2028年。アメリカ・デトロイトで家族と暮らす真面目な警察官"アレックス・マーフィー"は、敵の爆破攻撃により頭部、心臓、肺、右手を残し全身に重症を負うことになる。
マーフィーは巨大企業「オムニコープ」社の最先端技術により機械に改造された人間警官「ロボコップ」として一命を取り戻した。変わり果てた自分の姿に絶望し、死を望むほどだったマーフィーだが妻や息子と再び生活することを希望に生きることを決意する。
驚異的な能力を身に着けたマーフィー。しかし、事態はそんな単純なものでは無くマーフィーは知らぬ間にオムニコープ社の「商品」として利用され始める。ついに感情さえもほぼ機械化とされたマーフィーだが微かに残っていた家族を思う人としての感情が働き、自分をこんな姿にした武器密輸組織のボス"バロン"を探しに動き出す。そして、バロンを探し出し突き付けられた現実は―。
……と、簡単にあらすじを説明しますとこんな感じです。
アクション映画としてはちょっとアクションが足りない(T_T)、ような気がしました。でも人間だロボットだ、と騒ぐキャラ達のそれぞれの考え方や感じ方は見ていて面白い。
身体がほとんど機械になって残った人間の部分だけが映ったシーンは少しグロかった。肺とかビビる。
オリジナル版を見たこと無いので今度借りて来ようと思いました。
【ここからネタバレが含まれる内容がありますのでご注意を!】
アレックス・マーフィー(ロボコップ)
熱心に追っていた武器密輸組織に目を付けられ殺されかけた刑事。ほぼ全身が機械化するほどの重症を負ったにも関わらず顔は守られたもよう。(←ここ気になりました。)愛する妻("クララ")と息子がいるごく普通の警察官。
まず、武器密輸組織のバロンを逮捕したいがために暴走しちゃったのがマズかった。敵に勘づかれるから応援は呼べない、って危険な組織に相棒("ジャック")と二人だけで乗り込むとか。これでジャックが撃たれ負傷。病院で寝ているジャックのお見舞いに行った時、「…本当は起きているんだろ?」って話すマーフィーに反応していたジャックがおかしかった。寝たふりか!この時にマーフィーの車にバロン(の部下)が爆弾を仕掛けます。
そして、爆弾にやられロボコップになったマーフィーの周りが(奥さんと息子は別で)随分酷い。
マーフィーが重症を負った時、オムニコープ社の社長"レイモンド・セラーズ"は「アメリカの犯罪対策に自社のロボット兵器」が採用されたいがために「機械と人間の合体」を求めて実験体を探していたんですよね。そこに身体がほとんどダメになって死にそうなマーフィーが来たから「ラッキー♪」って感じです。
ロボコップになって色々テストを受けていた時。この時点でマーフィーは脳を弄られちょっと機械寄りの思考になっています。
オムニコープ社でロボット兵士を作っている"マドックス"と直接対決したシーン。マドックス率いるロボット軍団とマーフィーが対決したのですが、ここの挿入歌がすごく気になりました。身体が機械でも痛みはある、って説明を受けた後に、(マーフィー)「痛みならもう乗り越えた。」ってかっこよく試合が始まったのに音楽がなんか浮いている気が…。戦闘シーンはかっこよかったのですがね。
そして、思考まで機械化されたマーフィーの前に妻のクララが「家に戻って来て!」と語る内容の中に息子の様子が変わった、というのがあったんです。それがマーフィーの中に微かに残っていた人の心に反応。機械化した思考のままだと後回しにされる自分の事件を勝手に捜査し始めたのです。まず初めにバロンの居場所を探すのですが街を検索してもヒット無し。変わりに昔(ロボになる前)に見つけたバロンの手下を検索して捕まえます。この手下からバロンの情報を聞き出す時の会話で、(手下)「頼む!見逃してくれ!居場所を言えば妻と子どもの命が…!」(マーフィー)「お前は妻へのDVが原因で離婚していて子どもはいない。」(←これに笑いました。)ほぼ全身コンピュータだから調べれば一発なんですね。
それで、バロンの隠れ家に乗り込んで行ったのですが、バロンとその手下が意外と呆気なく負けます。マーフィーの身体が50口径の銃には耐えられないのをバロンたちは汚職警官(二人)から聞いていたのですが、50口径に耐えるんですよ。あと、頭を狙え、ってバロンが言っているのに頭に銃弾が当たらない。バロンも結構簡単に殺しました。
バロンの隠れ家にあった銃に汚職警官の指紋が付いていたのを証拠に警官たちにも報復。その警官たちから銃の横流しを手伝った人物を聞いたら、まさかのマーフィーの上司。上司を撃ちそうになったところで、セラーズにこっそりとマーフィーの監視を頼まれていたマドックスがマーフィーの電源をOFF。
セラーズたちは思考を持ち出したマーフィーを面倒だと思い始め「死ねば永遠のヒーローとして国民の記憶に残る」みたいな感じで世間にマーフィーが重症だとマスコミに発表。電源がOFFの間に殺してしまおうと部下を送ります。ここはマーフィーの主治医である"ノートン博士"がマーフィーの電源をONにして何とか回避。
ノートン博士がマーフィーの電源を入れた時に発信機(?)もマーフィーから取ったので、セラーズは消えたマーフィーの信号を死亡と誤認。マーフィーの妻子を会社に呼びマーフィーが死んだと伝えます。
その頃マーフィーはセラーズのもとへ。しかしマーフィーが本当に死んだのか確認させるためだったのかマーフィーの所に行く途中だったマドックスとすれ違い、マーフィーに気付いたマドックスがセラーズに連絡、連絡を受けたセラーズはマーフィーたち家族を会わせるわけにはいかない、と妻子を上手く屋上のヘリポートに連れ出し社内には自社の戦闘ロボを配備。
戦闘ロボが社内にいようが躊躇無く飛び込んで行くマーフィー。この戦闘ロボとの戦いは相棒のジャックとその仲間の助けもありクリアしましたが、なんか争わず戦闘ロボを止めた人間とロボットの差をちょっと見せられたか?戦闘ロボは「武器を持たない人間には攻撃してはいけない」とプログラムされているからなんでしょうが。
戦闘ロボとの対決で左腕を失いながらもセラーズのいる屋上を目指すマーフィーの前にマドックス。さっきマーフィーとすれ違い、戻ってきて戦闘服着て準備する暇がどこに…。戦うと思ったらマドックスが「ロボットが攻撃してはいけないマーク」を戦闘服に付けて来ていたので面白くない。そのマークのせいでマーフィーはマドックスを撃とうとすると強制的に身体が拒否するようになっているんですよ。マドックスはただ逃げるマーフィーを面白がって撃ちまくるし。ここは後から追って来たジャックが納めてくれました。またジャックが撃たれたけれどマーフィーがちゃんと見た結果大丈夫だったらしい。
まぁ最終的にはセラーズを撃ち、ノートン博士の御かげで家族の元へ戻れて終わりなのですが。セラーズもマドックスと同じ「ロボットが~」のマークしていたのがやっぱり残念。ここでセラーズにマークを使わすならマドックスとはちゃんと戦ってほしかったです。なんせ社内でのアクションシーンが少ない!戦闘ロボとしか派手に戦っていないから。
新たに家族の前に登場した時の姿がオムニコープ社の時の黒いボディじゃなくて初めてロボコップになった時のシルバーのボディになっていたのになんかホッとしました。
ノートン博士
機械の人体を作る専門医(?)。「私はロボット兵は作らない!」とか言っていたのに研究のためのスペースと費用の負担とかで簡単に「機械と人間の合体」に手を貸した酷いのか違うのかよく分からない。でも最後はノートン博士の御かげでマーフィーは助かっているのでやっぱり良い人なんでしょう。
初めの方とかセラーズの要求に答えるシーンが満載で、そこまでして研究スペースと費用が欲しいか!と思うほどですよ。人間が人を殺す時に躊躇するのに対し機械は迷わないからマーフィーも迷わなくしろ。とか、大量の犯罪データを頭に入れられたマーフィーが情報量に耐えられなくてショートした時も「この後、マスコミにマーフィーを発表するのだからさっさと直せ。」とか、発表のは間接的な要求でしたが。それでマーフィーの思考をギリギリまで下げてほぼ機械化にしたりとか結構マーフィーを機械化に追い詰めています。
最終的にセラーズに付いて行けなくてセラーズから離れるのですが、「機械と人間の合体」には諦めていないような気が…。次は100%良心で研究して行くんだろうけれど。
やっぱりアクションシーンが少ないのがちょっと気になりました。まぁ少なくても派手ではあります。
どちらかと言うと、それぞれのキャラクターの心理を中心に出来ている映画です。私はマーフィーの心理より妻のクララの心理の方が分かりやすかったです。セラーズは自己利益の事しか考えていなかったと思います。ノートン博士のは理解するのにちょっと難しい。でもノートン博士を演じたゲイリー・オールドマンさんは良い役者さんだと思います。
あと、マドックスを演じた役者さんが「ウォッチメン」のロールシャッハだったのに、あっ!ってなりましたよ。