endy's teapot

今朝のSKshow!

今朝の産経抄(1/12)「東京にも空はある」

2005年01月14日 | skshow
原文はこちら
論理構造タイプ: エッセイ型
出現テクニック:専門家
インプレッション:産経らしさ × 構造の魅力 × 読みごたえ ○

●ひとこと
石井タンでなくても,食指の動くコラムは取り上げてきたが,今週は構造的にはほんとに不作.
別のテーマを考えたほうがいいのかもしれない.

今日の話題は富士山,中身は興味のある.東京から見える富士山の話し.
東京で冬に富士山が見えるのは「あたりまえ」のことである.富士見むしろ海を越える湘南からの方が見えない日が多い,そのあたりまえの富士山なんだが,毎年その美しさにあらためて驚嘆し,感動する.

東京の自然が取り上げられるときには,気になることがある.大抵の場合
「東京で自然に触れることができるのにびっくり」という論調である.マスコミの人たちの根深い思い込みがあるのだろうか.そういう風に東京は「不毛の地」と書くことにより「そうだそうだ」と溜飲をさげる地域の人たちがいるのだろうか.そういう論調はいい加減にしてもらいたい.東京の地は逃げ水や雑木林の落ち葉のようささやか事象に季節感があり,それを感じる人々によって育まれてきた地域である.今日のようなよく晴れた日の昼下がり,弱いひざしが「黄色い光」となって集落を黄金色に染める.そういう景色も,この季節のあたりまえに感動的な風景なのである.

高村智恵子の「智恵子抄」の中の有名な一節「東京には空がない」を読んだとき,少年時代の私は大変な衝撃を受けた.いったいなんでそんなことを言われなければならないのか,怒りと困惑に陥ってしまった.戦前の東京の空はおそらく今の地方都市の空よりもきっときれいだったはずなのにである.

あれから,答えがみつからずに何年も頭の中にその一節が居座り続けていた.自分なりに一つの解にたどり着いた.「空」「山」はふるさとを象徴するキーワードである.東京の人を含めて関東の西側の人にとって富士山や抜けるような青空はまさに「ふるさとの風景」である.「智恵子」にとっての「空」は東京にはなかったのだろう.

その点,今日のコラムは,富士山のうつくしさを素直にとりあげ,
「江戸の町民にとっては、身近な信仰の対象でもあった。お山が見えたら吉日、きょうもがんばろうと、先人はすごしてきたのではないか。」してくれているのがうれしい.




1:話題の紹介,専門家:季節の話題.天気予報を引用
2:筆者の体験:富士見という地名は,東京には沢山あるんだよね.
3:ロングパラグラフ:富士見坂体験
4:専門家:富士見についての解説
5:筆者の考察:東京と富士のかかわり
6:筆者の考察:これ唐突なんですよね.多分富士山をみて,前のパラグラフにあるようによし頑張ろうというような心境になったのでしょうけど.