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うまがスラムダンクの続き

うまがスラムダンクを勝手にアレンジ。
スラムダンクの続きを書かせていただいています。

#167 【夢、再び】

2009-08-07 | #07 慶徳義塾大学編
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『慶徳義塾バスケットボール部 2軍一般合格者』



  赤木 剛憲 (湘北高校 神奈川)


  水島  流 (浦添南高校 沖縄)


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そこに、藤真の名前はなかった。



「藤真・・・。すまぬ。」

「赤木が謝ることはないだろ?それより、俺の分まで、頑張ってくれ。」

「うむ。」

「俺は、お前らに負けない素敵なキャンパスライフを過ごすかな。」

藤真の目は薄っすら涙が溜まっていた。




「よっ!ご両人!」

そこに諸星登場。


「諸星。」

「また貴様か。」

「貴様はないだろう?チームメイトに。」

「ふん!」

「宜しくな。心強い味方だと思っているぜ。」

握手を求める諸星。

『ガシ!!』

「おう。目指すは全国制覇だ!」

「もちろん!」

そのやりとりを見つめる藤真。


「藤真は・・・。」

「・・・。載ってなかっただろ?」

「知っているのか?」

「あぁ。先にみさせてもらった。残念だったな。」

「仕方ないさ。実力がなかっただけだ。」

「・・・。」

「おっ!そうだ!!俺は、そんなことを言いにきたんじゃない。
藤真、一緒にバスケ部の部室へ来てくれ。」

「んっ!?」



「飯塚監督の呼び出しだ。」



「なっ!」

顔を見合わせる赤木と藤真。




バスケ部部室。


『トントンッ!』


「失礼します!」

「失礼します。」


部室のドアを開けると、そこには、年齢は50代くらい、白髪の小さな男性が座っていた。

顔は穏やかで、優しそうな細い目をしている。


「諸星君。ありがとう。君かね、藤真君というのは?」

「はい。神奈川県の翔陽高校、藤真健司と申します。」

「まぁ。そんな堅くならずに。中田君から君のことは聞いているよ。
ドリブル、パス、視野、統率力、PGに必要なスキルは全て持っていると。」

「あっありがとうございます。」


「高校時代の成績も調べさせてもらった。監督のいない高校だったらしいね。
選手兼監督、コーチも務めていたようだが。」

「はい。」


「!!」

(そうだったのか・・・。)

隣で少し驚いている諸星。


「2年生の選抜までは、全国に出場。その後は、県予選で敗退。
いくら、1,2年次に相当の実力があったとしても、これでは、関東一部の大学からは、推薦の声はかからない。」


「・・・。」


「例え、海南の牧君や、山王工業の深津君と肩を並べられる可能性を持っているとしても。」


「・・・。」




「でも、それはラッキーだった。」



「ん!!」




「慶徳義塾バスケ部に君のような選手を招き入れることができるのだから。」



「えっ!」

「なっ!!」

驚く2人。



「しかしながら、飯塚監督。私には、入部の許可が下りていません。」



「そうだったね。2軍には入れないようだ。」




「まさか。」

感づく藤真。

「どういうことだ?」

鈍感な諸星。


「諸星君、藤真君、君たちは、春から1軍でやってもらう。
通常、1年生は2軍からスタートするのだが、今年はガード陣が手薄でね。
中田コーチと検討した結果、このような決断に至った。どうだね、やってもらえるかね?」

目をあわす諸星と藤真。

勝手に口が開く。



「任せてください!」

と大きな声で諸星。



「よっ宜しくお願いいたします。」

深々と頭を下げた藤真の顔は、今までにない喜びの表情を浮かべていた。




「こちらこそ、宜しく。」にこ。




部室を出た2人。


「よっしゃ!!」

ガッツポーズを決める諸星。


藤真は握った拳を眺めていた。

(また、バスケが出来るぞ!!バスケが出来る!!)

牧・全国制覇、そんな言葉など、頭には浮かんでこない。

ただただ、バスケが出来るという喜びを純粋にかみ締めていたのであった。




藤真は、赤木と合流し、飯塚から言われたままを報告した。

赤木は、自分のことのように喜んだ。

そして、思った。



(俺も一刻も早く1軍にあがるぞ!!)




こうして、関東一部7位の慶徳義塾バスケ部は新しい春を迎える。




藤真・諸星 1軍スタート

野辺・赤木・水島・推薦組1年 2軍スタート




「そういえば、水島って誰だ?」

「さぁ?」

「覚えておらん。」








#07 慶徳義塾大学編 終了
#08 高校 新体制編 に続く。

#166 【テスト結果】

2009-08-06 | #07 慶徳義塾大学編
一般入部テストのこの日。

推薦組の諸星と野辺、一般組の藤真と赤木、4人が初めて顔を合わす。



開口一番は、諸星。

「藤真!牧から聞いてるぜ。PGはお前で決まりだな。これから、よろしく頼むぜ。」

「嬉しいけど、まだ入部できると決まったわけじゃないさ。」

「お前なら、間違いない。そして、赤木!お前がいるとは聞いていなかった。かなり驚いたぞ。」

「ふん!人にいうもんじゃないからな。」



次に、話をもっていったのは、藤真。

「俺も、赤木が慶徳だってことを今日ここに来て、はじめて知ったんだ。
冬休みの間、あんなに一緒にいたのに、一言もいわれなかったからな。」

「決まったのは、1月だったからな。」

「いや、赤木だけじゃない。諸星と野辺にも驚いたぜ、お前らが一緒とは、心強い。
牧も教えてくれればよかったのにな。」

「お互い、嬉しいサプライズだったわけだ。」

と諸星。



続いて、野辺。

「赤木。同じチームになるとは、河田たちにいい報告ができそうだ。」

「ありがと。」

握手をする野辺と赤木。

「ただ、俺たちはまだ合格したと決まったわけじゃない。」



そして、最後は赤木。

「諸星、なんだ?その茶髪は?スポーツマンには似合わない。切れ!しかも、貴様には似合ってない!!」

「なっ!なんだよ、いきなり!うるせーぞ、ゴリラ!」

「何がゴリラだ!バカ者!!
まぁよい。俺が入部することができたら、目指すは、全国制覇のみ!
お前ら、必死に俺についてこいよ!」

「バカ!何様だ!」

と諸星。

「相変わらずだな。」

藤真は笑った。

(熱血漢・・・。)

野辺は思った。




30分後、全テストマッチが終了した。


「テストの結果は、明日10時。体育館の掲示板に貼っておくから、各自見に来るように。
今日はご苦労だった。解散!」

「はい!」


3割の選手は、合格だと言い張っている。

7割の選手は、落ちたと嘆いていた。



そんな中、



「愛知の星!!」

「愛和学院の諸星君だよね?」

何名かの選手が諸星を呼んだ。

「あぁ、そうだ。」

騒ぎ出す体育館。


「あいつらは、何者なんだ?諸星君たちとも仲が良さそうだったんだけど。」

「お前ら、あいつら知らねぇの?まぁ、無理もねぇか?
赤木は、IHの1回しか、全国出てねぇし、藤真は、今年は国体だけだったからな。」

「はぁ。」

「湘北のキャプテン赤木と、翔陽キャプテンの藤真。神奈川の選手だ。」

「湘北って、山王を破った奇跡のチームの?」

「あぁ、そうだ!!」



その光景を見ている赤木。

「諸星は偉そうだな。あいつらとかぶる。」

桜木と三井を思い出す。


「俺らの唯一の敗戦を惜しげもなくさらしている。」

ちょっと腹が立つ野辺。



「藤真は、深津や牧を肩を並べていたPGだ。まぁ、若干過去の話だがな。」



「過去か・・・。確かに・・・。」

苦笑う藤真。



「なんで、そんなやつが一般なんだろ?」

「どうりで巧いわけだ。」

「なんか、見たことあるな~って思っていたんだよな。」

疑問に思う選手、納得する選手がいた。

「んじゃ、やっぱり2人は合格かな?」

「大村、綿貫も合格確定かな。」

「そればっかりはわからねぇけどな。」



少し離れたところ。

「諸星って、自分が中心にいたいタイプのようだな。」

と赤木が野辺に尋ねる。

「あぁ。何でも顔を突っ込むタイプのようだ。」

「スコアラーは、そのほうが合っている。」

藤真は笑顔を見せた。




翌日・・・。

掲示板には、『慶徳義塾バスケットボール部 2軍一般合格者』という紙が張られていた。



赤木、藤真がともに掲示板を訪れる。


「大学の合格発表以上にドキドキするな。」

「そっそんなことは、なっない。」

強気を装う赤木であったが、昨夜は一睡も眠れなかった。

進学しても、バスケが出来なければ、赤木にとって、夢が潰されるのも当然。

もちろん、藤真にとっても同様であった。




掲示板を覗き込む2人。



一瞬の静寂が訪れる。




掲示板には2名の名前が記載してあった。




「・・・。」

無言の赤木。




「ふーーー。」

一息ついて、藤真が手を差し出す。




「おめでとう。」





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『慶徳義塾バスケットボール部 2軍一般合格者』



  赤木 剛憲 (湘北高校 神奈川)


  水島  流 (浦添南高校 沖縄)


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続く。

#165 【4人の選手】

2009-08-05 | #07 慶徳義塾大学編
赤木らにとって、テストマッチ2試合目。

黒(大村) × 白(藤真・赤木)




『ドガァ!!』


大村が赤木の上からダンクを決めた。


「やられているぞ!」

「ふん!少しは骨があるな。」

赤木が笑った。


(問題・・・ないか。)

藤真も笑う。



藤真のカットインから、赤木へループパス。


「うほっ!」


『ドガァァァ!!』


お返しとばかりに、大村よりも迫力あるアリウープを決めた。



「ほーー。」

今まで平然としていた大学スタッフらも感心する。



「少しはやるようだな!!」

赤木は、叫ぶ大村に見向きもしない。



「ナイスパスだ!」

(さすが、藤真。パスの高さ、速さ、完璧だ。)


(海南との練習試合のおかげで、だいぶ赤木の動きがわかる。
あの練習試合は俺たちにとってもいい経験だったってことか。)



「ちくしょう!あいつら!」


大村が強引にシュート打つ。



『バシ!!』


赤木のブロック。


「なにっ!!!」

「ふん!あまいわ!!」


赤木は、ボールを掴み、大きく前線へ。

藤真が経由し、味方G荒川へパス。

追加点を奪う。




コート外。


「やー。君たちは、確か諸星君と野辺君だよね。飯塚監督から聞いているよ。」

アシスタントコーチが声をかける。

「あっ。ありがとうございます。」

「今、テストマッチ中だから、その辺に座っていて。」


「あのー。あのセンター・・・。」

諸星が問いかける。

「どっち?」

「あっ、白のほうです。」

「あのこね。いい動きだね。まだ多少の無駄な動きはあるけど、2軍と遜色ない実力を持っていると思うよ。
特にゴール下の威圧感は、他の選手にないものがある。でも、よくあんなこが、埋もれていたよ。」

「ええ。そうですね。」

「試合が終わるまで、ちょっと待ってってね。」

「はい。」




「野辺っち。あいつは・・・。」

「間違いない。あのゴリラ顔は、湘北の赤木だ。」

「藤真のほかに、赤木も慶徳に入学なのか?まじかよ!!信じられねぇぞ。」

「赤木と同じ大学・・・、心強い。」

と面長になる野辺。



野辺はもちろん、諸星もIHで湘北と対戦していた。

湘北-愛和戦。

桜木の欠場、流川、三井のスタミナ不足などにより、愛和は湘北に大勝した。

だが、最後の最後まで諦めず愛和に立ち向かったのが赤木であった。


愛和戦 24得点 13リバウンド 6ブロックを記録していた。


そのイメージが濃く残っていた諸星は、赤木の姿を見たとき、本気で全国制覇を狙えると思った。


(まじで、俺たちに風が吹いてきている!!)




藤真の的確なゲームメイクで大量リードを奪う。

平然としていた大学スタッフ5名の中には、うなずくものや、笑みをこぼすものもいた。


ラストプレー、赤木が、この試合2本目のアリウープを決めた。

もちろん、演出したのは、藤真であった。



テストマッチ終了。


黒 9
白 25



1試合目、ディフェンスに専念していた赤木であったが、2試合目は、オフェンスにも果敢に参加。

しかも、ディフェンスの手も休めることもなく、12得点 5リバウンド 3ブロック。

大村を4得点に抑えていた。


藤真は、2試合目同様、完璧にゲームを組み立て、味方に指示を出し、勝利へ引率した。

6得点 7アシスト。

赤木と変わらぬ存在感を見せ付けていた。



「おっおい!10番!お前は何者だ?河田にも似た、ゴール下の威圧感、無名の選手とは思えねぇ。」

「ふん、無名で結構。だが、この顔は覚えておけ!」

「お前みたいなゴリラ顔なんぞ、覚えるか!!
・・・・・・、ゴリラ顔・・・??ゴリラ・・・。ダンク・・・。うほっ。
あっ!!!!」

「・・・・・・。」

「おっお前は、山王を破った湘北のセンターの!!」



「赤木!!!藤真!!!」

大村が声を出そうとした瞬間、後ろから、赤木と藤真を呼ぶ声が聞こえた。



「よっ!ご両人!!」

手を高くあげる諸星。

隣にはのべっとした顔の野辺がいた。


「!!!」


「!!!」


「諸星!!!」

と叫ぶ藤真。


「野辺!!!」

と叫ぶ赤木。


そして、体育館もざわつく。

「あれって愛和の諸星と山王の野辺じゃねぇ!?」

「噂には聞いていたけど、本当に慶徳だったんだ!」

「でも、なんであいつらがここにいるんだ??」

「いや、それより、なんであのセンターとガードが、諸星たちと仲良さ気に話をしているんだ??」



一般入部テストのこの日。

藤真、赤木、諸星、野辺が、同じ体育館に立つ記念すべき日となった。



だが、彼ら4人の頭の中には、いまだ混乱が生じていた。








続く。

#164 【入部テスト開始】

2009-08-04 | #07 慶徳義塾大学編
慶徳義塾大学バスケ部の入部テストが行われている。

参加選手は20名。

合格者数は不明と、不透明な入部テストであった。

選手らは4チームに分けられ、奇跡的に藤真と赤木は白チームになった。


現在、200cmを超える石川の壁、大村がいる黒チームと赤チームが試合をしている。



『ドガッ!!』


『バチィーン!!』


『バス!!』



10分後、試合は終了。

黒 34
赤 19



黒チームは、大村の大活躍により、赤チームに圧勝した。

実に、大村は22得点を獲得していた。



「これは想像以上の選手だな。」

苦笑いの藤真。

「ふむ。」

腕組の赤木。



一方、コーチら大学のスタッフは淡々と採点し、テストマッチを進行していった。

「次は、白と黄、前に出て。」

「はい!」

「おう!」



「頑張ろう。」

藤真らと同じチームのG荒川が声をかける。

「あぁ。」

藤真が笑顔で答える。

「ところで、えーっと。」

「藤真です。」

「どこの出身?あのセンターと同じ高校?」

「俺は神奈川県出身で、彼は赤木。地元が同じでね。」

「ふーん。そうなんだ。とりあえず、負けないように頑張ろうね。」

「あぁ。」


(とりあえずじゃない。必ず勝って、バスケ部へ入部するんだ。)



白対黄の試合が開始した。



『バス!』


ジャンプボールを激しく叩いた赤木、それキャッチし、藤真が速攻を決める。



『バチィン!!』


『バス!』


赤木の2回連続のブロック。


藤真が敵を引きつけ、G荒川のシュートを演出。


赤木がスクリーン。

藤真がフリーで3Pを決める。


藤真は、相手ガード、堀高校の綿貫を完璧に抑えるディフェンス。

アシストを量産し、自らも得点を奪った。


一方の赤木は6得点のみ。


大村とは比べものにならなかったが、
味方の盾となり、壁となり、ディフェンス、味方の援護と献身的に動いていた。


結果。


白 28
黄 16



「ふーー。赤木君、まずは1勝だね。」

と荒川。

「このテストは勝ち負けではない。」

「でも、負けるわけにはいかないな。」

赤木に続いて、藤真がいった。


黄チームのG、堀高校の綿貫は、とまどっていた。

「なんだ。あのガードは?選抜に出場していたのか?林と変わらないディフェンスだぜ・・・。」


福井県代表 堀高校、2回戦で京都府洛安高校に敗れる。

洛安高校には、山王一之倉と並ぶディフェンスの名手、林がいた。

その林にディフェンスされたのが、綿貫であった。


(あのガード、間違いなく全国トップレベルだ・・・。)


綿貫も実力者、10分間対峙すれば、相手のレベルがわかる。

その綿貫が下した判断。



(洛安PGの小関以上・・・。)



つまり、全国ベスト8のPG以上の評価を下していた。




続いて、

黄 23
赤 19


その綿貫の活躍もあり、黄色チームは、赤チームを下した。

8得点5アシスト、ほとんどの得点に絡む活躍であった。

綿貫もまた、紛れもない全国クラスの選手であった。




「黒と白、前へ。」

「おい、10番。ディフェンスに相当実力があることは認めてやる。
だが、俺はあの山王の河田と対戦した男だぜ。悪いが、叩き潰させてもらう。」

「ふん。」

C大村率いる黒チームと藤真らの白チームのテストマッチが始まった。




試合が開始してまもなく、2名の男が、体育館に訪れる。


「失礼します!」

「失礼します。」


「おう。やってるねぇ。」

と茶髪の男。

「藤真ってどいつだ?」

と面長な男。


「あっ!!!あのガードだ!あれ、藤真だろ!?左利きだし!」

「あーぁ、あいつか。確かに国体のとき、神奈川代表にいた。俺も覚えている。
・・・・・・、えっ!!おっおい!!ちょっと待て!!!」

「何だよ!?」

「あのセンター・・・。」


「あっ!!!!!」


大学スタッフは、その大声で、2人の存在に気付いた。


「やー。君たちは・・・。」







続く。

#163 【慶徳義塾大学】

2009-08-03 | #07 慶徳義塾大学編
2月上旬。

慶徳義塾大学体育館には、20名以上の男たちが集まっていた。


あるものは、ストレッチをし、

あるものは、コートの感覚を確認し、

あるものは、シュートを練習していた。



その中に、バッシュの紐を絞める藤真健司の姿があった。

藤真は、集まっている男の中では、小柄で細身なほうであった。

そのため、心無いものからは、冷ややかな目で見られていた。



『パン。』


結び終え、立ち上がる藤真の肩に、何者かが触れた。



『クルッ。』



そこには。




「赤木!!」




振り返る藤真の目に映ったのは、紛れもなく、湘北高校の元キャプテン赤木剛憲であった。

その声は、体育館全体に響き渡った。



『チィッ!!』


「あぁっ!!」


「うるせ!」


「空気読め!」


舌打ちをされたり、睨まれたり、藤真には、更に鋭い視線が向けられた。




本日は、慶徳義塾大学バスケ部への一般入部テスト。

そのため、参加した選手たちは、みな緊張し、いきり立ち、敵対心むき出しであった。


「赤木、どうしてここに?」

興奮を抑え、小さな声で話す藤真。

「バスケ部に入部するためだ。」

きっぱりと答えた。

冷静な藤真も、今回ばかりは、頭の中が混乱していた。


「ん!?ん??ということは・・・。」

「一般入試で合格することができた。だから、俺はバスケ部に入って、全国制覇を目指す!」

「ほっ本当か!!」

目の前で起きている現実をいまだ信じられないでいる藤真。


「つまり、俺と赤木は同じチームになるわけか!?」

藤真の声がまた大きくなった。


「あぁ?」


「何が同じチームだ。合格もしてねぇくせに!」


「チビとゴリラが!」


再び、他の選手から睨まれる藤真。

赤木も巻き添えをくらった。


「まぁ、そういうことだ。」

(俺と赤木が同じ・・・、チーム・・・。)

藤真はいつになく興奮していた。




「では、入部テストを受ける方は、身長順に整列してください。」

大学関係者と思われる男が声をかける。


23名の選手が整列する。

藤真より小さい男は、1名、赤木より大きい男は、3名いた。


「私は、慶徳義塾バスケ部の2軍コーチの中田だ。
このテストで合格したものは、バスケ部の2軍に入部できる許可が下りる。
その後、1軍対2軍の対抗戦等により、1軍に昇格することができる。無論、ここは実力の世界だ。
4年間ずっと2軍のものもいる。そのことをよく肝によく銘じておいてくれ。」

2軍入部という話を聞き、文句をいうものもいた。

だが、中田はかまわず続けた。

「2軍だからとバカにしてはいけない。昨年、このテストに合格したのは1人のみだ。一昨年は1人もいなかった。
正直、今の君たちのレベルでは、2軍でさえ、歯が立たないであろう。
そして、今年の入部生は、推薦組から十分に確保できた。つまり、君たちは余剰人員だ。
別に入部させなくてもいい存在。そのことを忘れるな。」


ざわめきだす選手たち。

彼らも高校では全国に出場するほどの強豪校に籍を置き、バスケの腕には自信があった。

それを今日初めて会った人間から、レベルが低いだの、余剰人員だのといわれたのである。

彼らのプライドはだまってはいなかった。


「それなら、2軍と試合をさせてください。勝ったら、全員合格っていうのはどうですか?」

「そうだ!」

「そうしましょう!!」

声を荒げる3名の選手。


選手を指差す中田。

「君と君と、あと君、もう帰っていいよ。」

「なっ!!」

「協調性のないもの、コーチの指示に従がえないものは、慶徳義塾には必要ない。はい、ご苦労様でした。」

3名の選手からの謝罪の言葉など全く聞かない中田。

手で退場を促した。

「・・・。」


無言で体育館を去っていく3名を藤真と赤木が見つめていた。

(中途半端なものはいらないということか。)

(協調性のないやつとバスケをすると、悩みのタネが増える・・・。ふん、上等だ。)

赤木らは桜木らを思い出しながら、苦笑いをした。



「君たちには今の実力と今後の可能性をみせてもらう。テストと思わず、バスケットを楽しんでくれ。では、これを着て、準備をしてくれ。」

中田が4種類のビブスを配る。

チームは身長で4チームに別れ、藤真と赤木は、奇跡的に同じチームになった。


「20分後、10分流し、総当り戦のテストを行う。
作戦やポジションは、君たち自身で決めてくれ。」

「はい!」

中田2軍コーチのほか、2名のアシスタントコーチと2軍キャプテン、副キャプテンが採点し、
その中から、合格者を決めるというものだった。


各チームでは簡単に自己紹介や作戦会議が行われていた。



黄色のビブスチームから、歓声が上がる。

「堀のスタメンガードだってよ!」

「堀ってあの福井のか?」

「綿貫なら、推薦もらってもおかしくなかったんじゃないか?」

言わずと知れた福井県代表堀高校、北陸の古豪と呼ばれるチームである。



更に、黒のビブスチームからも、大きな声が起こった。

「星川実業のセンター、大村だ。」

「あんた、石川の壁だろう?」

「いかにも。俺は、慶徳でバスケをするべく、北陸商大の推薦を断ってきたんだ。」

石川県代表の星川実業 選抜では、2回戦で山王工業と対戦し、大敗をしているが、
大村は、200cmを超える将来有望な大型センターであった。



「赤木!ライバルになりそうなやつがいるな?」

「ふん!俺のライバルは、もっと先にいる。藤真も気合をいれろよ。」

「あぁ。牧と戦うまでは、誰にも負けるつもりはないさ。」

まもなくして、黒チームと赤チームの試合が行われた。








続く。