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うまがスラムダンクの続き

うまがスラムダンクを勝手にアレンジ。
スラムダンクの続きを書かせていただいています。

#432 【絶体絶命の危機】

2011-07-22 | #13 神奈川 国体編
試合残り時間 49秒

愛知  92
神奈川 89




清田の速攻が決まった。


3点差。


逆転への望みを繋ぐ。




「あたって下さい。」


「あたれーー!!」

「プレス!!」

「ディーフェンス!!ディーフェンス!!」

安西の言葉に神奈川ベンチが即座に反応。




「いわれなくたって、そうするしかないっしょ!」



『キュッキュッキュ!!』


『キュッキュ!!』




「わぁぁぁーーー!!」

「オールコートプレスだーーー!!」

「最後の勝負に出たーーーー!!」




「!!!」

「諦めが悪いの。天野!しっかりやれや!!」

冨名腰がこの試合初めて叫んだ。




「はい!」



神奈川のオールコートマンツーマンプレス。


取り急ぎ、一番近くの選手をマークする。

天野には清田、河本に山岡、金田に桜木、青木に白田、森重には黒川がついた。

森重は、神奈川のゴール下にいる。


エンドの天野から河本へ。

すぐに、天野へリターンパス。

河本は、神奈川コートへ走った。


愛知コートに取り残された天野と清田。


「変な小細工は俺には通用しねぇぜ。天野!」


「そんなもん必要なし!」



1on1。



清田には2つの選択があった。


リスクを顧みず、果敢にボールを奪いにいくか、安全策をとり、ハーフで天野を封じるか。



(牧さんなら・・・。)


尊敬する牧の背中が脳裏に浮かぶ。



『グワ!』



『キュッキュ!!』



「!!!」



『キュッ!!』




「勝負に出たーーーー!!!」

「#4が激しいディフェンスだーーー!!」




「こいつ!」




「天野!!!」

「清田さん!!」

両チームの声援が飛び交う。




『ダム!』


『キュッキュ!』


『ダムダム!』


『キュッ!』


『ダムッ!』



天野のドリブルはセンターラインを越えた。




「天野が競り勝った!!!」

「さすが、天野!!!」




「時間は!?」

「44秒!!」

焦る田岡。




「こらぁーー!!野猿!!何やってやがる!!根性見せやがれ!!」


(くそう!!わかってる!わかってるが、こいつやっぱりうめーんだ!!ちくしょう!!)



そのとき。



『パンパン!』


「清田さん、ナイスディフェンス!!ここ守りましょう!!」


山岡がムードを変える。


「ん!!あぁ。そうだな。」


『サッ!』


清田は一歩引いて、天野の突破に備えた。


天野もまた力を抜いた。



その瞬間。



(予想どおり!!守っているだけじゃ勝てねぇ!!)



『ダン!!』


清田は勢い良く、コートを蹴り、腕を伸ばし、スティールを狙った。



(油断したな!天野!!!)



「!!」


「!!!」



ドリブルスティールを狙う清田。



「!!」

(こいつ!)



『ダム!』


(とられてたまるか!)



だが、天野は咄嗟にクロスオーバーで回避。


清田を抜き去る。



「なに!!!!」


(マジでやべぇ!!!!)




「抜いたーーー!!」

「さすが、天野!!!」




清田の大きな大きな賭けは失敗に終わった。


山岡がすかさずカバーに入るが。



『バン!』



それを見て、フリーとなった河本へパスを流す。



『パシ!』


『パシ!』



愛知はフリーマンを探し、パスを繋げる。



神奈川のディフェンスは一気の崩壊。



その光景を清田はトップで眺めていた。



『パシ!!』



ボールは、森重に渡った。



ここでの追加点は、神奈川の敗北を意味する。



森重は挑発するように、桜木に視線を送り、微笑んだ。



「・・・。」にや。



「貴様!!!」



桜木の身体能力を持ってしても、決して届く距離ではなかった。



愛知は、2点を確信した。



神奈川は、2点を覚悟した。



そのとき。



『ドン!!』



「ん!!」



「!!」

「!!!」

「!!!」



『ピィーーー!!』


「白!#8!!プッシングーーーー!!」




「ファッファウル!!!」

「#8がファウルで止めたーーーー!!!」




森重の一瞬の隙をついた黒川が、シュートの体勢に入る前に、森重を押した。




「#8!ファイブファウルです。」


オフィシャルから黒川の退場を告げる声。

自身の退場と引き換えに、2点を止めた。



「黒川・・・。」

「黒坊主・・・。」

「ナイスファウルだ。」

「あとは任せておけ。」

「頼みますよ。先輩。」


先輩たちから称えられ、見送られる黒川。




「よくやった!!」

「ナイスファウル!!」

ベンチも黒川を温かく迎え入れる。


「いい判断でした。」

「ありがとうございます。」

(できれば、最後までコートに立っていたかった・・・。)


「黒川君。」

「はい。」

「君は神奈川を背負える選手になる。期待していますよ。」

「えっ。はっはい。」


安西の微笑みに、黒川も笑顔で答えた。




だが、決して安心できたものではない。


24秒はリセットされ、ボールは愛知ボール。


絶体絶命の危機であることは、違いない。




試合残り時間 37秒

愛知  92
神奈川 89







続く。