マイ・Joon・メモリーズ

🌸いつも心にはヨンジュンさん🌸

もうひとつの冬のソナタ⑫

2009-04-30 18:06:59 | 冬のソナタ

 

 

 もうひとつの初恋、そして和解③


 花とケーキを予約して、披露宴に来るお客さんの数だけ食べ物を注文するのに忙しく走り回ったユジンは、
その日、チュンサンに一度も電話しなかったことに 気がついた。

ひとりでいるチュンサンが心配になったユジンは電話をかけたが、
呼び出し音が鳴るだけで 誰も出てくれない。

ユジンは心配のあまり仕事が手につかなかった。

耐えられなくなったユジンは、仕事はそっちのけで とりあえずチュンサンの家に向った。


 チュンサンと呼びながらユジンが家に入ると、彼の姿はどこにもない。

ユジンは急に恐くなった。

何も見えなくていったいどこに出かけたのだろう?

ユジンは 苛立たしい気持ちのまま あちこちに電話をしてみたがチュンサンの居場所を知っている者はいなかった。

もしかしたら、ひとりで散歩に出て道に迷ったのではないか・・・・・ユジンはますます恐くなった。

心配になったユジンは 近くにチュンサンを捜しに出かけた。

 「チュンサン!チュンサン!」

 ユジンはチュンサンを捜して町の奥まで走り回った。
 額は汗でびっしょりだった。

 ユジンは 息が苦しくて気が変になりそうだった。
 どこにもチュンサンの姿は 見えなかった。

何も見えないのに・・・・・、いったい、どこに行ってしまったの。


あれこれ チュンサンが行きそうな場所を思い浮かべてみた。

もしかしたら 湖畔に行ったのかもしれない。

何も見えないチュンサンがひとりでそこまで行けるはずはないが、
それでも チュンサンが行きそうな場所は そこしか思いつかなかった。


 生い茂る木々の間を通り抜けて入ってくる暖かい日差しと鳥のさえずり、
湖畔は以前と同じように平和で美しかった。

ユジンは まさしくチュンサンがここのどこかにいるだろうと確信した。


そして・・・、予想したとおりにチュンサンは湖畔のベンチに座り、すがすがしい表情で湖を眺めていた。

ユジンが安堵に一息ついて近づくと、チュンサンがにっこり笑い、ユジンの方を振り返った。


 「ユジンなのかい?」

 「私だと どうしてわかったの?」

チュンサンは、ククッと笑いながら冷やかすように答えた。

 「わからないはずないだろ・・・当然、わかるよ。遠くから近付いてくる 君の足音だけで僕はすぐわかるんだから」

その言葉にユジンは胸が締めつけられたが、ちょっと怒ったふりをして言い返した。

 「あなた・・・・・何も言わずこんなところに来て、どういうつもり?電話してくれてもいいじゃない。
  どれほど心配したか」

 「ごめん」

 「またこんなふうに何も言わずに出たら許さないから。
  でも・・・・・どうやってひとりでここに来たの?」

 「サンヒョクが送ってくれたんだ」

 「サンヒョクが?サンヒョクが来たの?」

ユジンは驚いてあたりをきょろきょろと見回したが サンヒョクの姿は見えなかった。

 「ユジンにも会うつもりだったみたいだけど、急な用があるって先にソウルに帰ったんだ」

 「なんだ・・・・・会っていけばよかったのに・・・残念ね。ところでサンヒョクが急に何の用で来たの?」

 「結婚の贈り物をくれたんだ」

 「贈り物?」


チュンサンは サンヒョクからもらった贈り物のことをユジンに話した。

ユジンとチュンサンが忘れてしまっていた思い出をプレゼントしてくれたこと、
そして、チュンサンを兄さんと呼んでくれたこと・・・。

ユジンは 上機嫌でサンヒョクについて話すチュンサンを見ながら、神様に感謝の祈りを捧げた。


神様、ありがとうございます。

この人を生かしてくださって、この人を私のもとに案内してくれて、

そして この人を寂しくさせないようにしてくださって・・・・・本当にありがとうございます。


十数年前・・・・・、この湖畔で影の国に行った寂しい人について話をする少年がいた。

彼はとても寂しがり屋で、誰かがそばに来てくれることを願ったが、そのような者は誰もいなかった。

彼は長い歳月の間に多くの苦痛を経験し、それまで以上につらく孤独だった。

しかし、ユジンは知っている。

もうこれ以上 影の国に閉じ込められた寂しい少年ではないということを。

サンヒョクを含めて彼を愛する多くの人々が、彼をこれ以上寂しいままにはしておかないということを。


 湖畔に夕焼けが映り始めた。

ユジンは チュンサンの手をしっかり握ったまま、夕日の沈んでいく湖を眺めた。

四方を赤く染めながら 暮れていく太陽はとても美しかった。


しかし、そのことを口にすることはできなかった。


チュンサンは見られないのに ユジンひとりでこの美しい景色を見ていることがあまりに耐えられなかったのだ。


その時、チュンサンが静かに口を開いた。

 「とてもきれいだろう?」


ユジンは 驚いてチュンサンを振り返った。

目を細めて湖を眺めるチュンサンの表情は、本当に美しい夕焼けを見ているようで、
とても幸せそうに見えた。

 「あなた・・・・・、見えるの? まさか・・・・・見えるの?」

 「いや・・・・・」

チュンサンは、静かに笑って首を横に振った。

 「でも、感じられるんだ。本当に美しいものは、見えなくても感じられるんだよ。
  今、湖を染めている赤い夕焼けがどれほど美しいか・・・その姿を眺めている君が、どんなに美しいか・・・・」

 「チュンサン・・・・・」


 「僕は見えなくてもいい。僕を愛してくれる人たちがたくさんいるから。

  ・・・・・そして、君がいるからね」


ユジンは目に涙を浮かべてチュンサンを眺めた。

チュンサンはまるですべてが見えている人のように ユジンの瞳を見つめていた。


チュンサンがゆっくりとユジンを抱きしめてささやいた。


 「僕たち、幸せになろう」   


  (つづく)


・・・・・・次回がラストになります


















本日の冬ソナフォト



麗しの黄色タートルネックのミニョンさん




















学らん姿の胸キュン男前チュンサン





 

 

 

 

 

 

コメント (6)
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