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日々の気になるニュース。ただし某NGOのお仕事が忙しい時はしばらく更新されないことも…。

民兵(武装勢力)の影響下にあるイラク市民の生活 (BBC)

2006-12-26 19:58:20 | 中東関連
■ オマル・アリ・モハメド (18歳 バグダッド)
僕の姓はアリで、これはシーアの苗字だ。でも僕の名前はオマルで伝統的なスンニの名前だ。僕はシーア派なんだけど、母は、僕がこの名前からシーア・スンニ両方の宗派の伝統を反映するという考えが気に入っているんだ。でも、この名前は、シーアにもスンニにも気に入らないようで、名前のせいで僕は危うく死にそうな目に遭ったんだ。
試験期間中、僕はスンニ地区からシーア地区へと移動しなければならなかったんだけど、たいていその境界にそれぞれの派に属する民兵がいるんだ。
僕がシーア地区に入ろうとした時、武装した民兵が僕を停止させた。彼は僕にIDカードを見せるよう言い、僕の名前を見ると僕がシーアなのか、スンニなのか尋ねたんだ。
僕は彼らに、自分はシーアだけど、母親はシーアとスンニがより近くなれるよう僕をオマルと呼んでいることを話したんだ。そうしたら彼らは、僕がウソを言っていると思って、僕をひどく殴ったり蹴ったりしたんだ。そして次に僕を見かけたら殺すとまで言ったんだ。同じような目にはスンニ地区でも遭ったよ。

■ ハリド (29歳 バグダッド)
僕はサドル・シティに近接するタルビヤというシーア地区に住んでいる。近所は今のところシーア派で最も強力な民兵集団のマハディ軍の支配下にある。
マハディ軍は、フセイン政権崩壊後、政府は自分たちを守ってはくれないと思った一般の市民から成り立っている。彼らは僕たちに治安を提供してくれているので、次第に必要不可欠になりつつあるんだ。

■ モハンマド 警察官 バグダッド
民兵の役割りは、警察と戦闘を繰り広げることばかりではない。たとえば、交通警察の手伝いをしたり、泥棒などの侵入者からの警備もしている。商売人たちはバグダッドで一番大きな市場の一つジャミラ・マーケットに商品を運んでいくことを以前はとても恐れていた。でも今は武装集団のおかげでジャミラには泥棒はいなくなった。私は彼らを無法者とは呼べないね。だって、法律自体が無いに等しいのだからね。彼らは、法も無く混沌とした今のイラクにあっては、お墨付きをもらった存在といってもいいんじゃないのかな。

■ アブ・ムスタファ 医師の助手

私は20年間、このシーア派が主流を占める地域に住んでいます。
私はスンニ派ですが、この国で宗派間対立が激化してからも、酷い目に遭ったことはありません。私が住んでいる地域の人々は、昼でも夜でも私に医療上の助けを求めてやってきます。
しかしながら、私は民兵組織の存在は問題だと思っています。スンニ派の民兵組織によって私が住んでいる地域のシーア派民兵が怒らせられたら、私は攻撃を受けるかもしれないと思っています。
ある日私は、自宅のドアに私に出て行くよう脅すメッセージが貼られているのを見つけました。私はその紙をはがしてすぐに地元の民兵組織の事務所に行きました。民兵たちは、それが彼らの仕業ではないと言い、何か厄介なことがおきた時には彼らに電話するよう言ってくれました。彼らは、私のことをよく知っているということ、私が人々を助けているということ、私が宗派的行動をとったとことが無いことなど保障すると言いました。
でも私は、民兵組織が治安をコントロールしている状況は幸福とも快適とも思えません。兵力を持っていいのは政府警察と政府軍だけです。さもないと混沌に陥るだけです。でも今のところ、政府はいまだに弱いままなので、民兵組織が地域の治安維持を受け持っているのです。(BBCのサイトから)


無力な政府の代わりに民兵に頼らざるを得ない状況が悲しい。イラク戦争を引き起こしたブッシュやブレア、そしてそれを容認した小泉の責任はあまりにも大きい。

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