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巨大ヒロイン・コミック計画

3DCGを使ってデジタルコミックの電子書籍化をめざすブログ

ブレンドシェイプで爆発エラーの修正

2019年07月30日 17時18分14秒 | 3D作業

久しぶりに、個人制作の進捗具合を報告いたします。

私は同人で巨大ヒロインの活躍する(デジタル漫画)を制作中です。
現在、第2話の準備に取りかかっているところです。


この第2話の制作に入る直前、困ったことに私はスランプに突入しました。
理由は、3Dで漫画を作ることが予想以上にしんどかったことです。
作業量がそれだけ多すぎたのです。

なぜ、そうなったのか……?
まず物語を大作(いわゆる大河ドラマ級)の内容に企画してしまったため、登場人物の数がハンパなく増えてしまったのです。
メインキャラ、サブキャラ、脇役、エキストラ……すごい数です。


さらに巨大ヒロインが大都市で戦うわけですから、3Dの大道具から小道具まで、こちらも物量が凄まじい……そんなの最初にわかっていたことなのに、「好きな事なら乗り越えられる!」と、無謀にも根性論に逃げてしまっていました……。


本当は、登場人物も少なくて短編サイズのお話から始めれば良かったのです。

しかし、もう遅い。
船出してしまった以上、どうにかして完成に漕ぎ着けたい……そう思って第1話を作っていたのですが、作った直後に、まだまだ先は長いというハードルの高さを実感してしまい、もう制作から逃げたくなった……という精神的な弱さを露呈してしまいました。
おかげで2話の制作は遅れに遅れ、約3ヶ月ほど制作から逃げていた時間を過ごしました。



最近になって、ようやく心の乱れも落ち着き、早く完成させなくてもいいんだと自分に言い聞かせ、制作に戻ってくることが出来ました。

スランプを克服するというのは、やっぱり時間が必要ですね。
時間が解決してくれる……制作から離れて、他のことに夢中になって忘れる、そういう時間を自分に与えるのが一番なのでしょう。


これからの私は、偶然このブログや作品の存在を見つけてくれた方に、「3Dがヘタだけど……でも、なかなか頑張って作ってるじゃん」と、感心してもらうことを目標にして作っていこうと思います。

つまり「うまくなること」や「早く完成させること」を目標にせず、むしろ「ヘタなりに工夫して頑張ってる」「ヘタだけど、いい味出してる」といった方向でのプラス評価をもらえるよう、再びエネルギーをチャージしていこうと考えています。




というわけで第2話の制作です。


キャラの直しや新キャラの制作中ですが……新キャラについては、VRoidというソフトが登場してくれたことで、だいぶ助かりました。
モデリングなどが省けたからです。


そして現在は、脇役キャラの制作に取りかかっています。

いま制作中の脇役キャラは、テレビ局の報道スタッフたちです。
報道のヘリコプターから、都市を破壊する怪獣の様子をテレビ中継する役どころです。



というわけで、これが報道ヘリの操縦士の3Dモデルです。





このキャラに、表情の変化をつけるブレンドシェイプの設定を適用したところ、久しぶりに以下のエラーに遭遇しました。








お? 表情が変わって…………





あれれ? 顔が崩壊し始めました???











うはっ……どんどん壊れていきますよ?








そして、ついに顔が爆発……!!!

遠くから観ると、こうなっていました。








ホラーですね……。

これはホラーのシーンなら使えそうです。
人間に化けていた宇宙人が正体を現わすシーンとかに行けそうですね。


……で、これはどうして爆発するのかについてですが、原因は頂点番号が狂ってしまったからと言えます。
ポリゴンには四角いポリゴンを繋いでいる頂点というものがあります。縦の線と横の線が交差しているポイントのことですね。

表情を変える機能は、この頂点の位置情報を記憶して、Aのビフォー顔(無表情のデフォルト顔)からBのアフター顔(表情の付いた表情顔)の違いを自由に行き来させてくれるものなのです。

で、この頂点にはそれぞれ番号が振られてあって、同じ番号の頂点がどのくらい移動したかをチェックしているのです。
ですが……この大事な頂点番号が、他のソフト間とのエクスポートやインポートをしたときに、何らかのエラーで番号がガラリと変わっちゃうときがあるんですね。
それが顔が崩壊する原因です。

狂った番号を元に戻す作業が必要になるんですが……これが、うまく行かないケースがよくあるんです。
一部だけ元に戻るけど、他の一部は戻らずに爆発するとか……そういう惜しいエラーばっかりになって、数日ほど四苦八苦させられました。

しかし、あきらめずに粘りました。
何か方法はあるはずだと……。

作業を中断して、テレビドラマを観てるときに……ふと、ひらめきました。

そうか!
発想を逆にすればいいんだ!
…って。

やり方としては、こうです。
ビフォーの顔(無表情のデフォルト顔)をたくさん複製して、それらに表情を変えたモデルの頂点の位置情報だけ転送すればいいんだと。
そうすれば、頂点番号はビフォー顔と同じ番号のままなので、ブレンドシェイプもうまく行くのではないかと……そう考えたのです。

そのためのツールは、こちらからダウンロードしました。


【MEL】頂点座標を転送
http://cgjishu.net/blog-entry-196.html


こういったお助けツールがたくさん開発されている、大変ありがたいサイトです。
もうホント感謝、感謝です。

それではこのツールを使って、さっそくやってみました。





まずデフォルト形状の顔パーツを複製して、リネーム。






そして頂点番号が変わってしまった変形後の顔の頂点位置を転送させます。





計算が始まります。どの頂点が動き、どの頂点は移動しないままなのかを確認し、変更させる頂点を絞り込んでいきます。

絞り込んだら、移動が始まります。
時間は少しかかりますが、全自動でやってくれるので、黙って見ているだけです。











ビフォー顔(無表情のデフォルト顔)から、アフター顔(変化後の表情)へと変わります。
頂点番号が一致していますので、これが正式なモーフデータとなります。






このように、爆発していた顔も元どおりになりました。
解決するまで時間かかりましたけど、途中で妥協せずに良かったと思います。
結果が良ければ「あきらめずに良かった!」と言えますね。
自分勝手な都合のいい言い方で恐縮ですが……(苦笑)。


さて、続いては色付け(シェーダーの調整)に入ります。





まずは肌の色を当てて、様子を観ます。




















肌の色がいい感じになりました。

次に目を入れます。








目の位置もUVを微調整して完成です。





表情もこのとおり、爆発せずにうまくいきました。





帽子を被せて、報道ヘリの操縦士らしくしました。

ちょっと愚連隊っぽいキャラなのは、テレビ局の報道チームで「不良中年たちの愚連隊チーム」という脇に外れたキャラたちにしたかったんですね。

ストーリー上、真面目にやってる奴より、ふざけていい加減にやってる奴らが意外と真相に近づける……というのをやりたかったからなんです。
なので、ちょいワル風なキャラたちなんです。

表情の変化も、いくつかテストしてみましたがエラーもなく無事に変化してくれました。


















次のキャラに移ります。
次は、テレビカメラを担いでるカメラマンです。







このキャラは、髪のテカリが気になってしまい、それを直そうとして四苦八苦しました。

以下、その調整の詰めがうまく行かず、苦悩している様子をご覧ください(笑)。















原因がわからず、とうとうギブアップ……。
一番マシになったのを使うか、それともあとでレタッチしてしまえばいいかなとテストまでしてみました。





そうだ、塗ってしまえばいいんだ――!
と、思った矢先……。

私は、はたと気づいてしまいました。
もっと単純な原因に……。

なんと!
これはマテリアルを変更すれば、いいだけだったのです!!

ぐああああ~!
そんな初歩的なことに気づかなかったなんて~!

ベテランでも、よくあることです。初歩的なことを見落とす、なんてことが……。
人間、誰しも忘れてたという、うっかりさんはあるのです。
そう――たまに、あるのです!

そう思って、自分を慰めるしかありません。

もしも、こんな初歩的なミスを3Dの職場でやらかしてしまったのなら、できるだけオーバーに嘆いてしまって、後輩や若い人たちからの失笑を買うようにしましょう。
オーバーな演技が面白ければ許してくれるはずです……(たぶん)。


というわけで、マテリアルも変更して、髪の不自然なテカリも直りました!











良かった良かった、うまく行きましたよ~。
ホッとしました~!

続いては、報道局の愚連隊のリーダーであるディレクターの3Dモデルです。















さすがに3体目になると、エラーも克服しているために早く進みます。

カメラマンさんも目を入れて、セミリアルトゥーンのキャラに仕上げます。









最初は青色の目にしてみたんですが、外国人らしさが強まったので変更し、日本人っぽくしてみました。
外国人も働いているという未来の日本が舞台設定なのですが、まだ人種的には混沌としていない社会ということで進めようと思っています。


続いてはボーン入れです。

脇役キャラなので、体はほぼ流用です。
なので、スケルトンやリグも一体だけ作って、あとは流用しちゃおうと考えています。

たくさんのキャラを出すので、こういったところは効率化しないといけませんね……。





というわけで、ボーン入れなのですが、私は最初に間接位置を決めてしまいます。
理由は、意外と迷わずに済んで早いからです。

まずはボディのオブジェクトをコピーします。
そのコピーした複製のオブジェクトは使い捨てにするつもりで、間接位置のポイントを決めるクラスタを埋め込んでいきます。





まずはエッジモードで、間接を入れたいラインをループ選択します。





スペースキーを押してサブメニューを出して、「選択」⇒「選択項目の変換」⇒「頂点に」(Maya2015でのコマンド操作)をクリックします。





すると、エッジループで選択したエッジラインが頂点の輪に変わります。





そしたら「クラスタ」を適用です。

クラスタは頂点で囲んだ中央にポイントを自動で作ってくれるので、間接位置を決めやすいのです。





この「C」と表示されているマークがクラスタです。
ボーンを作るとき、このCにボーンのジョイントをスナップさせていけば、早く間接位置にたどり着けるというわけです。





ボディのオブジェクトを非表示にしてみると、クラスタが並んでいます。ボーンのジョイントをこれにスナップしていけばいいだけです。
いちいちカメラをブンブン回して、ボーンの間接位置が正しいかどうかを確認しなくて済みます。





中にはエッジループを取りづらい箇所もあります。
そういう場合は、頂点をひとつずつクリックしていきます。
もし円を描けない場合は、半円でもOKです。





このように半周だけでも頂点を選択します。







たとえ半周でも、クラスタはいい位置にポイントを打ってくれます。





もちろんリング状に繋がる部分では、エッジモードにして、エッジループ選択をします。





スペースキーを押してサブメニューを出して、「選択」⇒「選択項目の変換」⇒「頂点に」(Maya2015でのコマンド操作)をクリックします。





頂点の状態でリング状に選択できたら、クラスタを適用します。





「C」のポイントが、間接位置に配置されました。





指の先については、頂点をひとつだけ選択します。





このように頂点をひとつだけ選択しました。





クラスタを適用すると、そのひとつだけ選んだ頂点の位置にクラスタが打ち込まれます。





このように指先に配置されてあります。











他の指にもクラスタを設定していきます。



今日の作業は以上です。

久しぶりの制作ブログで、大量に書きました。
また機会があれば、こうしたエラーとの格闘ぶりやそれの克服方法、お役立ちツールの紹介、また私の裏ワザ風なやり方などを紹介したいと思っています。


本日は、最後まで読んでくださり、ありがとうございました。







VRoidで新キャラを作りました日

2019年04月19日 18時28分54秒 | 3D作業

 

 VRoidで作成したデジタル漫画用の新キャラ(3Dモデル)をMayaに読み込みました。

 

 

 今回はその作業量を出来るだけ少なくした、お手軽な変換過程をレポートしたいと思います。


 なお、この方法は私の勝手な解釈による方法なので、これが正解というわけではありません。あらかじめご了承ください。

 

 というわけで、始めましょう。


 まずはVRoidで好きなキャラを作成します。
 このとき、UVのスナップショットを保存しておくと、あとでUVを確認するときに便利です。
 ちなみに、こんな感じで保存しておきました。

 顔のUVになります。

 

歯や口の中、舌のテクスチャとUVです。

 

白眼の部分です。

 

白くなっちゃっていますが、アイラインです。

これは、あとでPhotoshopやクリスタなどを使って、黒っぽく塗り直します。

 

まつげになります。

これも同様に、あとで黒っぽくします。

 

眉毛になります。

 

瞳になります。

このキャラは黒猫のフィゾが人間の女の子に化けた設定なので、目の色を黒猫のときと同じ黄色に塗りました。

 

瞳の上に被せるハイライトになります。

 

髪のテクスチャです。

こちらも白くなってしまっているので、あとで黒に塗り直す必要があります。

 

髪の毛に付けたリボンのテクスチャになります。

 

ボディになります。

 

服の部分となります。

私は、これの透明部分を塗りつぶしてワンピースに変更することに決めました。

 

ブーツの部分になります。

 

 続いて、VRoidをTポーズにします。
 Mayaは2017のバージョンあたりからTポーズ以外でもスキンバインドが可能になったと思うのですが、今回はMaya2015を使いますのでTポーズにしてから書き出します。

 

 

◆Tポーズのやり方
・「撮影・エクスポート」のタブ⇒「ポーズ&アニメーション」に入ります。
・右パネルの一番上にあるプルダウンメニューから「ポーズ」を選択します。
・手首を上げてTポーズに。腕を真っ直ぐにさせるには、画面のフレーム線に近づけて、直線に沿ったポーズにします。
・手はコントローラーを引っぱると、真っ直ぐになりやすいです。
・指は、右パネルの「左手」「右手」のプルダウンメニューから「開く」を選択します。

 他にはキャラの色を変更するならテクスチャを塗ったりしておきます。その方法はここでは省略します。

 

 そうやってキャラが完成したらエクスポートです。

・上部タブの「撮影・エクスポート」⇒「エクスポート」を選択します。
・VRMデータを書き出します。
・髪の毛メッシュは統合しないでおきます。
・裸の状態と衣装を付けたバージョンの二通りを書き出します。これは別の衣装に着せ替えるときのために、そうしておきます。

 

 本当は、ここで「四角ポリゴンとして書き出す」なんていうオプションがあると嬉しいのですが……それは、今後のVRoidの開発に期待しましょう。

 

 VRM形式で書き出したら、Blenderに読み込みます。
 Blenderにインポート用のアドオンが出ていますので、それを使います。

 

◆VRM_IMPORTERの導入
https://github.com/iCyP/VRM_IMPORTER

上記リンクからVRM_IMPORTER-master.zipをダウンロードします。


◆書き出し(FBXとCOLLADA)
・Blenderに読み込んだら、FBXとCOLLADAで書き出し(エクスポート)をします。
・FBXとCOLLADAの2種類を書き出します。
・左パネルの下にはエクスポートのオプションがありますが、デフォルトのままで良いでしょう。


 ここで、なぜFBXだけではなくCOLLADA形式でもエクスポートするかについて説明します。

 結論から言いますと、FBXでの書き出しはエラーが多くて、あまり使えないからです。

 

 Mayaに読み込んだFBXファイル。

 最初、何が爆発的に膨張しているんだろうとビックリしました。

 これはスケルトンのジョイントが巨大化しているだけでした。

 でも、一瞬何が起きたんだろうと驚きますね……。

 他にも体がよじれているケースもありました。

 これを解いて使うのは、修正が大変そうです……。

 逆にCOLLADA形式は安定していて、ほとんどパーフェクトに近い状態で使えます。

 このように、COLLADAだとキレイな状態で読み込めます。

 だったらCOLLADAだけで済ませればいいのですが、残念なことにCOLLADA形式は表情を変えるシステム、ブレンドシェイプが受け継がれないのです。
 ブレンドシェイプがちゃんと受け継がれるのはFBX形式のほうですので、FBXはブレンドシェイプの機能をCOLLADA形式のほうに移植するために書き出します。


◆Mayaに読み込み後の作業
・正面を向かせます。FBXもCOLLADAも横を向いた状態で読み込まれるので、正面を向かせます。
・「Root」を回転させるため、アウトライナで選択します。
・回転X「90」、回転Z「-90」⇒「-180」と、チャンネルBoxに入力します。
・このあとフリーズもリセットも出来ません。仕方ありません。ここは妥協します。

・補足ですが、ヒストリーの削除も頻繁に行うのは危険です。顔の位置が変な場所に移動してしまったり、ボディも影響を受けて勝手に複製されたり予期しないエラーが発生する確率が高いので注意が必要です。
・デフォーマ以外のヒストリ削除はしない事が大切です。
・どうしてもヒストリー削除をする場合は、新規作成のファイルに読み込んで、他に影響を受けるものが何もない状態でヒストリーを削除しておきます。

 

◆ブレンドシェイプの移植
・FBXで読み込んだら、顔だけのパーツを書き出します。
・本当はそれだけでいいのですが、私は何かアクシデントがあったときに備えてモーフターゲットの予備まで作成します。
・モーフターゲットはキャラクターの足元に小さく存在しているのですが、これを大きさや位置を戻したりするのが面倒だと思いました。

 このように、足元に小さくブレンドシェイプのモーフターゲットが眠っています。

 まるで古代遺跡の彫像でも発見したような気分になります……(笑)。

 これを使う気にならなかったのは、何かまた新しいエラーに遭遇するのではないかと、嫌な予感がしたからです。

 手間がかかっても、確実な方法でいきたい……と、私は考えました。

 

・というわけで、私はブレンドシェイプで変形させた顔をコピーしてリネームし、モーフターゲットを新たに作成していくことにしました。大変な手間ではありますが、そっちのほうが自分に向いていて楽だと思ったのです。

 

・変形の項目をひとつずつ実行してコピーする……地味で面倒くさいのですが、コツコツとやり続ければいずれ終わります。少しの辛坊です。

 

◆モーフの複製(FBXで読み込んだほうで)
・まずは複製する前の顔パーツを選択して、チャンネルボックスでロックされた項目を右クリックして、ロック解除します。スキンバインドが外れても気にせず続けます。
・回転X「-90」、全スケール「100」になっていますので、トランスフォームのフリーズをかけます。
・すると回転Xの数値がリセット出来ないので、その項目だけを選択して右クリック⇒「フリーズ」⇒「回転」で強制的にゼロにします。

・これで準備が出来ました。
・ブレンドシェイプで、ひとつずつ表情を変形させて複製します。コピーしたらリネームして、グループのフォルダに入れていきます。リネームは自分がわかりやすい名前に変更すると良いと思います。
・その作業が終わったら、モーフターゲットと顔のパーツを書き出しておきます。これでFBXで読み込んだファイルは、お役御免となります。

 

 


◆COLLADA形式で読み込んだファイルでの作業
・ブレンドシェイプのデータが受け継がれていないデメリット以外は、COLLADA形式で書き出したデータがエラーも少なく使い勝手も良いです。


・COLLADA形式のファイルに、FBXのファイルから抜き出した顔パーツのデータ(ブレンドシェイプのモーフターゲットを含む)を読み込みます。
・このとき、COLLADAの顔パーツに読み込んだブレンドシェイプのモーフターゲットがうまく適用できるかテストします。
・うまく適用できたら問題ありませんが、もしエラーが出た場合は、FBX側から書き出した顔のパーツのほうにブレンドシェイプを適用し、その顔とCOLLADA側の顔を入れ替えます。
・入れ替えるのは、ブレンドシェイプを適用した顔をスキンバインドするだけです。ウエイトはHeadのジョイントに100%のウエイトで塗りつぶせば大丈夫です。
・入れ替えたら、COLLADA側の顔は非表示にするか削除してしまいます。

 

◆マテリアル調整

・VRoidのモデルをMayaに読み込んだときにマテリアル関係はあまりうまく変換できていないケースが多いです。

 

・マテリアルを調整していく方法もありますが、私の場合はトゥーンシェーダを使うので、ほとんどマテリアルを貼り替えることにしました。

・まずはUVの調整からです。複数のUVが重なった状態になっているので、それを解いていきます。

 

 

◆重なったUVを別々にする
・UVエディタ上で右クリック⇒「シェル」モードにして、ビューを確認しながらUVのパーツを選択します。

 

・このとき、VRoidのUVをスナップショットとして保存した画像を確認しながら、テクスチャ1枚にどのパーツが含まれているかを調べます。調べ終えたら、テクスチャ1枚に収められているパーツをすべて選択していきます。

 

・選択したら、UVエディタ⇒「ポリゴン」⇒「UVをUVセットにコピー」⇒「新規UVセットにコピー」⇒オプションで名前を入力します。名前は、そのUVパーツが顔のどの部分なのかをわかるような名前にすると良いでしょう。例えば目なら「Eye」とか。

 

 

 


・新規UVを作成したら、「UVセット」から元のUV(複数のUVが重なった状態のUV)に戻り、また別の重なりパーツをシェル選択して、新しいUVに移していきます。

・これらの作業は、テクスチャを何度も貼り直したりテストするときにパーツの選択が迅速に処理できるので行っています。しかし、テクスチャを一発で決められる場合は、手っ取り早くテクスチャをすぐに貼ってしまったほうが良いでしょう。

・パーツを選択したら右クリックしてサブメニューから「新しいマテリアルの割り当て」を選びます。その中から新規マテリアル(Lambertなど)を選択して、テクスチャを貼っていきます。

・この作業と平行して、テクスチャを調整します。
・主に直さないといけないのは、透明マップを使うテクスチャ(眉毛やまつげなど)です。
・VRoidで使われていた基本色のカラーが書き出しの際にデータに受け継がれず消えてしまうようなので、テクスチャを直して消えた基本色を復活させます。
・フォトショップやクリスタなどでテクスチャを開き、真っ白になってしまっている眉毛などを黒く塗ります。それ以外の領域は透明色のままにします。PNG形式で保存します。

 まつげに色を付けました。フォトショップやクリスタを使えば簡単にできます。

 

 眉毛も同じように色を付けました。

 髪のベース部分も色を付けました。


◆もしUVがフェースごとにバラバラになっていた場合…
・別のソフトからデータをインポートしたら、UVがバラバラになってしまっていることがあります。

 

 このようにパーツではなく、三角ポリゴンがひとつしか選択できない状態がたまにあります。

 変換がうまく行ってないケースですが、UVがつながってなくてバラバラになってしまっています。でも、UVマップとしては生き残っているので、マージすれば復活できそうです。


・UVはフェースごとに分かれてしまっていて、アイランド(一塊)になっていないケースもあり得ます。そんなときの対処法です。

・まずはUV選択モードにします。
・UVを選択し、「ポリゴン」⇒「UVのマージ」を実行。
・これでUVシェルとして選択できるようになります。


 テクスチャの準備も整ったら、モデルに新規マテリアルを作成しながら貼っていきます。

 この工程は、顔がだんだん生き生きとしてくる過程を見てるようで、とっても楽しいのです。まさにメイクアップという感じで…。

 というわけで、以下にその過程を記録いたしました。

 徐々に出来上がっていくプロセスを、ぜひご覧ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 というわけで、キャラの色が決まっていくと……なかなか良い感じになってきます。

 次はリグの作成になります。

 

◆コントロールリグの設定

・HumanIKのパネルを開き、「作成」⇒「コントロールリグ」⇒「定義」を押します。
・全身図の骨をクリックして、該当ボーンをクリックして定義していきます。

 

 Tポーズの人体図が右のパネルに出ますので、各関節をクリックしてリンク(定義)させていきます。

 

 スケルトンのみの表示にしたほうがやりやすいので、骨以外を非表示にしました。

 

 まず人体図の足をクリックして、それに該当するモデルの骨をクリックします。

 

 片側だけ選べば、反対側は自動でリンク(定義づけ)をしてくれます。

 

 両手の指も定義していきます。

 

・中央地点の原点(足元のセンター)はボーンの「Root」を選択しても、ロケーターを作成して選択しても結果は同じなので、どちらかはやりやすいほうで。ただしキャラクタを移動すると「Root」のジョイントだけが原点に乗って追従しないエラーが起きます。これは原因はまだ不明ですが、静止画の制作では不都合がなさそうなので妥協してそのままにしました。

・定義が終わったら、HumanIKのアイコンを押して「作成」⇒「コントロールリグ」を実行します。

 

 リグが自動で作成されます。

 プロは自家製のリグを独自に開発して使っているそうですが、大人の趣味として3Dをやっている私には、このHumanIKのリグで充分なのです。

 慣れると、とっても使い勝手が良いので、私は気に入っています。

 

・名前の変更はHumanIKのアイコンを押して「編集」⇒「定義」⇒「名前の変更」で行います。

 

 

 名前は、そのキャラクター名を入力すると良いでしょう。

 

・他の設定としては、アトリビュートの「フロアコンタクト」で足のフロアコンタクトをオンにします。地面を貫通しなくなるのでポーズ作りがやりやすくなります。
・アトリビュートの「ソルビング」で肩補正に数値を入れます。手を挙げると肩が盛り上がる仕組みなのですが、VRoidでは骨の構造が違うのか、あまり効果がありません。最大の1にしても同じのようですので、これはVRoidの仕様変更があったときに効果が出るかもしれませんので、のちの開発に期待しましょう。

 

◆セカンダリーコントロールリグの作成
・補助となるリグも作ります。具体的に言いますと、髪の毛や手の指、スカートなどを動かすためのリグになります。

 

・NURBSカーブの円形をコントローラーとして使って、ドリブンキーでポーズを登録していきます。
・最初に登録すると、次回からコントローラーをちょっと動かすだけでいろんなポーズが出来るので重宝します。
・やり方は長くなるので割愛します。ほとんど基本の講座で出ています。


 あとはサブディビジョンプロキシをモデルに適用してスムーズをかけ、pfxToonの作成ですが……三角ポリゴンを四角ポリゴンに直さず、そのまま使ってしまっているのでエラーが出てうまくいきませんでした。
 特に髪の毛は三角ポリゴンのままだとスムーズをかけると、髪の房がギザギザ(ドット荒れのような形状)になったり、顔のパーツはスムーズの機能がスキップされて受け付けなかったりします。
 ここはサブディビジョンプロキシをあきらめて、スムーズをかけないままで使うしかないようです。
 もし時間があって、メインで使うキャラなら、三角ポリゴンを四角ポリゴンに直して(ZBrushのZリメッシュなどで)、UVのやり直し、スケルトンの構築もし直し……と、大工事を始めてみてもいいかもしれません。
 三角ポリゴンを四角ポリゴンに直すと、UVが壊れやすく、最悪は消滅します。そこも直しておくと良いでしょう。
 結局はどこまで手間暇をかけるかなのですが、そこはスケジュールなどとの相談となるのでしょう。


 以上、急ぎ足ですが、VRoidで作ったキャラをMayaで使うための方法論その1でした。
 また新たなやり方が発見できたらレポートさせていただこうと思います。

 それでは!

 

 

 

 


特撮シーンのテストみたいで楽しいです

2017年03月12日 00時47分01秒 | 3D作業


 あれから、怪獣漫画を3DCGで制作するためのテストやら工程表(マニュアル)を作っています。

 怪獣が都会で暴れ回るシーンを、どうやって作るか?
 いろいろ実験しています。





 ポイントは手間をあまりかけずに、それなりの効果が出る方法の習得です。








 こちらはパーティクルで作っていた爆発シーンのテストです。
 手数が多い割に、この方法は割に合わないというか、結果もそんなに良くさせられないのでやめました。私のスキル不足です。
 イチから自分で作るより、ParticleIllusionで素材を貼り付けましょう、そうしましょうと。苦手なことは、とっとと撤退です。





 こちらは、ビルの壁面を怪獣が突き抜けるシーンを想定したテストになります。








 結構、良さげです。





 ついでに、怪獣の尻尾がビルをえぐるという、エグイ(?)シーンのテストもしてみました。











 気持ちいいくらいに、ハデにぶっ壊れてくれています。





























 煙のエフェクトを加えるテストも行いました。














 色の濃さや透明度……どのくらいが丁度いいのか、悩みますねー。




 アップで寄ると、こんな感じになります。
 ここに、事務机やパソコン、会社員がまぎれて落ちているとリアルな絵になるんですが……さすがにそれはエグすぎるので、そこまではやりません。
 あくまでも、それらの恐怖を読者に想像してもらうという方向で……演出していきたいですねー。











 とにかく、いろんなソフトウェアを使うので、それらの操作方法やら作業の流れをテキストに打ち込んで、自分なりのマニュアルを作っているのですが、どんどんページ数が増えていって、ちょっとした論文みたいになりそうな勢いです(苦笑)。


 そんなわけで、怪獣漫画であり、巨大ヒロインの活躍するデジタルコミック『ウルティマゴッテス~巨人娘』の制作準備は、着々と進んでおります。



 最後に、最近読んでる書籍の紹介などをします。


◆Magic Visualizer(マジックビジュアライザー)


 合成(コンポジット)について、丁寧に書かれてあって勉強になりました。
 今まで、カラコレとカラーグレーディングの違いすら私はわかっておりませんでした! その違いを理解できたうえに、使えそうなプラグイン、ソフトウェアの紹介もされていて、それらの操作方法も学ぶことが出来ました。
 だからといって、すぐにプロの方々のスキルに追いつけるものではありませんが、だいぶ今後の制作を楽しもうという気にさせてくれる本でした。


◆マヤ道! !


 これは読み応えのある漫画でした!
 まさか3Dソフトの解説をコミックで行うとは! だいぶ前から読みたいと欲しいものリストに入れていて、ようやく読むことが出来ました。漫画ながら「あっ! そこ知りたかった!」と思えるようなシーンがいくつかあり、今まで謎だった部分がようやく解明できるという、推理小説のような楽しさがありました。個人的には、かなりヒットな本でした。


◆フォトバッシュ入門 CLIP STUDIO PAINT PROと写真を使って描く風景イラスト


 こちらも、前々から読みたかった1冊です。
 合成のための手間をこんなにかけているんだと、読みながら呆然としました……。
 逆に言うと、そこまでビジュアルレイヤーを数多く重ねているからこそ、作例のような美麗なイラストが出来るんだと納得です。
 こちらはレベルが高くて、なかなか自分には真似できそうにない内容でした。しかし、知識として得られたのは大きな収穫です。


◆Blender標準テクニック ローポリキャラクター制作で学ぶ3DCG


 Blenderは前々から気になってるソフトでして、なかなか学習の時間を取れずにいたのですが、これを読むことで理解を深められたらと思って購入しました。
 まだ届いたばかりで、ざっと見た程度なのですが、モデリングのテクニックについて興味がそそられる内容でした。
 漫画の準備作業の合間に、少しずつ読んでいこうと思います。


◆シン・ゴジラ機密研究読本


 こちらも、シミュレーションの待ち時間などに読もうと思って買いました。
 同じく届いたばかりでパラパラと部分読みですが、設定や世界観を楽しめる1冊になりそうです。
 他にも『ゴジラ幻論』とか、設定マニアが喜びそうな書籍が出ていて、気になっているのですが、あまり先に買い込みすぎて積ん読になるのもいけないので、先の楽しみに取ってあります。
 いや、実は『ジ・アート・オブ・シン・ゴジラ』も、まだ買っていなくて……。あれは本が分厚くて重くて読みにくいという、予想どおりの書籍なので(笑)、いずれ電子書籍版が出るんじゃないかと様子を見ております。
 もちろん電子書籍版が出なくても買うつもりなのですが……まじでプチ身体障害者には、重い本は辛いのですよ……(苦笑)。


 というわけで、久しぶりの更新でした!

 ではではまた! ^▽^/








本年もよろしくお願い申し上げます。

2017年01月03日 15時51分09秒 | 3D作業

 皆さま、新年あけましておめでとうございます。

 昨年は電子書籍の小説版を多くの方にご購入いただきまして、ありがとうございました。

 今年も、初のデジタルコミック版にチャレンジしていきますので、どうぞ末永くごひいきにしていただけたら幸せでございます。


 さて、昨年の後半からお手伝いで忙殺されておりますが、今もスケジュールが伸びて、だいたい2月までということになりました。
 おかげで自分の作品に取りかかれない日々が続いていますが、しかしおかげで『ウルティマゴッテス~巨人娘』の制作準備に向けて、いろいろ揃えられてきています。

 まずは、液晶タブレットを購入しました!
 3Dペイントをやるのが目的です。
 さらに絵コンテ(ネーム)を直にやったりする予定です。……ああ、これで手描きした紙を1枚ずつ、スキャナーに取り込み続ける作業から解放されるぅ~!
 それからレンダリングした3D画像の修正も、液晶タブレットでやれます。





 例えば、こういう影ラインがあまりキレイに流れていないときは、液晶タブレットで修正するのが有効です。

 他にエキストラのキャラだったら、手描きにしてしまうのもアリでしょう。
 モブシーンなんかでは、3Dモデルをガイドにしてレイヤーを乗せた上から手描きで描いてしまうのがラクです。
 今まで、すべて3Dモデルにしようとしていたので、どうしても時間かかってきていたんですね。
 それを削減するには、もう絵で描くしかない!

 それとテクスチャ作りにも役立ちます。
 私は『ウルティマゴッテス~巨人娘』で、怪獣が暴れる街を3Dモデルで埋め尽くそうと思っていました。

 まずはテストもかねて、シン・ゴジラの画像でビル群の背景を作ってみました。

















 これは「Shade」という3Dソフトのライブラリーを使ったのですが、ローポリすぎて細部が甘くなってしまっています。






 そこで、もう少しディテールのある3Dモデルを使おうと、去年これを購入しました。

















 申し分のない出来です。
 何より、私が苦手とするテクスチャがセットでパッケージに付いているのがポイント高いです!

 これをパソコン画面に並べて、シン・ゴジラの東京駅シーンを再現しようと思ったら……失敗! いきなりフリーズ! 重くて!!!
 調子に乗って、ビルのデータを並べすぎました……。


 以前にDAZで買った、こちらの廃墟の街のデータのときと同じです。









 重くて動かない……。
 ……そういえば以前にも、同じことをしてしまいました。














 これは、渋谷の街を3Dで作ろうとしたときのものです。

 自分で渋谷の街を歩き、デジカメでいろんな場所から撮影して、約400枚にもなった画像を眺めながら作りました。

 しかし細かく作りすぎたせいで、このデータも重すぎて使い物になりませんでした。

 続いてUVマッピング、テクスチャの作成もメゲてしまい、途中で放り投げてしまった失敗作です……。

 この失敗がよみがえりました。


(それじゃいけないんだ……)

 私は反省し、作り方を根本的に考え直すことにしました。


 ビル街のデータを軽くするには、ポリゴン数を少なくして、テクスチャの絵で表現してみたらどうだろう?
 と、考えました。

 最初は絵を描くのがヘタだから頭の中で否定していたんですが、たまたまツイッターの中で見かけた3Dペイントというソフトに興味を持ち始めました。

 それは例えば、絵のパターンを登録して、スタンプのように押していけるのです。
 つまり、四角い箱のポリゴンの壁に、窓の絵をスタンプのように押してビルディングを描いていけるという、簡単設計なわけです。
 これなら、描くというより、コツさえおぼえれば、お菓子のオートメーション工場みたいに、単純作業を繰り返すだけになるかもしれません(まだ自身でやってないので推測ですが……)。

 そう思って、液晶タブレットも購入し、3Dペイントソフトも練習してみようと思い立ったわけです。

 ……でも、まだ液晶タブレットをパソコンに接続すらしていません。
 絵を描くのが怖いからです(笑)。

 なんか緊張するんですよね……。
 箱から出しただけで満足してしまっています。また、パソコンとの接続口の形が違うので変換器を注文して、そのまんまの放置プレーの状態です。

 とりあえず2月以降から、徐々に始めていければと思っております。
 どうか、長い目で見ていただければ幸いでございます。


 ではでは、本年もよろしくお願い申し上げます。




ちょっとお休みします

2016年11月02日 01時10分33秒 | 3D作業



 知人の仕事を手伝うことになりました。
 病の人間でも出来る仕事であることと、その知人が大変そうなのでお役に立てればと。。。。


 というわけで。
 デジタルコミック版『ウルティマゴッテス』の制作準備は、そのお手伝いが終わるまで一時中断します。
 数カ月で終わると思うので・・・。


 また個人制作を再開しましたら、ここでお知らせします。
 ツイッターは気分転換に続けます。
 短い時間で済むから、ちょっとした息抜きになってツイッターは便利ですね。


 以上、ご報告でした。
 いつも応援くださり、ありがとうございます。