昔々あるところに、"パン屋の夫婦"が住んでいました。二人の大きな悩み、それは長年子どもが出来ない事です。ある日、二人のところに隣に住む魔女がやって来て言いました。
「昔、お前の父親は妊娠中の妻のため私の庭から野菜を盗み採った。その時、約束したのさ。子どもが産まれたら私がもらう、と。だからそのまま見逃してやった。その中に!私が大事にしている豆も入っていたとは知らずにね。その豆を採られた代償として私は老いた。それの仕返しに、お前の家系はもう子どもを授からない呪いをかけたのさ!」
魔女は必要なもの3日目の夜までに集めてくればその呪いを解いてやる、とパン屋の夫婦に試練を与えました。
1.ミルクのように白い牝牛。2.血のように赤いずきん。3.トウモロコシのように黄色い髪。4.黄金に光り輝く舞踏会の靴。その4つを森から持ち帰ること。
パン屋の夫婦はすぐに森へ探しに行きます。同じころ、目的は違うが同じように森へ入って行った者たち。"シンデレラ"、"赤ずきん"、"ジャック"。そして森の塔に閉じ込められている"ラプンツェル"。
ハッピーエンドのその先は、本当にいつまでもハッピー…?
……と、簡単にあらすじを説明しますとこんな感じです。
面白かったです!最初はあんまり興味が無くて「暇だから行く」って感覚で見に行きました。そしたら登場人物がいきなり歌いだしたので「えっ…」って。
歌うシーンは少しだけだと思っていたら殆ど歌だったので字幕を追うのに必死でした。ブロードウェイ・ミュージカル版を見たことが無かったからでしょう(^_^;)
面白かったんですが、ラスト30分(?)ぐらいがちょっと飽きる。グリム童話の怖い話の部分も少しあり、そのせいか展開が乱暴なところがあってびっくりですよ。
【ここから多少ネタバレが含まれる内容がありますのでご注意を!】
この話の主人公は、シンデレラ、赤ずきん、ジャックと豆の木のジャックとパン屋の夫婦なんだろうと一応(私)は判断しました。ラプンツェルと魔女はアクセントという事で。悪役がいない映画なので個人個人の物語を追う感じの映画(?)。それでも上手いこと全物語を繋がらせてあるので深くグリム童話が分からなくても楽しかったです。
主人公はたくさんいましたが、特に中心にいるのはパンやの夫婦だと思います。
パン屋の主人の父親が、昔魔女の畑の庭から妊娠中の奥さんのために野菜を泥棒してしまった事が物語のきっかけになっていますから。この辺の設定はラプンツェルの話です。
パン屋の主人は呪いを解くために森へ行くんですが、魔女に取られた子どもってこの主人の妹なんですよ。実の妹のことはいいのか?それか自分の父親のせいで二人の間に子どもが出来なくなったことの方が重要だったのか、気になったとことです。
最初はパン屋の主人が「俺の父親のせいでかかった呪いだから俺が解く!」とか言って奥さんの手伝いを拒んで喧嘩になっていたんですが、後々いつの間にか奥さんと一緒に呪いを解こうと必死になっていた事には安心しました。あんなに喧嘩していたら呪いが解けても子どもが出来るのか心配でしたので。奥さんも旦那さんに「森は危ないから君は帰れ!」と散々言われていたのに一人で頑張って必要なものを集めている姿にやっぱり女性って強いんだなぁ、と。運もありましたが。
赤ずきんは、狼が変質者にしか見えなくて笑ってしまった♪
狼が赤ずきんのおばあちゃんの家に先回りするために、赤ずきんの興味をあの手この手でおばあちゃんの家から逸らしているシーンが、歌のせいかナンパしているようにも見えました。
それと、赤ずきんがいいキャラしてる。赤ずきんがおばあちゃんに会いに行く、と歌っている歌詞に「もしかしたらもう死んじゃっているかも」とか、自分の赤いずきんをパン屋の主人にあげた時に「狼の皮でおばあちゃんに作ってもらう」とか!何気に狼の皮で出来たずきんが似合っています。
シンデレラの物語はやっぱりちょっと怖い。
王子が靴を頼りにシンデレラを探しているシーンは怖いグリム童話のでした。友達でグリム童話に詳しい子がいるので、そういうパターンの話もある、ってのは聞いていたんですが、それがくるとは思わなかった!
舞踏会が3日も行われシンデレラが3日とも逃げ出すのにはびっくりです。3日目にも逃げ出した時は、王子も考えろよ。とかもう飽きれて見ていたら、お城の階段に接着剤とか!なんだその捕獲方法。シンデレラは接着剤なんか気にせず力技で張り付いた靴を剥がして逃げようとしたんですが、わざと片方の靴を階段に置いて逃げたシーンは、シンデレラってやっぱり策士のような気がしました。
てか、王子二人が歌ったシーンは笑える♪シンデレラの王子とラプンツェルの王子が兄弟の設定で、似た者というか仲の良い兄弟だなぁ、と。「Agony」って歌。このシーンおすすめです!
ジャックが一番知っている物語と大差なかった。
隣町に売りに出すための牛をパン屋の夫婦に売ったんですよ。魔法の豆は、パン屋の主人の父親のコートのポケットに入ったままだったので、その豆と牛を交換。主人の父親は妻に豆をあげなかったのに何で魔女の畑から豆を採ったのか不思議です。
ジャック役の子が歌が上手いなぁ、と思っていたら「レ・ミゼラブル」に出ていた子でびっくりしました。そりゃあ上手い。
自分の理想が幸せだというわけじゃない、とみんなが気付き個人個人が納得いく人生を送ることを決めたんだろうシーンはしんみりしてます。
最後のシーン。パン屋の主人の奥さんと魔女が主で歌っていたのかな?「聞きなさい。と注意する前に、子どもはもう聞いている。言葉には気をつけて、子どもはいつも聞いている。」って歌の中で歌っていたのが印象的でした。「おとぎ話には気をつけて、魔法がかかっているから。」って言葉にも夢がある。
最初にラスト30分ぐらいが飽きた理由は、おそらく色んな事が起こりすぎて頭が追いついて来なかったからだろうと思います。4つも物語が出てきて、全部の物語をちゃんと明確に分かっているわけじゃなかったからでしょうか?ちょっと忙しかったです。
でも、見て損は無い映画だと思いますよ!魔女がラプンツェルに向けて歌っていた歌とかも印象的でした。
親子で見に行っても良い映画です!