人生行路の旅,出会いと別れのソナタ

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2009_アルゼンチン便り (38)

2009-03-08 | 2009_アルゼンチン便り
◆ アルゼンチンへ再渡航 / 一時帰国の後,家族同伴で! ◆

 昨年(2008)12月中旬から一時帰国して,約1か月間の日本滞在の後,1月15日にはふたたびアルゼンチンへと旅発った.今回は,私の赴任先である職場や生活拠点などの見学を兼ねて,初めて家族(といっても連れ合い1名だが)が片道だけ同伴した.ルートは,私が帰国時に使ったメキシコ経由だった.成田を夕刻に発ってから途中カナダのバンクーバーで給油着陸,メキシコシティには約15時間半ほどかかって到着した.ここで4時間余り待機の後,便を乗り継いでさらに10時間ほどをかけ,アルゼンチンのブエノス・アイレスには1月16日(現地時間)のお昼頃に到着,結局成田を発ってから30時間ほどかかったことになる.この長いフライトの疲れをいやすべく,その日はブエノス・アイレスのホテルに1泊した.

 翌1月17日(土)は早朝にホテルを出て,コルドバへ向かう長距離バスに乗車した.約700kmの距離を走る日中のバス旅も,かなり疲れることは予想されたが,一度はこの大地の景色を車窓から眺めておくことが同伴者にとっては意味もあろうかと,この移動方法を選んだ.ブエノス・アイレスのレティーロという中心地にあるバスセンターは,ごみごみしていてたいへん危険な場所でもある.バスを待ち合わせる構内には,スリやひったくりなど怪しげな人物も多数往来していると聞く.案の定,連れ合いも大型スーツケース等の荷物番をしている隙に,ちょっとした被害に遭遇したようだ.パスポート等の貴重品は無事だったことから,これもこの国への入国イニシエーションかと割り切って,一つの思い出とすることにした.

 コルドバへは,約11時間半のバス旅の後,夕刻も遅めに到着した.近くのスーパーでありあわせの食材を調達し,自宅で軽い夕食をとって,この日は持参した荷物の整理などをしながら久しぶりにゆっくりとした時間を過ごした.翌日(18日)が日曜日だったことも幸いした.適度な朝寝坊の後,静まり返った街中を散策したり,アパートの各部屋の片づけものなどをして,しばらく留守にしていた部屋の整頓や,ベランダの植木鉢の清掃などでは,この連れ合いの協力に負うところが大きい.目の付けどころがやはり私とは一味違い,観賞植物や鉢植えなどが見る見るうちにきれいに整頓されていった.

 1月19日(月)は,連れ合いを伴って私の赴任先である職場を表敬訪問した.約30名ほどの職員がいる職場だが,この期間は夏のバカンスをとっている者も多く,その日は半数程度の同僚が出勤していた.ささやかな手土産にと京都から持参した「金平糖」の小袋を配りながら,連れ合いを紹介してまわって,拙い私の通訳のもとにちょっとした交流会話も行った.世界規模の金融危機の影響から,目下日本ではたいへんな不況と失業の嵐が吹き荒れていることなど話してみたが,当地アルゼンチンの人々の反応は実にあっけらかんとしたものだった.「そうかも知れないが,私たちアルゼンチン人はその手の危機には十分に慣れっこになっているので平気です.」というのだ.会話は爆笑に変わったが,この楽天性こそが,良きにつけ悪しきにつけ,アルゼンチン(人)の特質なのだと,連れ合いも納得したようだった.

 その日の午後は,コルドバ近郊のアルタグラシアというところへバスで約1時間かけて向かった.以前の記事でも紹介済みだが,ここには「ゲバラ記念館」がある.連れ合いの話では,目下日本ではゲバラに関する書籍や映画などが結構紹介されていて,小さなブームとなっているらしい.この日しか訪れる日程がとれないこともあって,急ぎ足での訪問・見学となった.私にとっては2度目の訪問だったが,やはりバス停から降りた先の道は覚えていなかった.かなり歩き回って探し当てた頃には,連れ合いは相当疲れた様子だった.夜は私の手料理でささやかながら連れ合い歓迎の小宴会を催した.肉料理は苦手だと聞いていた連れ合いだが,この日は結構美味しいとか言って口に運んでいたようである.

 翌1月20日(火)夕刻からは,アルゼンチン南部のパタゴニア地方へ連れだって旅行に出ることとなっていた.かなりの遠隔地なので,この移動には空路を使うことにした.しかし,コルドバからの直行便はない.いったんブエノス・アイレスまで飛んで,そこで乗り換える必要があった.しかも,接続がうまく組めなかったために,ブエノス・アイレスに1泊する日程となっていた.またしばらくは自宅を留守にするので,この日の日中は掃除や洗濯,買物や旅支度などに追われていた.そして夕刻もかなり遅い便に搭乗したのだが,ブエノス・アイレスでは国内線の空港にほど近いところに宿をとっていた.深夜に着いて早朝にチェックアウト,朝食もあきらめなければならず,結構高めの宿泊代となった.
  
 こうして1月21日(水)の午前中には,パタゴニア地方のカラファテという町にたどり着いた.氷河観光で拠点となる小さな田舎町である.日本からの長旅の疲れもあり,慌ただしい大都市の環境を逃れて,ここでゆったりとした時間を過ごそうと,ある日系人の経営するホステルに5泊を予約していた.毎日が観光ツアーの連続では,私も連れ合いも身体がもたないし,それに久し振りに再会した連れ合いとのんびりとした会話の時間を持ちたかったからである.宿は,街の中心から少し歩いて,小さな橋を渡った静かなところにあった.その日の午後は,宿の近くにある湖のほとりなどを散策した.飛来するたくさんの水鳥を,何匹かの犬たちが追いかけまわして戯れている情景が,何んともいえない二人の癒しの時間と重なっていった.

ブエノスからコルドバへはバス移動
【ブエノスからコルドバへはバス移動】
コルドバ市のセントロを散策(1)
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コルドバ市のセントロを散策(2)
【コルドバ市のセントロを散策(2)】
コルドバの自宅で連れ合い歓迎の小宴会
【コルドバの自宅で連れ合い歓迎の小宴会】
カラファテに到着・町はずれの宿へ
【カラファテに到着・町はずれの宿へ】

(2009/03/08_追想記,アルゼンチン・コルドバ市の自宅にて,筆者)