翔陽 2
海南 2
翔陽のオフェンス。
藤真からハイポの花形、ローポの永野へと流れるようにボールが渡り、得点を追加。
「さすがに、翔陽はでかいな。海南は、そんなに大きくないチームだ。高さのバスケをされると喰われるかもしれんな。」
「ええ、田岡さん。翔陽の藤真さん、花形さんのホットライン、要チェックですね。」
「誰が、田岡さんだ。監督といえ、監督と!」
「ノリですって。もう・・・。」
先ほど、試合を終えた陵南選手が、赤木たちのすぐそばの観客席に座る。
「田岡監督!おめでとうございます。みんなもお疲れ様。いい試合だったぞ。」
「おめでとうは、優勝してからにしてくれ。」
声をかける魚住に、田岡が微笑む。
「ん!?越野、仙道と福田は?」
「帰りましたよ。」
「まったく、自分勝手なやつらだ。」
怒りを通り越して、呆れ顔の田岡に彦一がフォローをいれる。
「お2人は、体育館ですよ。練習するっていってはりました。」
「・・・、そういうことなら・・・。まぁ、よしとするか・・・。」
田岡は納得いかない様子。
「彦一、宮城たちは?」
「宮城さんたちも、一足お先に帰りましたよ。」
「何!?試合を観戦するのも、練習のうちだと言っておいたのに。
あのバカたれどもは。宮城もキャプテンのくせに帰ったのか。」
「ええ。ただ、安西監督も帰りはりましたよ。」
「何!?安西先生も!?ん・・・、そういうことなら・・・。まぁ、よしとするか・・・。」
田岡同様、赤木も納得のいかない様子。
(安西先生、なぜ?WHY?)
「わぁぁーーーー!!」
歓声があがる。
「ん!?」
観客席の赤木らがコートに目を向ける。
『ガシ!』
神のスクリーンに藤真は身動きが取れない。
再び、牧と長谷川の1on1。
(くそっ!)
『キュ!』
だが、今度は簡単には抜かれない。
『キュッ!』
(そう簡単に牧さんは止められねぇよ。)
清田が牧を見て思う。
(ほらな。)
牧が長谷川を抜く。
(ぐっ!)
『ドン!』
思わず、長谷川は抜かれ際に牧を押してしまった。
にやっと笑う牧。
笛がなる。
『ピィーーー!!』
「青#6!プッシング!」
「ドンマイ、一志!ファウル抑えていこう。」
「あぁ。すまん・・・。」
藤真が声をかける。
(やはり、一志のところを狙っているのか・・・。)
再び、海南のオフェンス。
清田から神にボールが渡る。
「神の3Pかーー!」
「打てーーーー!!」
『キュ!』
(速い!)
長谷川がシュートチェックに跳ぶ。
だが、フェイク。
神は冷静にワンドリから、一歩踏み込み、ミドルシュートを決めた。
「ナイッシュ、神さん!」
(俺のところを狙っている・・・。)
「一志、気にするな。抜かれてもかまわん。後ろには俺たちがいるんだ。信頼して当たっていけ。」
花形らが声をかける。
長谷川は、花形、高野、永野を見渡し、小さくうなずいた。
翔陽 4
海南 4
「清田!」
牧が清田に指示。
親指を立てて、藤真をさした。
「OKっす!」
『キュ!』
「おっ、海南が動いたな。いつもより早い対応だ。」
「藤真に清田がボックスワンか・・・、翔陽の高さに対抗するためには、ゾーンが絶対だ。
だが、一般的なゾーンでは藤真がフリーになってしまい、結局は、4人のビッグマンをうまく使われてしまう。
藤真へのボックスワンは、当然の作戦といっていいな。」
「清田でとめられますかね?牧のほうがいいんじゃないですか?」
「確かに清田じゃ藤真を完璧に抑えられるとは思えんが、4人のビッグマンに対抗するためには、
サイズ、パワーは少しでもあるほうがいい。現時点では、牧がゾーンの一角を担うほうが望ましいな。
それに・・・。」
「それに?」
「俺は、海南にとっては藤真よりも花形のほうがやっかいだと思っている。高頭も牧もそう思っているかもしれないな。」
田岡や越野らが、海南のディフェンスを分析している。
(牧さんに任せられた以上、ぜってー藤真をとめる!)
(牧!引きずり出してやるさ。)
藤真が清田に1on1をしかける。
『キュッキュ!』
『ダム』
(いいディフェンスしてるな。だが、まだまだだ。)
『シュン!』
清田の顔面を掠めるような鋭いパスが、藤真からノールックで放たれた。
(!!!)
驚いた清田がボールの軌道を追うとそこには、牧、神を背中で押さえ、花形がハイポストでボールをキャッチしていた。
花形はそのままノールックでゴール下の高野にボールを放り込む。
『ザシュ!』
武藤の上から、高野が決める。
「よし!」
翔陽 6
海南 4
(翔陽は徹底的にゴール下で攻める作戦か。だが、海南も一歩も引かないぜ。)
海南のゴール下というウィークポイントをつく翔陽のオフェンス。
一方、執拗に長谷川を攻め立てる海南のオフェンス。
お互いが確実に点に結び付けていたが、ここで翔陽に予想外のトラブルが発生する。
翔陽 10
海南 8
続く。
海南 2
翔陽のオフェンス。
藤真からハイポの花形、ローポの永野へと流れるようにボールが渡り、得点を追加。
「さすがに、翔陽はでかいな。海南は、そんなに大きくないチームだ。高さのバスケをされると喰われるかもしれんな。」
「ええ、田岡さん。翔陽の藤真さん、花形さんのホットライン、要チェックですね。」
「誰が、田岡さんだ。監督といえ、監督と!」
「ノリですって。もう・・・。」
先ほど、試合を終えた陵南選手が、赤木たちのすぐそばの観客席に座る。
「田岡監督!おめでとうございます。みんなもお疲れ様。いい試合だったぞ。」
「おめでとうは、優勝してからにしてくれ。」
声をかける魚住に、田岡が微笑む。
「ん!?越野、仙道と福田は?」
「帰りましたよ。」
「まったく、自分勝手なやつらだ。」
怒りを通り越して、呆れ顔の田岡に彦一がフォローをいれる。
「お2人は、体育館ですよ。練習するっていってはりました。」
「・・・、そういうことなら・・・。まぁ、よしとするか・・・。」
田岡は納得いかない様子。
「彦一、宮城たちは?」
「宮城さんたちも、一足お先に帰りましたよ。」
「何!?試合を観戦するのも、練習のうちだと言っておいたのに。
あのバカたれどもは。宮城もキャプテンのくせに帰ったのか。」
「ええ。ただ、安西監督も帰りはりましたよ。」
「何!?安西先生も!?ん・・・、そういうことなら・・・。まぁ、よしとするか・・・。」
田岡同様、赤木も納得のいかない様子。
(安西先生、なぜ?WHY?)
「わぁぁーーーー!!」
歓声があがる。
「ん!?」
観客席の赤木らがコートに目を向ける。
『ガシ!』
神のスクリーンに藤真は身動きが取れない。
再び、牧と長谷川の1on1。
(くそっ!)
『キュ!』
だが、今度は簡単には抜かれない。
『キュッ!』
(そう簡単に牧さんは止められねぇよ。)
清田が牧を見て思う。
(ほらな。)
牧が長谷川を抜く。
(ぐっ!)
『ドン!』
思わず、長谷川は抜かれ際に牧を押してしまった。
にやっと笑う牧。
笛がなる。
『ピィーーー!!』
「青#6!プッシング!」
「ドンマイ、一志!ファウル抑えていこう。」
「あぁ。すまん・・・。」
藤真が声をかける。
(やはり、一志のところを狙っているのか・・・。)
再び、海南のオフェンス。
清田から神にボールが渡る。
「神の3Pかーー!」
「打てーーーー!!」
『キュ!』
(速い!)
長谷川がシュートチェックに跳ぶ。
だが、フェイク。
神は冷静にワンドリから、一歩踏み込み、ミドルシュートを決めた。
「ナイッシュ、神さん!」
(俺のところを狙っている・・・。)
「一志、気にするな。抜かれてもかまわん。後ろには俺たちがいるんだ。信頼して当たっていけ。」
花形らが声をかける。
長谷川は、花形、高野、永野を見渡し、小さくうなずいた。
翔陽 4
海南 4
「清田!」
牧が清田に指示。
親指を立てて、藤真をさした。
「OKっす!」
『キュ!』
「おっ、海南が動いたな。いつもより早い対応だ。」
「藤真に清田がボックスワンか・・・、翔陽の高さに対抗するためには、ゾーンが絶対だ。
だが、一般的なゾーンでは藤真がフリーになってしまい、結局は、4人のビッグマンをうまく使われてしまう。
藤真へのボックスワンは、当然の作戦といっていいな。」
「清田でとめられますかね?牧のほうがいいんじゃないですか?」
「確かに清田じゃ藤真を完璧に抑えられるとは思えんが、4人のビッグマンに対抗するためには、
サイズ、パワーは少しでもあるほうがいい。現時点では、牧がゾーンの一角を担うほうが望ましいな。
それに・・・。」
「それに?」
「俺は、海南にとっては藤真よりも花形のほうがやっかいだと思っている。高頭も牧もそう思っているかもしれないな。」
田岡や越野らが、海南のディフェンスを分析している。
(牧さんに任せられた以上、ぜってー藤真をとめる!)
(牧!引きずり出してやるさ。)
藤真が清田に1on1をしかける。
『キュッキュ!』
『ダム』
(いいディフェンスしてるな。だが、まだまだだ。)
『シュン!』
清田の顔面を掠めるような鋭いパスが、藤真からノールックで放たれた。
(!!!)
驚いた清田がボールの軌道を追うとそこには、牧、神を背中で押さえ、花形がハイポストでボールをキャッチしていた。
花形はそのままノールックでゴール下の高野にボールを放り込む。
『ザシュ!』
武藤の上から、高野が決める。
「よし!」
翔陽 6
海南 4
(翔陽は徹底的にゴール下で攻める作戦か。だが、海南も一歩も引かないぜ。)
海南のゴール下というウィークポイントをつく翔陽のオフェンス。
一方、執拗に長谷川を攻め立てる海南のオフェンス。
お互いが確実に点に結び付けていたが、ここで翔陽に予想外のトラブルが発生する。
翔陽 10
海南 8
続く。