◆ 現地職場の「忘年会(年度末の報告集会)」に初参加! ◆
まだ11月だというのに,職場から「年末行事へのお誘い」との案内状がメールで届いた.文面によれば,当地の超一流ホテル「シェラトン(Sheraton)」の大広間で開催し,会の締めくくりにはカクテルパーティ(Cocktail)があると記されていた.日本流にいえば,これはきっと「忘年会」に当たるのではないかと想像したが,それにしてもちょっと早いような気がしたので,世話人の女性職員に「忘年会をもうやるの?」とメールで聞いてみた.すると,「いや,これは忘年会ではなく,年度末を締めくくる恒例の行事」とのことだった.こちらでは,12月に入るとそろそろ大型のバカンスをとる人が出てきて,クリスマス,それに正月を挟んだ1月末にかけては職員全員がなかなか集まれないのだという.そういえば筆者も12月中旬からは大型バカンスをとる予定なので,なるほどと納得した次第である.
会場のシェラトン・ホテルは,写真で見るようにたいへん立派な建物だが,拙宅のベランダから見通せる距離だったので歩いても20分ほどだろうと思って出かけたが,とんでもない,40分以上はゆうにかかった.汗だくになりながらたどり着き,会場の大広間に向かうと,入口ではパントマイムの出迎えを受け,中に入るとすでに50人ほどの人が集まっていた.少し誤解していたのだが,これは職場の行事ではなく,職場が主催する行事だったのである.来賓者のほうが圧倒的に多く,結局は200人前後の大集会となった.州政府の幹部,域内の中小企業家,それに地元の報道関係者など多数が主催団体の職員とともに会場を埋めていた.椅子席はなく,後半のカクテルパーティに備えて配置してあるいくつかの丸いテーブルを囲んで,みんな立席のままであった.
この行事の開始時刻は午後7時だったが,15分ほど遅れただろうか,まずは全員によるアルゼンチン国歌の斉唱から始まったのにはいささか驚いた.続いて会場正面に配置された大きなスクリーンに,この1年間の事業活動を振り返った動画が軽快な音楽とともに投影された.いつの間に作ったのだろうか,たいへんよく編集されていた.やがて主催者側代表と来賓の州政府幹部たちが演壇の上にそろい,集会のようなものが始まった.主催機関を代表して理事長から,この1年を振り返った事業報告と財務報告があり,その中では,日本からもこの事業に参加しているボランティアがいるということで筆者の名前を挙げて紹介されたのには参った.
セレモニーめいた式次第が一通り終わり,やおらカクテルパーティが始まったが,特に格式ばった司会・進行などは何もなかった.立席のまま,テーブルの上に並べられたおつまみをナプキンで摘まんで,思い思いにシャンペンやワイン,ジュースやコーラなどを飲みつつ,ひたすら周りの人たちとのおしゃべりが続くのである.こちらで「カクテル」といえばこの種のパーティ形式を指すのであって,いわゆる日本でいうお酒の「カクテル」が出てくるわけではない.筆者も何人かの人たちと拙いスペイン語会話でおしゃべりをしてみたが,30分もするうちに足が棒のようになってしまった.つくづく感心するのは,こちらの人たちはそれでも座ろうとしないのである.そして,甘いものをよく飲み,よく食べる.
まあ,位置づけや形式は異なるものの,これが当地での忘年会のようなものである.そして日本と大きく違うのは,2次会がないこと,カラオケなどもなく,飲みつぶれる人もまったくいないことだ.3~4時間あまりを立ちつくし,誰彼となく喋りまくって,流れ解散のように会は自然に収束していく.それでも不思議なことに,その翌日からの職員の職場での表情にはどことなくリフレッシュした爽快な雰囲気が漂っていた.これから楽しいバカンスのシーズンを迎える,やがて来る次年度も頑張ろうと,一つの節目の行事にはなっているようで,筆者もついそのリズムに引き込まれて,次年度の活動計画などに無意識のうちに思いを馳せていた.ちなみに,この会の会費は無料であった.予算内での公式行事とのことだ.ところ変われば流儀も異なる,日本にはやはりあの「忘年会」が欠かせないのかもしれない.
まだ11月だというのに,職場から「年末行事へのお誘い」との案内状がメールで届いた.文面によれば,当地の超一流ホテル「シェラトン(Sheraton)」の大広間で開催し,会の締めくくりにはカクテルパーティ(Cocktail)があると記されていた.日本流にいえば,これはきっと「忘年会」に当たるのではないかと想像したが,それにしてもちょっと早いような気がしたので,世話人の女性職員に「忘年会をもうやるの?」とメールで聞いてみた.すると,「いや,これは忘年会ではなく,年度末を締めくくる恒例の行事」とのことだった.こちらでは,12月に入るとそろそろ大型のバカンスをとる人が出てきて,クリスマス,それに正月を挟んだ1月末にかけては職員全員がなかなか集まれないのだという.そういえば筆者も12月中旬からは大型バカンスをとる予定なので,なるほどと納得した次第である.
会場のシェラトン・ホテルは,写真で見るようにたいへん立派な建物だが,拙宅のベランダから見通せる距離だったので歩いても20分ほどだろうと思って出かけたが,とんでもない,40分以上はゆうにかかった.汗だくになりながらたどり着き,会場の大広間に向かうと,入口ではパントマイムの出迎えを受け,中に入るとすでに50人ほどの人が集まっていた.少し誤解していたのだが,これは職場の行事ではなく,職場が主催する行事だったのである.来賓者のほうが圧倒的に多く,結局は200人前後の大集会となった.州政府の幹部,域内の中小企業家,それに地元の報道関係者など多数が主催団体の職員とともに会場を埋めていた.椅子席はなく,後半のカクテルパーティに備えて配置してあるいくつかの丸いテーブルを囲んで,みんな立席のままであった.
この行事の開始時刻は午後7時だったが,15分ほど遅れただろうか,まずは全員によるアルゼンチン国歌の斉唱から始まったのにはいささか驚いた.続いて会場正面に配置された大きなスクリーンに,この1年間の事業活動を振り返った動画が軽快な音楽とともに投影された.いつの間に作ったのだろうか,たいへんよく編集されていた.やがて主催者側代表と来賓の州政府幹部たちが演壇の上にそろい,集会のようなものが始まった.主催機関を代表して理事長から,この1年を振り返った事業報告と財務報告があり,その中では,日本からもこの事業に参加しているボランティアがいるということで筆者の名前を挙げて紹介されたのには参った.
セレモニーめいた式次第が一通り終わり,やおらカクテルパーティが始まったが,特に格式ばった司会・進行などは何もなかった.立席のまま,テーブルの上に並べられたおつまみをナプキンで摘まんで,思い思いにシャンペンやワイン,ジュースやコーラなどを飲みつつ,ひたすら周りの人たちとのおしゃべりが続くのである.こちらで「カクテル」といえばこの種のパーティ形式を指すのであって,いわゆる日本でいうお酒の「カクテル」が出てくるわけではない.筆者も何人かの人たちと拙いスペイン語会話でおしゃべりをしてみたが,30分もするうちに足が棒のようになってしまった.つくづく感心するのは,こちらの人たちはそれでも座ろうとしないのである.そして,甘いものをよく飲み,よく食べる.
まあ,位置づけや形式は異なるものの,これが当地での忘年会のようなものである.そして日本と大きく違うのは,2次会がないこと,カラオケなどもなく,飲みつぶれる人もまったくいないことだ.3~4時間あまりを立ちつくし,誰彼となく喋りまくって,流れ解散のように会は自然に収束していく.それでも不思議なことに,その翌日からの職員の職場での表情にはどことなくリフレッシュした爽快な雰囲気が漂っていた.これから楽しいバカンスのシーズンを迎える,やがて来る次年度も頑張ろうと,一つの節目の行事にはなっているようで,筆者もついそのリズムに引き込まれて,次年度の活動計画などに無意識のうちに思いを馳せていた.ちなみに,この会の会費は無料であった.予算内での公式行事とのことだ.ところ変われば流儀も異なる,日本にはやはりあの「忘年会」が欠かせないのかもしれない.
【会場となったシェラトン・コルドバ・ホテル】 |
【パントマイムのお出迎え】 |
【年次事業・財務報告をする理事長】 |
(2008/11/29,アルゼンチン・コルドバ市の自宅にて,筆者)