちらこそ、宜しく。」にこ。
部室を出た2人。
「よっしゃ!!」
ガッツポーズを決める諸星。
藤真は握った拳を眺めていた。
(また、バスケが出来るぞ!!バスケが出来る!!)
牧・全国制覇、そんな言葉など、頭には浮かんでこない。
ただただ、バスケが出来るという喜びを純粋にかみ締めていたのであった。
藤真は、赤木と合流し、飯塚から言われたままを報告した。
赤木は、自分のことのように喜んだ。
そして、思った。
(俺も一刻も早く1軍にあがるぞ!!)
こうして、関東一部7位の慶徳義塾バスケ部は新しい春を迎える。
藤真・諸星 1軍スタート
野辺・赤木・水島・推薦組1年 2軍スタート
「そういえば、水島って誰だ?」
「さぁ?」
「覚えておらん。」
#07 慶徳義塾大学編 終了
#08 高校 新体制編 に続く。
『慶徳義塾バスケットボール部 2軍一般合格者』
赤木 剛憲 (湘北高校 神奈川)
水島 流 (浦添南高校 沖縄)
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そこに、藤真の名前はなかった。
「藤真・・・。すまぬ。」
「赤木が謝ることはないだろ?それより、俺の分まで、頑張ってくれ。」
「うむ。」
「俺は、お前らに負けない素敵なキャンパスライフを過ごすかな。」
藤真の目は薄っすら涙が溜まっていた。
「よっ!ご両人!」
そこに諸星登場。
「諸星。」
「また貴様か。」
「貴様はないだろう?チームメイトに。」
「ふん!」
「宜しくな。心強い味方だと思っているぜ。」
握手を求める諸星。
『ガシ!!』
「おう。目指すは全国制覇だ!」
「もちろん!」
そのやりとりを見つめる藤真。
「藤真は・・・。」
「・・・。載ってなかっただろ?」
「知っているのか?」
「あぁ。先にみさせてもらった。残念だったな。」
「仕方ないさ。実力がなかっただけだ。」
「・・・。」
「おっ!そうだ!!俺は、そんなことを言いにきたんじゃない。
藤真、一緒にバスケ部の部室へ来てくれ。」
「んっ!?」
「飯塚監督の呼び出しだ。」
「なっ!」
顔を見合わせる赤木と藤真。
バスケ部部室。
『トントンッ!』
「失礼します!」
「失礼します。」
部室のドアを開けると、そこには、年齢は50代くらい、白髪の小さな男性が座っていた。
顔は穏やかで、優しそうな細い目をしている。
「諸星君。ありがとう。君かね、藤真君というのは?」
「はい。神奈川県の翔陽高校、藤真健司と申します。」
「まぁ。そんな堅くならずに。中田君から君のことは聞いているよ。
ドリブル、パス、視野、統率力、PGに必要なスキルは全て持っていると。」
「あっありがとうございます。」
「高校時代の成績も調べさせてもらった。監督のいない高校だったらしいね。
選手兼監督、コーチも務めていたようだが。」
「はい。」
「!!」
(そうだったのか・・・。)
隣で少し驚いている諸星。
「2年生の選抜までは、全国に出場。その後は、県予選で敗退。
いくら、1,2年次に相当の実力があったとしても、これでは、関東一部の大学からは、推薦の声はかからない。」
「・・・。」
「例え、海南の牧君や、山王工業の深津君と肩を並べられる可能性を持っているとしても。」
「・・・。」
「でも、それはラッキーだった。」
「ん!!」
「慶徳義塾バスケ部に君のような選手を招き入れることができるのだから。」
「えっ!」
「なっ!!」
驚く2人。
「しかしながら、飯塚監督。私には、入部の許可が下りていません。」
「そうだったね。2軍には入れないようだ。」
「まさか。」
感づく藤真。
「どういうことだ?」
鈍感な諸星。
「諸星君、藤真君、君たちは、春から1軍でやってもらう。
通常、1年生は2軍からスタートするのだが、今年はガード陣が手薄でね。
中田コーチと検討した結果、このような決断に至った。どうだね、やってもらえるかね?」
目をあわす諸星と藤真。
勝手に口が開く。
「任せてください!」
と大きな声で諸星。
「よっ宜しくお願いいたします。」
深々と頭を下げた藤真の顔は、今までにない喜びの表情を浮かべていた。
「こちらこそ、宜しく。」にこ。
部室を出た2人。
「よっしゃ!!」
ガッツポーズを決める諸星。
藤真は握った拳を眺めていた。
(また、バスケが出来るぞ!!バスケが出来る!!)
牧・全国制覇、そんな言葉など、頭には浮かんでこない。
ただただ、バスケが出来るという喜びを純粋にかみ締めていたのであった。
藤真は、赤木と合流し、飯塚から言われたままを報告した。
赤木は、自分のことのように喜んだ。
そして、思った。
(俺も一刻も早く1軍にあがるぞ!!)
こうして、関東一部7位の慶徳義塾バスケ部は新しい春を迎える。
藤真・諸星 1軍スタート
野辺・赤木・水島・推薦組1年 2軍スタート
「そういえば、水島って誰だ?」
「さぁ?」
「覚えておらん。」
#07 慶徳義塾大学編 終了
#08 高校 新体制編 に続く。