巨大ヒロイン・コミック計画

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怪獣のモデリング(08)

2016年01月27日 19時11分01秒 | 3D作業



 デジタルコミック制作準備のレポートの続きです。

 マンガ版『ウルティマ・ゴッテス~巨人娘~』に登場する怪獣ヘラームのモデリング、その8です。


 ここ数日の作業をまとめて投稿します。






 ◆怪獣ヘラームの彩色作業の続きです。






 ◆顎の下から胸、腹と明るめの茶色で塗ってみました。こんなことを決めるのに、いったい何時間悩むんですかと自分を問いつめたくなるくらい、私は配色を決めるのが苦手です。





 ◆続いて翼の色を決めたかったのですが、これがまたすぐに決められず、思いついた色の順に試し塗りしてみることにしました。最初は緑系の色です……。





 ◆緑の明度を上げて黄緑に近づけてみるも、色が浮いてしまう……。これはナシだと思いました。





 ◆だったらボディと同じ青色系で、少しだけ色に変化をつけてみたら……と思って、青色で試し塗りしてみましたが、この色だと馴染んでしまいすぎです。埋もれてしまうのは確実です。





 ◆それならば、少し赤を足してムラサキにしてみたらどうでしょう?





 ◆合うのかどうか判断に迷ったので、とりあえず全部塗ってみました……この色でいいかなぁーと思いつつ、先に進みます。





 ◆次に蛇腹の影に色を入れてみました。ちなみに、これもマウスで描いている(塗っている)ので、なかなか線を引きたいところにうまく引けず、結構苦労しました。タブレットを意地になって使わないのは何か自分にそうしたくない理由があると思うので、もうこうなったらマウスで何でも描けるように特訓していきたいです。





 ◆続いて、ツメを象牙色で塗っていきました。塗っていくと怪獣の着ぐるみっぽくなってきて、なんか胸が弾んできます。





 ◆カメラの向きを変えて、別の角度からもツメの塗り残しを埋めていきます。





 ◆ツメを塗り終えると、怪獣ヘラームの基本色が着色し終わりました。





 ◆溝の部分を暗くする「キャビティマスク」という機能を使って、一気にメリハリを全体に付けました。「Z Brush」は私のような絵のヘタな人間を持ち上げてくれる、こうした便利機能がついてるので嬉しいです。





 ◆なんか行き当たりばったりに進んだにしては、予想していたのよりうまくいきました。技術の進歩とは恐ろしくも素晴らしいものです。絵を描けないことがコンプレックスだった人間に、魔法の道具を与えてくれるのですから……。





 ◆シフトキーを押しながら操作するスムーズブラシを使って、なじませたいところをソフトなグラデーションにしていきました。





 ◆彩色が終わったので、高解像度のモデルから低解像度のモデルに変換する作業の開始です。彩色完了したモデルは、なんと420万ポリゴンもありました……これを1万前後のポリゴン数に減らしていくのが目標です。





 ◆ポリゴン数を削減していく機能を使って、何回か処理して、ようやく1万6000ポリゴンまで落としました。数字だけ見るとうまくいってるように見えますが、ポリゴン数を低下させたモデルのほうはディテールが当然甘くなり、高解像度モデルの完全な再現はあきらめなきゃいけなくなります。





 ◆低くしたポリゴン数の中で、法線マップというバーチャルなマッピングによってディテールを復活させようとしました。





 ◆これが高解像度の完成モデルです。これをそのまま使えればいいんですけど、「Z Brush」はレンダリング機能も、ポーズを付けるための機能もあることはあるのですが、リファレンス+レンダリング機能が使えないためにファイルのデータ量がハードディスク泣かせのように増えていくので、やっぱり「Z Brush」だけで完結させることは出来そうにありません。





 ◆低解像度のモデルに、高解像度のモデルに彫り込んだディテールを焼き付けようと、その準備をしているところです……ですが……これは間違えました。顔とかにポリゴン数を多めに残して、そのディテールを出来るだけ維持をさせたい指定を、間違えて逆の「ポリゴン数を少なくしろ」と指定してしまったところです。マニュアルを完全に読み間違えました。このときは、まったく気がつかなかったのです。





 ◆そのため、クチバシの部分を塗り分けした色の境界線が、このように乱れてしまいました。この画像でもわかるとおり、口の中を塗った赤い色がクチバシの外側のほうにまで出てきてしまったりしています。これはダメです。NGです。しかし、この時点で鈍感なことに、私は原因をまだ見抜けていませんでした(苦笑)。





 ◆別のところに原因があるんだと勘違いし、やり直しの繰り返し。ファイル形式をいろいろ変えて試していくと、そのうちデータが壊れてしまいました。これはそのときの状態を映した画像です。





 ◆自分の推理はまったく正しくありませんでした。何がいけなかったんだろうと、やっとマニュアルを最初から読み返し、そこで設定を間違えていたという単純なミスに気づきます。恥ずかしいことです。確かに作業と同時に保存していっていたキャプチャー画像を見返すと、逆の設定でペイント指定していたからです(苦笑)。





 ◆しかし、また別のエラーが発生しました。高解像度モデルから低解像度モデルに焼き付け作業を行うと、今度はいきなり色が転送されず、低解像度モデルのほうが真っ白になってしまったのです。これはレイヤーの指定が間違っていたから起きたエラーでした。恥ずかしいことです。工程が多いと、どうも疲れとともに単純ミスが増えてきます。ノーマルマップがうまく作れなかったのも、用が済んだオブジェクトを削除せずに残したまま作業を続けたので、何のディテールも転写されないでいて、失敗続きでした。そういうときは、もう疲れているんだから寝ればいいんだと思いました。





 ◆翌日、ゆっくり休んで元気を取り戻した私は、低解像度モデルをMayaのほうに戻して、いよいよ法線マップの接続へと、何のミスもなくスイスイと進んじゃいました。





 ◆これは、メンタルレイ以外でレンダリングしてみたときの画像です。バンプマップというのを使ったときのような印象になります。このタッチのレンダリングは、何か特殊な表現をしたいときの素材に使えるかもしれません。





 ◆メンタルレイでレンダリングしました。「Z Brush」で見ていたときとは印象が若干異なりますね。エアブラシで描いたイラストのような感じになっていると思いました。





 ◆ポリゴン数を減らしすぎたのか、あるいはノーマルマップの焼き付けが手慣れていないのか……あれだけ苦労して彫り込んだディテールが、結構残らずに甘くなってしまっています。これは、どこかのパラメーターをいじれば改善されるのか……まだわかりませんが、とにかくスカルプトはとっても奥が深いんだと悟りました。





 ◆これはレンダリングしていないときの状態です。「Z Brush」では420万ポリゴンまで増えましたが、今はローポリゴンで軽くなっています。





 ◆ライトを一灯だけセッティングして、あらためてレンダリングしてみました。ディテールがだいぶ消えてしまったとは言え、使えないレベルではありませんでした。「Z Brush」に初チャレンジしての2体目だと、まあ、こんなものなのでしょう。……と、自分を励ましたいです(苦笑)。





 ◆野外照明に切り替えて、レンダリングしてみました。





 ◆トサカのトゲトゲは、ほとんど消えてしまいました。おそらくUVの段階で問題が発生したか、またはベースのモデルでかなり作り込んでおくべきだったのかもしれません。ここは、今後の研究課題となりそうです。





 ◆背中にかけてのトゲトゲも、ほとんど消えてしまっています。もしかしたらローポリゴンのモデリング段階で、形はほぼ完成状態にしてしまい、「Z Brush」ではディテールを付けて色を塗るくらいに留めておいたほうがいいのかもしれません。これを見るかぎり、凹凸が激しくない部分のディテールについては結構残っている様子ですから……。





 ◆後ろから見たところです。怪獣の着ぐるみ感が出ていて、好きな雰囲気です。





 ◆というわけで、スカルプトはもうちょっと研究していきたいと思いました。




 以上です。

 ではではまた! ^▽^/





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