endy's teapot

今朝のSKshow!

今朝の産経抄(1/4)「江戸でござる」

2005年01月04日 | skshow
原文はこちら
論理構造タイプ: エッセイ型
出現テクニック:「」事例,専門家
インプレッション:産経らしさ △ 構造の魅力 △ 読みごたえ △

●ひとこと
仕事はじめの日のコラム分析.パラグラフが一つ減っている.前は石井さんでなくても
必ず6段落構成だったのに今日は5つ.字数は10字しか変わっていない.
2つの話題を第4パラグラフでひとつにまとめている.
話の力点は後半の人口問題なので,常磐新平さんと池波正太郎氏は枕として利用されている.
専門家(プロ)が枕として使われるのは無断転載などでないかぎりはそれほど問題ではなく,
むしろパブリシティとして喜ばれるのではないか.

最後の”条件付きだが。楽観にすぎるの”の部分のリズム感が悪いのが残念

1:話題の紹介,専門家,といえば:常磐新平さんといえば池波正太郎
2:といえば:池波正太郎といえば江戸の生活状況
3:紙面の紹介,考察:人口問題を紹介
4:考察:ここで,江戸の生活と人口問題を融合
5:主張:江戸の事例をもとに楽観論を展開


今朝の産経抄で書きたいこと(4訂)

2005年01月04日 | skshow
内容は6/21と同じですが,石井さんの引退を機にと年を新たに加筆修正しました.

●かきはじめのきっかけ
「白紙でだしてきたよ」,家に帰ると家族が話を切り出しました.
とある筆記試験を受けてきたようで,その試験問題というのが一見関係のないキーワードをつなげて,一つの文章にするというものでした.
私の家族は文章がかけないわけでもなく,むしろ得意なほうなのですが,とっさの出題に面食らったこととそのキーワードそのものに対する知識が不十分で,うまくつながらなかったようです.
この出題というのは,物書きの試験としてはよくある形式だということをあとから知ったのですが,家族もそれほどメディアの試験を受けているわけではないのでびっくりしたようです.

肩を落としている家族に私が励ましのついでに話題にしたのが,「しんぶん」.特に,短い文章で構成する新聞の巻頭のコラムの話をしました.
一見関連のないことをつなげるのが得意なのは,「落語」か「コラム」.
ついでに,即興でこんなふうにつなげればいいのではという例を作ってみました.
肝心のキーワードは失念してしまったのですが,「そうか,そういうふうなやりかたもあるのか」って盛り上がり,家庭は明るさを取り戻したのでした.


後日,このことが頭の片隅に残っていて,「さて,コラムで本当に話の構造ってどうやって構成しているのだろう」と確かめたくなり,実際に分析を思い立ったのです.

分析するっていっても,小学生のように机に隠して,絵を書いてしまっておくっとというのだと続かない.
最低でも夏休みの自由研究くらいに日の目をみないと続かない.
暇を見つけて書きためてたって,整理できないと続かない.
できない理由はバンバン出てくるが,はじめるきっかけがなかなか掴めない.さあどうやって書こうかと思っていたところ,折しもBlogブーム.
私もアカウントは持っていたものの書くことがなかったので,これはいいとテーマに選んだのです.

●なんで産経抄なのか,
実は,家では産経新聞はとっていません.(リンクの許可はもらっています)
コラムだったら,「天声人語」だろうが,と思うかもしれませんが,このコラムでは「構造」がキーワードなんです.
私の関心は短い文章が,巧みな構造で比喩や飛躍論理の入れ替え,擬音擬態などの構造を屈指することで筆者の主張が「スッ」と示されているかです.
その意味では天声人語は主張がストレート過ぎるんです.もちろんこれも,きちんと分析してみないとわからないのですが天声人語はすでにこういうことをやっている人も多いでしょう.天声人語の要約って,今でも夏休みの宿題の定番なんですかね.楽しくないですよね.でも天声人語の方が夏休みの宿題対策サイトとしては喜ばれるかもしれませんね.朝日もいつかはやってみるといいかもしれません.特に夏休みの宿題としては,朝日の方が先生の受けが圧倒的にいいでしょう.なぜって,それは私のBlogを読んでみてくださいませ.
産経抄は産経新聞のオピニオンということもあって
主張ははっきりしていて,いかなる状態からもその状態に持っていくのです.(6/20を読んでみて下さい.内容はここでは取り上げないつもりでも,この日のなんて,いかにもって感じでニコニコしてしまいます.

産経新聞ですから,書かれていることへの批判,賛辞も他紙よりは強くでるでしょう,

しかし,シュプレヒコールのように結論やお題目だけいっても,それだけでは読み手の気は惹きません.
その構造とテクニックに興味を持っています.よい文章もあれば,流しているのもあると
いうことがわかりました.

おかげで全くというほどアクセスがなかったのですが,最近はコンスタントに2桁のアクセスはあるようで,Webサイトよりよっぽと来訪者が多いのでびっくりです.

やってみてわかってきたのは,主張の強い日が5日エッセイが2日でローテーションのようです.が,ときにその中間のような日があって,それがすごいできなのがあるのがまたおもしろい.

そんな産経抄ですが,メインとも言える筆者の石井英夫さんが昨年の12/28で引退されたようです.
書きはじめの頃はそんな名前なんぞ知りもしなかったのですが,みなさまからのコメント等からその名前を知りました.毒のある文章で,ファンが多いことも知りました.みなさんその毒を楽しんでおられるようでした.ちょっと残念なできごとです.


●書く内容について
多くの石井さんの読者はその中身の毒を楽しんでいらっしゃるようですが,
内容の是非ついては,基本的には触れません.内容に関して他のWebサイトBlogなどでの
議論にまきこまれたくないです.
本文の要約でもありません.(要約,翻案だったら了解はもらえないでしょうね)
どういう話の流れになっているのかを見極めるのが目的です.
・話題がどういう切り口からスタートしているか.
・本題に引き出すための,布石(枕)の選定は妥当か.
・接続関係はきちんとつながっているか.
・引用やオーソリティの引っ張りだしかたは効果的か
・筆者の主張を引き出す前提はちゃんと書かれているのか.
・風刺や皮肉を効果的に紛れ込ませることができているか.

●Imodeで読むコラム
産経抄は無料のImodeサイトで公開されていて,暇々に読んでました.
これがおもしろい,新聞一面に書いてある時は自分の視野に文章全体が入っているので,下手をすると
結論の先読みができるのですが,Imodeの場合はスクロールして読む.これが全然違うんです.
先読みができないから,筆者の構造テクニックに簡単にはまってしまうんです.これが,「音」による
語りで先読みができない落語に通じるのかなと思ったのです.

石井さんを超えるようなコラムを期待するのは,ちょっと違う気がしていますが,新聞のコラムが学校の先生の言うところの「国語に役立つ」ものになるには,もっと凝りに凝った構造の文章を期待しています.文章という最高に論理的でありながら,巧みな技巧が入り込むメディアをもっと堪能させてくれるようなコラムを期待して,もう少し産経抄を追っかけ行こうかとおもっています.


このblogの読み方Ver2.1

2005年01月04日 | skshow
(石井さん送別で,分析結果に代えて改訂.後でちゃんと整理します.)

1.論理構造タイプ:
文章の構造を分類することに挑んでいます.
名言集というわけではなく,あの毒の構造を国語の面から分析しようとしたものです.

(1)落語枕型:
最初の話題は結論に全く関係ない.主張のための前振りを持つ構造.
通常の文章でやられるにはまだよいが,新聞コラムでは引き合いにだされて,ほかされる.
 ような感じこういうスタイルがコラムにあるのは,

(2)単純反復型:
 最初に報道もしくは,話題の提供を行い,それについて筆者の考察,事実の補足が単調に続く
話題そのものが重要で,構造としては単純.結論も単純

(3)「キーワード」継続型:
 単純反復型に近いが,一つの「キーワード」に対して,パラグラフごとに記述が続く
自分の分類としては,キーワード型の方がパラグラフ前後の結びつきが弱いと考えている.

(4)追悼型:
 新聞コラムでは,必須の有名人の追悼記事に対するコラム.破綻のない構成が求められる.
最初に故人の逝去に触れ,次に
パタン:故人の著作があれば引用して,感想を述べる
パタン:故人と筆者が交際があればそれについてふれる
パタン:故人が季節との結びつきが深い場合,季節の話題から故人を偲ぶ.雪とか梅雨とか寒空とか
消えゆくがふたたび巡ってくるというのからよくなじむ

(5)エッセイ風:
 無構造といってもいい.さらさらと当たり障りのない話題について書き綴る



2.出現テクニック:

(1)中心人物:そのパラグラフでの話題の中心.または,そのパラグラフでの主張を行っている人・団体.
話題の中心をはっきりさせるために書いています.
「秋田県でお米を植えている皇太子殿下」という文があったとき,この文章は次のパラグラフに向かって
「秋田県」,「お米」,「皇太子殿下」の何が話題の中心なのか,こういう時は尤も有名な固有名詞に
関心が集まりますが,実は関心を引くためのサクラ,文章内「枕」の場合がよくあります.その構造を見いだすためにかきだすようにして

います.
また,下の「といえば」と組み合わせて,あるパラグラフでの主張を行い,その主張の余韻がある中で中心人物だけ入れ換える.そうする

とあたかも次のパラグラフの中心人物も前のパラグラフと同じ主張をもったような印象を読者に与えることができる.

(2)「といえば」:本当にいいたいことと一部に「つながり」のある話題を前のパラグラフにおいて,風が吹けば桶屋が儲かる的な話題の遷

移を作り出す.普通の論文ではこんなことはできない.


(3)「反語」
言い切った後にさっと反対主張を出したり,類似を引いて独自性は少ないと示唆する場合ありです.
なんで,わざわざ反対のことをいうのでしょうか.2つのパタンがありそうです.
パタン:マイルド型 反対意見にも耳を傾け,「よい子」のコラムに仕立てる.読後に過激な印象を残さない工夫
カレーに入れるヨーグルトのような感じ
パタン:エッジ際立て型 わざと反対のことをいって自説の主張のエッジをはっきりさせる
お汁粉にいれる塩のような感じ

(4)「一部の人」
誰かが言ってたと言っては学校の先生に怒られていたが,自分が言っていないといって,一般性をもたせている.
本当は個人を明確できるのにあえてこのように書いているようにもみえる.しかし,政治外交欄の「当局」とか「筋」とは性格がことなっ

ていて.一部の人と書くと複数いることを想起させて,かえって信憑性が上がってしまうのがふしぎ

(5)専門家
自説にハクをつけるのに多用されている.よくいえば根拠を示す.
普通の文章は引用や紹介をすると引用元の紹介を明示するのが基本だが,新聞コラムはそれも許されているようだ.
場所の都合もあるからかもしれないが,引用というよりそのパラグラフの権威付け使われているようにみえる.引用の場合は,引用文を料

理する必要があるのにそのまま載っていることもあるからである.

(6)事例紹介
読者の投稿や自分で見つけてきたことを基に信憑性を高める.たった一例で一般性を導いてしまうので,少々怖い

(7)「」型
昔読んだエッセイの書き方の本に,3行以内で勝負をつけよ.テクニックは会話,擬音だと書いてあった.
話題のキーワードはそれを使うだけで,目に飛び込んでくる.

(8)落語枕
みんなが共通の感心をもつ話題で一旦注意を引くための「ネタ」.本論と同じ話題の場合はあまりここでは枕とは呼ばず,全く関係のない

話題の場合に枕と呼ぶことにしている.
特に朝日新聞を攻撃するときにはいろんな枕を用意している.
(9)さげ
枕と逆に本文の主たる主張ではないのだが最終パラグラフで,皮肉や風刺や本文の論旨からは直接反映できない筆者の普段からの思いを一

文程度でさらっというもの.
(10)プチ枕
第3~4パラグラフあたりで,筆者の自説がぽろっと出てくる時がある.末尾の結論に関係ないのに出てくるから面白い.産経抄の特徴と

いっていいのではないか.引合にだされるのは社民党,一部の左翼主義者,朝日新聞の登場が多い.真っ正面から非難する論陣話題をかか

げるわけにもいかないので,こういうところに挟み込まれている.

(11)擬態
いわゆる擬態,「」を使った音声臨場は多用されるが,地獄のようなとか象さんだったらというような擬態は意外と少ない

(12)ロングパラグラフ
新聞のコラムは多く場合,一段落ごとに話をまとめてゆく.文章が短いので長々とかけないからだ.しかし,専門家を紹介して,その内容

について述べるとなると一段落に収まりきらない.そういうときにロングパラグラフと読んで,続きかどうかを区別している.

(13)巻頭の切り出し,「話題の提供」と「報道の紹介」と「紙面の紹介」の違い
「話題の提供」:紙面とは関係なく筆者の関心で集めてきた話題
「報道の紹介」:紙面で記事にはなっているが,どの記事と特定しない,または連日の複数の報道を総括して
話題とするとき
「紙面の紹介」:当日または昨日位の特定の記事を指す


3.インプレッション
読まないと,中身がわからなくて,かつ原文と両方読んでいただかないとわからないのできてくださった方に
明快に今日の結果をお伝えしようと思ってつくった項目です.
◎:とてもすぐれたできである
○:よいできである
△:少し物足りない
×:出来が悪い
の4段階で評価しています.なぜ5段階でないのと言われそうだが,普通ってなかなかないですよ.

具体的な基準を書いてみます.
(a)産経らしさ:産経らしい強い主張が盛り込まれた構造か
   ◎:産経らしい強い主張が盛り込まれている
   ○:一定の主張がなされている
   △:徒然とした内容で,主張がはっきりしない
   ×:主張がないか.論旨に矛盾がある
 (b)構造の魅力:テクニックに魅力があるか.きれいな論理の流れになっているか.
   ◎:布石の打ちかたや,主張の根拠の元に文章が組み立てられ,係り受けができている.
   ○:一定のテクニックが用いられている.
   △:テクニックがはっきりしない.
   ×:論理の流れが破たんしている.

 (c)読みごたえ:総合評価として面白いかどうか.但し,主張に賛同するかどうかではない.全体の印象なので,必ずしも下の基準とい

うわけではないです.
   ◎:なるほど,そうかこういうことかとうなるとき
   ○:まずまず面白い時
   △:内容が散文的で引き込まれない時
   ×:文章がつまらないとき
4.分析前の一言
 たいてい,分析前に一読した時の印象を短く書いている.



5.分析結果
 具体的な分析結果
今は「長い!」いう意見に応えて,簡易版を使っています.
パラグラフ番号:概要,論理構造:分析
これを1~6まで繰り返す.

以下に詳細に書いていた版の説明を載せます.項目の解説はこちらをごらんください.


・第1パラグラフ
 [概要] 構造上どのような位置づけなのかを書く.
   (1)話題の提供:紙面とは関係なく筆者の関心で集めてきた話題
   (2)報道の紹介:紙面で記事にはなっているが,どの記事と特定しない,または連日の複数の報道を総括して
話題とするとき
   (3)紙面の紹介:当日または昨日位の特定の記事を指す
   (4)事例紹介:読者や専門家の仕事や作品を紹介
   (5)過去の事例:時間軸をさかのぼっていることを陽に踏まえて事例紹介をしている場合
   (6)筆者の考察:筆者がテーマを分析しているパラグラフ
   (7)筆者の主張:筆者が主張を行なっているパラグラフ
   (8)ロングパラグラフ:前のパラグラフの続き
 [論理構造]2.に書かれた出現テクニックの提示
 [中心人物]話題の中心を書いている.たいていはやはり人なので人物としている.人物でもないときはある.
 [分析]解説の記述


今朝の産経抄(12/28)「石井さんおつかれさま」

2005年01月04日 | skshow
原文はこちら
論理構造タイプ: エッセイ型
出現テクニック:「」事例,専門家
インプレッション:産経らしさ ○ 構造の魅力 △ 読みごたえ ○

●ひとこと
すでにご存じの方も多く,2chでも話題にもなり,本欄にもコメントもいただいた方もいらして
石井さんが引退を表明されました.
このblogをはじめるきっかけともなった人なので,非常にびっくりしています.
お正月を挟んだんでちょっと遅くなりましたが,長い間おつかれさまでした.

さて,石井さんの最後の分析です.
時事の話題を枕に使い捨てて,自分の話題に持ってくる.
そして,専門家の詩を転載して煙にまき,
自分の語録を紹介
もう一度,他人の詩を引用して,挨拶

奔放に書かれつつ,玄人受けしそうな引用を持ってくるところは石井さんらしいけど,
せっかくなら,こんな挨拶文ではなく,自分の本当に主張したいことを書くか(中身重視)
凝りに凝った構造のコラムを書いて欲しかった.
それでこそ,卒業論文といえるのではないか.
参考に自身があげられた語録を紹介する.

▼「戦争に大義は無用である」
「(従軍)慰安婦は国家の下半身だった」
「反戦平和ほどうさん臭いものはない」
「学校教育に強制は不可欠である」
「日の丸・君が代のどこが悪い?」


1:話題の紹介:津波の話題
2:筆者の挨拶,といえば:
”被害の広がりが気になるところだが、きょう二十八日は「仕事(御用)納め」。”
全然脈絡がないんですよ.ここに,これだけ読むと”気になるけど,納めちゃうのであとよろしく”って感じですよね.実際,納めちゃうんですね.
3:感想,専門家:詩の引用をして,自身の気持ちを託す.
4:事例,専門家(船村徹):有名人による自分評を紹介.
5:事例:自分自身の語録を紹介
6:主張:もう一度,歌を引用.そのあとに再度挨拶.

ちょっと,有終の美を飾っているとは言い難いな.残念.