マイ・Joon・メモリーズ

🌸いつも心にはヨンジュンさん🌸

もうひとつの冬のソナタ⑩

2009-04-14 19:56:07 | 冬のソナタ

 

 

 

 もうひとつの初恋、そして和解②


 年月が経つごとにチェリンの服装は大胆になっていた。

ファッションデザイナーという職業にふさわしく、
いつも華麗で洗練されたファッションをしているチェリンはどこにいても人々の目を引いた。

チェリンに会いにコーヒーショップに来たサンヒョクは すぐにチェリンを見つけた。

胸元が大きく開いた赤いワンピースを着てコーヒーを飲んでいたチェリンは
サンヒョクを見つけるや小言を並べ立てた。


 「いったいその服は何なの?」

 もとはかっこいんだからもっとセンスのいい服を着ろとか、
 だから女の子に振られるんだとか、
 普段よりいっそうやかましく小言を並べ立てるチェリンを、サンヒョクは静かに眺めた後、
 微笑ながら言った。

 「君も招待状を受け取ったんだね。だから僕に電話したんだろ?」

チェリンは少しぎくりとしたようだったが、フッと笑いながらうなずいた。

 「あなたね、その単刀直入にものを言う癖って良くないわ。私の彼ならすぐに直せって言うところよ」

 「そう?良かった。君のような怖い恋人がなくて」

 「何ですって?」


 冗談だということはわかっていたが、チェリンは怒ったようにサンヒョクをにらみつけた。

しかし そんなチェリンの気持ちをすべて見透かしているかのようなサンヒョクの表情を見ていると、
にらみつけようと目に力を入れてもうまくいかなかった。


ふたりは無言のまま、心に去来する複雑な感情をお互い理解し合った。


 「・・・・・何ともないって言えば嘘になるさ」

 「でも私たち、誰よりもふたりの幸せを祈っているじゃない」


 チェリンはサンヒョクが今この瞬間、自分の横にいるということがとてもありがたかった。

サンヒョクもまた、自分の気持ちをわかってくれる人が横にいるということがうれしかった。

ふたりは互いの存在が癒しとなっていることを言葉にはしないがわかっていた。

ふたりは しばらく黙って座っていたが、サンヒョクが先にその沈黙を破った。


 「ユジンとチュンサンの結婚祝い、何にしようか」


雰囲気を変えようと無理に明るく尋ねるサンヒョクにチェリンは食ってかかるように答えた。


 「サンヒョク、なぜ私たちが一緒に結婚祝いを贈るわけ?」

 「いやか?」

 「当然でしょ。あなたと一緒にしなくちゃいけない理由がないもの。
  私たち付き合っているわけでもなし」

 「それはそうだけど。一緒に贈るのもいいんじゃないか?
  僕より君のほうが何をプレゼントしたらいいかよくわかるだろうし。
  ふたりで一緒にしたらひとりでするよりもいい物をプレゼントできるだろうし。
  それに・・・・・」

 「それに、何?」


サンヒョクはしばらく考えていたが、ひとこと付け加えた。


 「それに・・・・いずれにせよ、何となく僕は君と一緒にした方がいいんだ」

 「まあ、それってもしかして」

 「もしかして、何?」

 「もしかして、あなた、私のことが好きなの?」


サンヒョクはあきれたように 口をポカンと開けてみせた。


 自分に親切にしてくれる男は みんな自分のことが好きなんだと錯覚してしまう
チェリンのお嬢様気質は 昔のままだった。

サンヒョクがそんなことはないと否定する前に チェリンが先に口を開いた。

 「そうよね、あなたが私のような魅力的な女に惹かれないとしたら、それこそ異常よね。
  でも、これだけはちゃんと知っておいて。
  私はね、あなたがその野暮ったいファッション感覚を直さない限り
  絶対あなたと付き合う気はないから!
  それとね、結婚祝いは別々にしましょう。わかった?」

チェリンは高慢な顔つきでさっと席を立った。

サンヒョクは あっけにとられてチェリンを見つめていたが プッと噴出してしまった。

笑いながらも ふと妙な気持ちになった。

チェリンの話を逆に考えると、
「野暮ったいファッション感覚」さえ直せば 僕と付き合ってもいいということではないか。

サンヒョクは自分の服装を改めて見直してみた。

どうして「野暮ったいファッション感覚」なのかよくわからないが、

同時に、チェリンが好きだというファッションというのが どういうものなのか 急に気になり始めた。

コーヒーショップの窓ガラス越しにチェリンの遠ざかる後ろ姿を見つめる
サンヒョクの顔に微笑みが浮かんだ。


何となく胸がときめいた。


(つづく)

 

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冬ソナ4話フォトより















 

 

 

 

コメント (4)
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