1933年。サンフランシスコの遊園地のとある展示室。一人の少年が頭に鴉を乗せた人形の前に立っていた。人形に違和感を感じ眺める少年の様子に、人形のふりをしていた人間はあるお話しを語りだした―。
60年ほど前、1869年。若くして検事となった"ジョン・リード"は故郷に戻るためテキサスを走る列車に乗っていた。ジョンが乗っている車両は楽しく和やかな雰囲気のある車両だったが、別車両には鎖で繋がれた囚人ふたりの姿。一人は絞首刑となる無法者"ブッチ・キャヴェンディッシュ"。もう一人はコマンチ族の男で悪霊ハンターである"トント"。トントは昔キャヴェンディッシュにされたことへの復讐を果すため囚人となりわざと捕まっていたのだ。しかし、キャヴェンディッシュは助けに来た部下の力を借りて列車から脱出しようとしていた。列車がジャックされたと一足早く気付いたジョンはキャヴェンディッシュの一味の後を追い囚人車両へと向う。だが、ただの検事が無法者集団に敵うはずも無くジョンはあっさりとトントと同様鎖に繋がれていまう。
九死に一生を得てなんとか故郷の「コルビー」に戻ったジョンは、列車で力を合わせて乗客を助けたトントを囚人だからと言う理由で心苦しいが牢にいれ、逃走したキャヴェンディッシュを捕まえるため兄の"ダン・リード"が率いる「テキサス・レンジャー」の仲間と一緒にキャヴェンディッシュとその一味の追撃に向かった。
しかし、レンジャーの仲間の一人が裏切りダンたちはキャヴェンディッシュ一味に殺されてしまう。ジョンも敵の銃弾に倒れ最後に見た景色は、まだ生きているダンの心臓を抉り出しそれを食べているキャヴェンディッシュの姿だった…。
牢を抜け出したトントは復讐を果すため横たわっているレンジャーの中から不思議な力を持つ白馬"シルバー"に自分のパートナーを選ばせる。シルバーはジョンを選びトントは自ら持っている聖なる力でジョンを甦らせた。
兄のダンを殺したキャヴェンディッシュを見つけるためトントと手を組んだジョン。トントはキャヴェンディッシュら一味に死んだと思われているジョンにダンが着ていた革のベストで作ったマスクを渡す。そのマスクに空いている穴はダンの命を奪った銃弾の跡。
ジョンは兄の形見のマスクを付け、孤高のレンジャー「ローン・レンジャー」となりトントと共にキャヴェンディッシュの追撃に向かった―。
……と、簡単にあらすじを説明しますとこんな感じです。
面白かったです!なんかコメディ映画みたいでした。パイレーツ・オブ・カリビアンのような雰囲気がありました。さすがスタッフ!ジョンが出て来たら取り合えず笑えます(笑)トントのあの独特の雰囲気は凄いです。シリアス系に見えるのに行動はギャグでスッゴく謎。でも私的に一番素敵だったのはレッドお姉さまです!
【ここからネタバレが含まれる内容がありますのでご注意を!】
ジョン(=ローン・レンジャー)。必死に頑張って生きている姿がバカっぽく見えてしまう人。説明が悪口みたいになりましたが真っ直ぐで良い人です!
最初に出て来た時トントと一緒に「銀行強盗だーーーーー!」って思いっきり悪い事していたシーンからだったので「えぇ…!」です。終盤で強盗した理由が分かったので強盗していいんですが、いきなりかよ!ってびっくりします。
都会で法律を勉強し検事になって故郷に戻って来ただけあり正義感が溢れている。そして頑固。止めた列車から降りた一応囚人であるトントを捕まえようと必死です。「どんな小さなことでも悪い事は悪い事だ!」みたいな。トントの罪はキャヴェンディッシュら一味が暴走させた列車から乗客を助けた事で償えられる程度のものだと思うよ。ジョンを無視して歩き出すトントを捕まえようとトントの片足に抱き付き引きずられながらなんか法律喋っていたシーンは笑えました。苛々しない程度にうっとうしい感じ。
そして、兄の妻に長年恋しているというディープな設定のわりにはドロドロした感じが全くしない。諦めている感が強いからでしょうか?映画の途中でもトントとそんな会話していましたし、(トント)「彼女に一生未亡人でいろと?」(ジョン)「そうだ!…いや、違う!…でも、ダメなんだ!」恋愛に関しての会話が軽いです。でも最終的に良い形で兄の妻と分かち合えたからよかったんじゃないのかな?
初めにキャヴェンディッシュの追撃に向かった時、追撃失敗で一人だけ瀕死状態になった時はやっぱり主人公は死んじゃダメでしょ。って思っていたんですが、トント…!テキサス・レンジャーたちの死体を並べて死体の確認をしている時。ジョンの持ち物を触ろうとしてらジョンがトントの手を掴んだんですよ。やっぱり生きていたか。とか思っていたのにトント…!びっくりしたのか近くに置いてあった石でジョンを殴り倒します。それで死んだのか気絶したのか分かりませんが倒れたジョンに一安心とか…。
トントとシルバーに甦らせてもらってキャヴェンディッシュを追い、"レッド・ハリントン"のお店に行ったシーンは「おいっ!」って思いましたよ。二人の見た目があまりにも悪目立ちしたため歓楽街の人たちが二人を捕まえようとレッドの店に来るんですが、レッドが二人を裏口から逃がして話術で時間稼ぎしようと思っていたのに、キャヴェンディッシュに関する内容を話している時にレッドが「飼っていた猫がいなくなった。」と言う小さく触れた会話を覚えていたジョンが逃げている最中に猫を見つけたため「猫いたよ!♪」って猫を捕まえてレッドのもとに戻って来た場面でです。戻って来るなーーー!?猫を連れて戻って来たジョンを見て呆れた表情を見せたレッドに同感でした。「もう、…こいつバカだ。」みたいな。
あと笑えたシーンは、一回ジョンが敵に捕まった時ですね。キャヴェンディッシュを捕まえてダンの上司(?)で今は鉄道王である"レイサム・コール"に連行したらコールが敵のボスだったため殺されそうになったシーン。間一髪でトントが助けに来てくれてよかったです。目隠しさせられて銃殺されそうになったジョンですがトントがジョンと銃を構えた兵隊の間に列車を走らせてとりあえず銃弾を防ぎます。その後でトロッコに乗ったトントがジョンが乗っている足場をトロッコで押しながらその場から退場。コールも鉄道に情熱を燃やしているのならジョンを線路の上で殺そうとしなければよかったのに。邪魔者と言うか敵の血が愛する線路にかかってもいいのか?なんで笑えたかと言うと、トントがジョンをトロッコで助けているシーンは、銃弾と矢が飛び散らかっている状況なんです。コール率いる鉄道警備隊とトントと同じコマンチ族の人たちが争っていたので。(ジョン)「おい!どうなっている!?」(トント)「気にするな。そのまま突っ立っていろ。」みたいな会話しながらトロッコ動かすトントもおかしかったけど、頭に?いっぱい付けながらトントに言われた通り動かないジョンが面白かったです。そしてその場は上手いこと潜り抜け、線路わきに開いていた洞窟の中で一安心していると、キャヴェンディッシュがその中にドラム缶(ガソリン?)と火を投げ込んだので「わーーーー!?」って感じで洞窟を走り抜け間一髪で爆発から助かったシーン。ごちゃごちゃしている感が好きです。
テンションがあがった最終決戦!BGMが楽しくて楽しくて♪列車の中シルバーに乗って走り回るシーンとか結構お気に入りです!シルバーが凄い!このシーンは何度見ても飽きなさそう。
そして、ジョン・リードではなくローン・レンジャーとして生きると決め町を出て行った場面はかっこよかったです。最後にシルバーに乗って(ジョン)「ハイヨー!シルバー!」って言っていたところはキマっていました♪…トントには怒られていたけどね。
トント。意味不明な行動がツボに入って面白かったり、いきなりシリアスになったり忙しいキャラです。薄情に見えて意外と優しいところもあって不思議な人でした。
ジョンと初めて会ったシーンで暴走させられた列車を止めてキャヴェンディッシュを追おうとした時、片足に張り付いたジョンをなんとか外そうとしながら歩いている場面はやっぱり笑えます。絶対心で面倒な奴、って思ってます。
テキサス・レンジャーが死んだシーンも、本当はダンを生き返らせたかったのに何度言ってもシルバーがジョンを選ぶからガッカリしている感じも好きです。こいつかよ…。みたいな感じ(笑)ジョンを生き返らせるために何処かに移動したいる時もジョンの扱いはかなり雑。トントはシルバーに乗って、ジョンは足をロープで繋いでシルバーに引きずらせるとか!この時はそんなにジョンが嫌いか!
レッドの店では一人だけやっぱり浮いていました。悪目立ちもいいところです。レッドがジョンに渡したワイン(?)を横取りしてジョンが「おいっ!」ってなっても(トント)「相手の飲み物を飲むことはコマンチ族の尊敬の証だ。」っとサラッと嘘を返せるところが可笑しかったです。ジョンも信じるから。
トントがキャヴェンディッシュにある復讐は、トントが子どもの頃、村にやって来た二人の白人に懐中時計と引き換えに村に隠されている銀の在り処を教え、銀を奪うため村人全員が口封じのため殺された。その白人の一人がキャヴェンディッシュだったみたいです。
ここで思ったんですが、トントに不思議な力って本当は無いんじゃないのか?…です。コマンチ族が不思議な力があるって説明は無かったし、トントの顔のメイクも自分で普通に塗っていたし、なんて言うか…、魔力を得た。みたいな説明が無いんですよ。不思議な能力があるのってシルバーだけなんじゃ?でも、一応トントもジョンを生き返らせる時に魔術っぽいことしていましたが、民族のお祈りって言ってしまえばそうですし…。不思議な能力があるか無いかは結局分かりませんがとりあえず十分人間っぽいキャラだってことは分かりました。
最終決戦は暴れましたね。ジョンより働いたんじゃないでしょうか?ありえない行動ばかりでしたが。ジョンの兄と妻に息子がいるんですがその子が投げた果物(ぶどう?木苺?)を上手く口でキャッチしていたシーンはクスッときました。
なんかあれです。ツッコミ所満載なキャラなのにジョンが以外とバカっぽいから段々普通に見えて来ます。最初に見た時はインパクト大ですけれど。最後にもう一つ、ジョンが「ハイヨー!シルバー!」ってやった時なんで怒ったの?
キャヴェンディッシュ。名前長いよ!感想書いている時何度キーを打ち間違えたことか!映画観ている時も名前が聞き取れないわ字幕追えないわで勝手に「キャヴィン」って思っていました。調べてようやく分かりましたが…。
はっきり言って、格好良かったです。かっこいい悪役でした。イケメンとかそんなんじゃなくて(不細工ってわけじゃないですよ)とことん悪い感じが格好良かったんです。一応普通の人間でした。ジョンが兄の心臓をキャヴェンディッシュが食べているようなシーンを目撃してトントが悪霊、悪霊って言っていたんで悪魔かと思ったんですが人間です。
部下も色々キャラが濃かったけどそれに負けず目を引くキャラでした。あと、足が長い!ジョンたちを裏切った元テキサス・レンジャーの仲間にダンの妻と息子を殺すように銃を渡すシーンがあるんです。そこでキャヴェンディッシュが片膝付いて銃を取り出すんですが、動作がかっこよかったのかなんか「(足)長っ!」って思ったんです。
敵役で一番好きなキャラでした。
レッド。お姉さま素敵すぎる!あの派手な衣装を着こなし色っぽくてかっこよかった!
ジョンたちがお店にやって来たシーンは仕込み銃お披露目です!ある酔っ払いの男が従業員の女性に絡んでいるのを見て、男が座っていた椅子のあしを自身の義足に仕込んでいる銃で打ち抜き(レッド)「ただノリは厳禁だよ!」って叫んだ場面が良かった。足の付け根付近のガーターを引っ張ると発砲するみたいなのでドレスをギリギリまで上げるのがセクシーです。
最終決戦でも店の女性たちを引き連れて登場してくれました。鉄道員の顔役を誘って義足を上手く目標に焦点を合わせ発砲。決戦場を上手く混乱させ引き連れて来た女性たちと共に颯爽と去って行く姿にしびれます!
すっごく気軽に見られる映画でした。結構クスっとくるシーンが多くて最後まで楽しめる映画です。
そして、感想にかなり手間取って自分でもびっくりしています…。キャラの説明をちょいちょい書こうか書かないかで迷いました。ジョンがさぁ、感想を考えていたら考えただけ深いキャラに思えてきたんですよ。この、始めに持っていた自分の正義と最後に決めた正義の違いとか。そういう所とか笑えるシーンの説明を書いているとバカみたいにジョンの感想が長くなったんです!しかも読みにくくなって自分でも理解し難くなったんで短く削ってもやっぱり長い。
私らしくなく意外と考えていました。
それだけ面白かったってことですよ!…言い訳かも(^_^;)