9.11のテロが起こったアメリカ。そのテロ行為をきっかけに軍に入った"ジャック・ライアン"は軍事作戦中の飛行機事故で戦線離脱を余儀なくされた。必死のリハビリのおかげでようやく走れるまで回復したライアンの元にCIAの"ハーパー"がライアンをスカウトしにやって来る。
ハーパーがライアンに伝えた指令は、「ウォール街にある投資銀行の会社員として働きながら経済テロ阻止を目的としたCIA情報分析班のアナリスト」になること。ライアンは大学に入り直し表の顔は銀行員、裏の顔はCIAとして働いていた。
ある日、モスクワの投資会社「チェレヴィン・グループ」の不審な動きをキャッチしたライアンはハーパーにエージェントの現地派遣を要請。だが、彼から返ってきた返答はライアン自身による調査命令だった。
チェレヴィン・グループへの監査を装ってモスクワへと飛んだライアンだったが、空港で出迎えてくれた同グループの警護員が突然ライアンに襲い掛かった―。
……と、簡単にあらすじを説明しますとこんな感じです。
めちゃくちゃ面白かったです!特にライアンの恋人の"キャシー"が敵の"チェレヴィン"に誘拐されて救出するところ!このシーンはハラハラでした。!
主演のクリス・パインさんのことは「スタートレック」で知った人が多いと思いますが、私が知ったのが「black&white」でなのでスパイ役がすごくあっています。本人もスパイ役のほうが好き、と言っているみたいです。
【ここからネタバレが含まれる内容がありますのでご注意を!】
※ 今回はライアンの感想を中心に映画全体の感想です。 ※
ジャック・ライアン
愛国心はこの映画一。「俺は分析官だ!」と言いながらスパイの仕事を上手にこなす姿はかっこ良かった。仕事だけじゃなくてちゃんと恋人のキャシーのことも大切に考えているところが良い!
最初の飛行機事故のシーンはビビりました。ライアンがシートベルトを着けられない新人に手を貸してあげている途中に起きた事故だったので、飛行機はライアンがシートベルト無しの状態で墜落していったんですよ。病院へ運ばれて行く前のライアンの怪我がすごく重症。顔とかの火傷が怖い!
ライアンを診た医者が「復帰は無理だ…。」と言ったのには納得。その後はリハビリセンターの場面になり松葉杖でリハビリしていたので、医者が言っていた「90分で歩けなくなる…!」って言うのには間に合ったみたい。よかった。
このリハビリセンターで、恋人のキャシーとCIAのハーパーと出会うのでライアン何気に忙しかっただろうな。
リハビリの場面からすぐに10年(ぐらい)経っていたのには少し驚きました。
ハーパーに言われた通りにウォール街の会社員として働いている合間、周りに気付かれずこっそりと不審な会社を調べているライアンの手際の良さ。同僚の恋のキューピッドになりながらサラッと(本当は)悪いことやってのけるライアンが面白かった。
まぁ、これだけこっそりとCIAとしても働いていれば恋人のキャシーが浮気を疑うのも仕方が無いことですよね。
ライアンが映画館を情報提供の場として使用していて、たまたまキャシーが映画の半券を見つけてしまい、恋人が昼間から職場を抜け出し映画を観に行っていた、ということがキャシーの不安を煽りました。
キャシーがわざとライアンが見にいった映画を「今度の休みに見に行こう。」とライアンに探りを入れたシーンは空気が冷たかったような気がします。
不安があるからライアンのプロポーズを素直に受け入れられないキャシーを置いて、CIA(表向きは銀行員)としてモスクワの投資会社「チェレヴィン・グループ」に行くことになったライアンですが、ちゃんと直前に起きた喧嘩を終わらして出張に行ったことろは好感が持てる。
モスクワに着いて泊まるホテルに来て早々、チェレヴィンからの運転手と殺し合いになったのには驚きました。親切な運転手だったのに。
ライアン、これで初めて人を殺したようです。(軍にいた時はそういう対戦は無かったのかな?)
運転手を殺した後も大変は続きます。(多分)CIAに電話して助けを求めたんだろうけれど、電話に出たお姉さんのクール加減とライアンの焦りっぷりの温度差は目立つ。最後の方、電話のお姉さんがお母さんの様になっています。「大丈夫。貴方なら出来る。」と宥めているし。ライアンが焦っているのも仕方が無いのですがね。(人を殺して、土地勘無いのに合図が来たら出歩くよう言われたので。)
合図が来るまで死体と同じ部屋で待つ、って辛いなぁ。溺死させたからバスルームに向かわなければ見ることはありませんが嫌ですよね。
電話が鳴って指定された公園に向かうのですが、向かう途中にキャシーに電話しているシーンがあったから何かあるんじゃないのかとかなり身構えました。何も無かったけれど。
公園で先に待っていたハーパーにとりあえず状況説明(チェレヴィンのお金の動きとか殺し屋のことなど)。あと、疑われないためにハーパーが他人の犬を勝手に散歩させて来たことにちょっとびっくりしました。お前の犬じゃないのか!
帰り際に「俺は分析官だ。」と言うライアンに「今からエージェントだ。」と拳銃を渡し言い返したハーパーはクールにキマっていたと思います。ライアンを残し去って行ったのですが、その後でハーパーが勝手に連れて来た犬まで置いて行ったことに気付いたライアンのキョトンぶりが面白かったです。
翌日。チェレヴィンの会社に銀行員として何か不正行為を行っていないか調べに行ったライアンですが、チェレヴィンがもう先に手を打って証拠は無くなっていました。ここのシーンでのライアンとチェレヴィンのやり取りは見応えがあります!
先手を取られたライアンはチェレヴィンをディナーに誘ったら(チェレヴィン)「婚約者もモスクワの空港に着いたようだ。彼女も連れて来るといい。」とアメリカにいるはずのキャシーの話題が。
チェレヴィンの会社を後にしてハーパー(とその部下たち)がいる車の中で作戦会議。分析官なだけあり的確で速い指示を出しています。たまにハーパーより指示出している。
それでキャシーなんですが、ライアンが泊まっているホテル(死体や部屋の傷はライアンが公園に行っている間にCIAが直しました。)にいたんですよ。(キャシー)「私は貴方に誠意を見せたの。何か反応をちょうだい。」って有限実行したキャシーの行動力はすごい。ライアンもここで初めて自分がCIAだとキャシーに明かしましたし、キャシーもスパイってことより浮気じゃなかったことに安心してましたし、とりあえず二人の間にあったモヤモヤは消えたのかな?
この後のライアンとキャシーの軽い口喧嘩はなんか笑えましたよ。(君らもう夫婦だよ!そのやり取りは!)みたいな感じで。そりゃあ、CIAであるライアンの手伝いを一般人のキャシーにも手伝わせるのだから。ライアンは恋人を守りたいし、キャシーはライアンと一緒にいたいから二人の意見がぶつかっています。まぁ、ハーパーがさらっと止めましたけれど。チェレヴィンとディナー中に会社のパソコンに侵入して探る作戦なんですが、結局キャシーをチェレヴィンの話し相手として囮に使い、ライアンがチェレヴィンの会社に侵入したシーンは緊張感がハンパ無い!ディナーに誘われたライアンがキャシーとチェレヴィンのところへ行き、ライアンが酔っ払ったフリをしてキャシーが酔いを醒ますように外へ誘導したシーンです。ライアンはスパイだから演技が出来るのは分かる。でもキャシーも演技が上手いのが少し気になりました。キャシーは一般人でしょうよ?よくライアンがスパイの仕事をしている最中に一度も会話を途切れさせずにいられましたよ。
ライアンがチェレヴィンの会社に侵入してパソコンのデータを盗ってキャシーの場所に戻るシーンはCIAがすごく働いています。チェレヴィンの会社にとっくに送り込んで準備していた偽装社員(?)、チェレヴィンから専用の社員カードをスリのように盗る人、さり気無くそれを戻す人にライアンが会社から逃げるためにサポートするハーパー。CIAの連携プレーがすごい!
まぁ、この後。ライアンたちの作戦はやっぱりバレまして、チェレヴィンがキャシーを誘拐しちゃうんですよ!ここのハラハラ感は恐ろしい!CIAの隠れ家にやって来たチェレヴィンたちがキャシーを車で強奪して行きます。この時にキャシーを助けに向かったライアンが敵の車に轢かれそうになったときはびびりました。ハーパーがナイス!車の中でチェレヴィンがキャシーにしようとした電球を口の中で割る拷問は酷い。ちゃんとキャシーを救出出来ましたが、ここシーンのカー・アクションめっちゃ怖くてハラハラしました。パイプか何か持って車に飛び掛かったライアンの頑張りがすごい。
それで、敵の動きも色々あったんですがラストのチェレヴィンの狙いと、ライアンと実行犯の一騎打ち!
チェレヴィンは、実の息子を使いアメリカのウォール街で爆破テロを起し、そのテロにより変動した株で儲けようと計画を立てていたようです。(簡単に書きましたがもっと事情は複雑です。)ライアンたちCIAはそれを止めようとモスクワからアメリカへ。
それで爆弾がしかけられる会社がライアンが表向きで働いている会社だと知りみんな向かうんですが、ライアンの会社だと断定するまでみんなで色々調べていたシーン。ライアンは基本何でも出来ますね。一体何をどう調べればいいのか分かってみんなに指示出しているので情報がポンポン。でも会社を当てたのはキャシー。ライアンも自分の会社の外見を忘れているってどうよ。
それでその会社にみんなで向かって犯人を探すのですが、犯人は自分の車に警察車両と同じデザインを描いて侵入していたんですよ。ライアンだけが犯人の車がペンキが乾いていなくて汚れていることに気付き会社の同僚をバイクを奪って追いかけて行ったシーンもドキドキしました。ほら、ライアン足一度ダメにしてるから色々不安で…。
まぁ、この一騎打ちは見ごたえがあります!犯人を追っている最中に犯人の車とぶつかったりとか、取っ組み合いの時とか(お願いだからライアンの足狙わないで!)犯人を気絶させても爆弾のタイマーは作動しているし!爆弾を止められないからとにかくウォール街から離れようと車を運転するライアンに気がついた犯人が懲りずに反撃し出したり。
この車を運転しながら犯人と戦っているシーンは息が止まるかと思いましたよ。もう緊張感に殺されそうです。最後は犯人と車が爆発して無事事件解決なのでスッキリしますが。ライアンもこのシーンギリギリで車から降りるから焦りました。
計画が失敗に終わったチェレヴィンの表情が無表情っぽくて感情が読めない!常に眉間にしわが寄っているから怒っているように見えますが悔しさもありますよね。後少し気になるのが、爆発とともに死んだ息子に対しての感情。儲からなかった
から悔しいのか息子が死んで寂しいのか…。まぁ結構悪役なのでお金のことだけ考えてくれていたほうが好きかも。(私が)悪役はとことん悪役であってほしい派なので。
病院で休んでいたライアンのもとにキャシーが来てラブラブに終わったのは良かったと思います。
ここしか恋人っぽい雰囲気の場面無くないですか?映画最初のリハビリの場面は先生と患者だったし。ライアンにキスする時にキャシーが「こっちにキスして痛くない?こっち?」ってライアンに聞いているこが可愛かった。
あと、気になったシーンが2つありまして、ライアンが初めてチェレヴィンに乗り込んだ後でハーパーたちCIAと作戦会議し出した車での男性との会話。(ライアン)「…酒好き?」(男性)「はい。酒と既婚女性が大好きです。」この会話おい!いや、もしかしたらチェレヴィンのことを言っていたのかもしれませんがちょっとびっくりしました。
そして、ライアンとハーパーが爆弾を止めようとヘリに乗って行こうとした時の会話。(ハーパー)「飛行機はあれ以来だろ?」(ライアン)「あぁ、心配はいらない。」(ハーパー)「そんなものしたこと無い。」みたいな会話に少し嬉しかった。ハーパーはもうライアンを相棒としていますね。意外とこの二人の信頼関係は深いのかも、と考えたシーンでした。
面白い映画でしたが、もう一度見に行く集中力は無いです。感想でも書きましたが結構緊張感がある映画だったんですよ。2回見に行く元気は残っていません…。でももう一度見たいのでレンタル待ちます♪見て損はしない映画だと思います。