実はうちの親父は一卵性の双子でして、その片割が命に関わる大病を患いまして。一卵性双生児とは、いわば同時発生クローンなわけで、同一遺伝子を持つうちの親父は文字通りの他人ごとではなく。
幸いなことに片割は奇跡的に回復中であり、親父もまた幸運にも発症前であり、二ヶ月ごとの経過観察で済んだのであるが、この年代の医者嫌いなジーサンに様々な検査を受けさせるのはなかなかに骨の折れることでありました。
んで、ほっと一息ついたところで、今度は隣家が猿に襲撃される事案が発生し、引き戸も網戸も平気でこじ開けて冷蔵庫から仏壇のお供えから果ては炊飯ジャーの中身まで食い漁るという悪行三昧。
山辺の住宅街は窓も戸も開け放っておけば涼風が吹き抜けてまことに心地よいのであるが、防犯、坊猿対策として、今年の夏はエアコンONで閉じこもるしかないわけで。
そんなわけで、先の大病未遂で、「金は生きているうちに使うべし」と悟った親父の出資により、骨董品級の我が家のエアコンが遂に最新型3台に更新されたのであった。目出度さも中位なり初夏の風である、