今回の旅行のメインイベントの一つ。
憧れのグランドキャニオン。
飛行場についたら、
「キャニオンはストームでツアー予定が変更になるかもしれない。キャンセルするならどうぞ」
と言われた。でも、行きたかった。
そのまま、私たちは参加した。
十数人乗りの飛行機に乗って、グランドキャニオンへ。
小さい飛行機は初体験。外の風景を見ていると、ずっとジェットコースターに乗っている感じ。
俺は酔うからと言って、むーくんは寝てしまった。
少し、恐怖感と闘いながら」撮ったフーバーダム。
小さな飛行場について(パイロットの腕がいいから着地がスムーズ。うまい。とラジコン飛行機が趣味のむーくんが言った)、それからバスでグランドキャニオンへ。
むーくんが来た二十七年前は、グランドキャニオンの渓谷の中を、ヘリコプターやセスナ機で観光ができたのだそうだ。
事故が起きたので、今は禁止。
ガイドさんの案内で、いよいよハーミレッツレストへ。
実は、長年、グランドキャニオンへ行くことを夢見ていた。
その感動の瞬間も、何度、夢想したことだろう。
ところが、実際にいるのに、夢見た感覚とは違う・・・
こんな感じなの・・・?もやもや感が抜けない。
マーサポイントへ向かう途中のバスの中で原因を考えた。
ガイドさんの説明だ!!
つまり、ベテランのガイドさんの「はい、ここで写真を撮りましょう」「はいここが~~で」「ここは、危険なので~~」
詳しい説明とお引き回しで、十分にグランドキャニオンの空気感を味わう暇がないのだ。
ツアーコンダクターがいると、いろいろ気遣い、ああだこうだと教えてくれる。心配も失敗も格段に少なくなる。
でもその分、自分に刷り込まれる旅の印象が薄くなる気がする。
その場所には確かに行っているのだけれど、風景が何か透明なアクリル板で仕切られた向こう側に広がっている感覚になる。
実際の手触りが感じられない。匂い、聞こえる音、見える表示・・・。
自分たちだけで旅をしていると、それらの情報を必死になって取り込まざるを得ない。
だから、そこで生活している人に近くなってリアル感が増すのだと思う。
そう気づいて、次のマーサポイント着いたとき、ツアーコンダクターの人から意識的に離れた。
そして、何をしたか?
この、ぐっとつきだしている突端へ行こうと決めた。
柵はない。もちろん道もない。何人もの人が通ったルートらしきものができている。
実際、何か所かはおしりを岩につけて、体重移動をしなければならなかった。
むーくんは「俺は、怖いから、そんなところに行きたくない」と
そして、念願達成。
ぞわぞわと足元から登ってくる恐怖感と闘いながら、
でも、満面の笑顔。グランドキャニオンだ~~~!
この写真は、むーくんが撮ってくれた。実は、こういうところが苦手なむーくんが
後をついてきていてくれて、顔を引きつらせながら撮ってくれたもの。
言っておくが、ツアーコンダクターさんには何の非もない。
主体的に自分たちの旅をどうマネジメントするかの問題だ。
私たちは、困難が多いけれど、記憶に残る旅をしたかっただけだ。