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趣味人Tの伝言

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スラブ軌道-4

2017-01-29 04:06:43 | gallery:省力化軌道

その4では実用化に至るまでに開発されたスラブ軌道の試験線を紹介します。

まずコンクリート路盤向けのM型、A型、L型の3種類が検討され、それぞれ試作・試験を実施しました。

現存する最も古いスラブ軌道は紀勢本線の有田川橋梁下り線に敷設されているM-131/141形です。

このスラブ軌道は1967年(昭和42年)7月に敷設されました。

高架橋で良く見かけるA型と比べるとかなり複雑なつくりをしているように見られます。

M型はレールを締結した軌道スラブをビームとして受台で支持した構造です。(開床式)

軌道スラブの間にはレール方向の移動を抑制する突起が設けられ、突起の側面と下部の受台の間には緩衝用マットが敷かれています。このためマット調節形などとも呼ばれます。

またレールの締結方式は直21型(座面式)のためスラブには溝が掘られています。

M-131形は軌道スラブ長が3mで締結装置は片側6ヵ所、M-141形は4mで片側8ヵ所です。

 

元々省力化が開発コンセプトのスラブ軌道は新規開業区間に採用することで大きな費用対効果を得られますが、東海道新幹線の建設当時はまだ開発途上であったため本格的な採用は見送られました。

しかし東海道新幹線にも試験線として敷設されたスラブ軌道が僅かながら存在します。

名古屋駅14番線の新大阪方にはM-31形スラブ軌道が1967年(昭和42年)7月に敷設されています。

意外と知られていませんが新幹線の営業線の中では最も古いスラブ軌道になります。

M-131/141形とは異なり4つの突起を立てた受台で軌道スラブの前後左右移動を抑制しています。

M型の隣はコンクリート短マクラギ形の直結軌道となり、その先にまた違う軌道が現れました。

この一見するとラダー状の枠型スラブ軌道に見える軌道はA-50形です。(全面支持)

A形は軌道スラブと路盤の間にCAモルタル(セメントアスファルトモルタル)を挟むことで弾性を有しています。A-50形は軌道スラブの枠内に流し込んだCAモルタルの凸部によってレール方向の力を受けるため、突起コンクリートはありません。また、軌道スラブの両脇にある四角錘の存在も気になるところです。

 

岐阜羽島駅の下り通過線にも試験線があります。こちらは4ヵ月遅れの1967年11月に敷設。

このスラブ軌道では200km/h 以上の高速走行に対する安全性と耐久性が検証されました。

こちらもM-31形と称されていますが、名古屋とは支持構造が異なり、1つの突起で保持しています。どちらかというと有田川橋梁のM-131/141形をベースにした形状ですね。

突起の両脇にある竹とんぼみたいな金具は軌道スラブを上下方向に拘束する板バネです。

M型を筆頭とする初期のスラブ軌道は締結装置をスラブの溝に収めたレール座面式が特徴的です。

米原方にはA-50形スラブ軌道も敷設されていました。それぞれ25mずつ敷設されています。

名古屋のように直結軌道を挟んでいないのでM型とA型の接続部を観察できます。M型の軌道スラブは梁としての強度を持たせるため厚みがあります。M型は軌道構造としての性能は十分あるものの、受け台の支承構造が複雑で経費が高くつくことや使用箇所の制限があるといった欠点がありました。

2番線から名古屋方面を望む

この前下り列車で岐阜羽島を通過する際、一瞬だけ走行音が大きくなることに気が付きました。

気になる方は耳を傾けてみてください。

→岐阜羽島のスラブ軌道は脱線防止ガード設置に伴い2020年頃に撤去されました。

 

総武快速線の中川放水路橋梁にはL型スラブ軌道の試験線があります。

敷設されているのは写真右側の上り線で、左の下り線はA-151型が敷設されています。

L型スラブ軌道はレール直下を帯状のCAモルタルで支持するロングチューブ式(※後述のロングチューブ施工法とは違います)で、後に登場する枠型スラブ軌道のベースとなった施工方式です。試験線は昭和44年敷設とのことですが、橋梁自体は昭和32年に竣工しているので後天的な改造と思われます。

軌道スラブ自体はラダー状で名古屋や岐阜羽島のA-50形とよく似ていますが、レール直下のCAモルタルだけでは摩擦力が足りないため矩形の突起が設置されています。

下の拡大写真を見ると、軌道スラブはレール直下を除いて浮いていることが分かります。

このL型は敷設の際に下部構造に線状の支持台を設ける必要があり、この支持台を精度よく生産することが難しいと考えられました。その後、CAモルタルの開発が進み価格も下がったことから、軌道スラブ全面をCAモルタルで支えるA型が標準構造として採用されていきます。

また、帯状のてん充方法についても型枠による施工ではなく不織布にCAモルタルをてん充するロングチューブ施工法が確立されたことから、枠型スラブ軌道で本格的に採用されていきました。

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2018/5/28 加筆修正

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スラブ軌道-3

2016-08-07 22:37:09 | gallery:省力化軌道

前回は在来線と私鉄のスラブ軌道分岐器を紹介しました。今回は新幹線に的を絞りたいと思います。

スラブ軌道は新幹線の殆どの路線で採用されていますが、スラブ軌道分岐器は今のところ東北新幹線と上越新幹線でしか見ることができません。

初めて敷設されたのは山陽新幹線の新倉敷駅構内になりますが、この分岐器は直線側の高速走行試験の後に撤去されています。

 

※カッコ内の数字は分岐器の数ではなく、場所と種類を区別するための便宜上のものです。

(0) 小山駅構内

新倉敷駅の試験敷設の結果を踏まえ、東北新幹線の前身である小山試験線に片開き分岐器が1台設置されました。この分岐器は今も現役で使用されています。

軌道スラブは37枚で構成されており、特にノーズ可動部の軌道スラブは独特な櫛形をしています。

トングレール部は電気温風式融雪器が設置されており、耐寒耐雪仕様であることが見て取れます。

 

(1)東京新幹線車両センター分岐点

西唐津や尼崎センタープール前と同じ構造ですね。左右の突起で軌道スラブを挟み込む形態です。

本線の勾配区間の途中から分岐していて、上りと下りで各1台ずつ設置されております。

 

(2)盛岡駅構内(いわて沼宮内方)

岩手沼宮内方は片開き分岐器は突起無しでした。湖西線の近江舞子や大津京と同じタイプですね

 

(3)盛岡駅構内(新花巻方)

新花巻方の両渡り線に変な形の軌道スラブを見つけました。

桁の継ぎ目とスラブの継ぎ目を合わせるため、専用の形状に成型して設置されています。

 

(4)北上駅構内

仙台方の分岐器が全てスラブ軌道でした。突起無しで片開き3台と片渡り線が1つです。

盛岡方の分岐器が全てバラスト軌道なのは、高架の直下に住宅が多いためではないかと思います。

全て突起がないことから(2)盛岡(岩手沼宮内方)と同じタイプです。

 

(5)仙台駅構内(古川方)

電気温風式融雪器がメカメカしくて美しい。トングレール部に突起がありませんので、(2)と同じ構造の分岐器かと思いきや、リード部は(1)と同じ両側突起支持です。しかし突起の形状が丸ではなくカマボコ形です。

(1)はトングレール部まで突起がある軌道スラブですので、(5)は折衷版といった感じでしょうか。

 

(6)仙台駅構内(白石蔵王方)

高架の目地に合わせた多角形の軌道スラブを発見しました。桁の継ぎ目も線路と直角になるとは限りませんので、こればかりは現地に合わせた専用形状を用意する必要があります。

 

(7)大宮駅構内

ダブルクロスオーバーは多数の軌道スラブで構成されており。特にリード部からクロッシングにかけては2線分に跨る細長い軌道スラブが特徴的です。締結具の数が2個~4個まで色々あります。

 

(8)上毛高原駅構内(越後湯沢方)

上毛高原は保線基地内を除く全ての分岐器がすべてスラブ軌道です。

上の写真の手前の分岐器は保線基地へ繋がる分岐なので、固定式のノーズです。

トングレールをアップで。在来線の分岐器に慣れているとトングレールの長さに驚きますね。

本線の分岐器は直接加熱式電気融雪器のため(4)の温風式電気融雪器と比べるとスマートです。

ノーズ可動クロッシングポイントは専用の電気転轍機で駆動していました。

余談ですが保線基地のポイントは熱風発生機という装置があったため温風式と思われます。

 

(9)上毛高原(高崎方)

1つ奥の跨線橋からシングルクロスを観察。上毛高原のスラブ分岐は全て突起無しのようです。

 

(10)越後湯沢駅構内

新潟方のダブルクロス2台がスラブ分岐器でした。形状は大宮と同じに見えます。周辺は住宅や商店が多いですが、通過列車はこのシーサスを走行しませんので騒音については重視しなくて済んだのでしょう。

 

(11)本庄早稲田駅構内(高崎方)

2004年に開業した本庄早稲田は高架橋に対面式ホームを外付けするような形で建設されました。

トングレール付近は(1)と同じく短尺の軌道スラブを突起で支持していますが、その先に注目

リードレール部は大きな一枚の軌道スラブを前後左右の4方向から円形突起で保持しています。

この大型スラブは中央部と外側で色が違いますね。実は本庄早稲田駅を設置する際、元々の軌道がスラブ軌道であったことから転轍機周辺を除いた部分については両側に軌道スラブを継足しする方式で施工されたのです。中央の色の濃い部分は元のA型スラブということになります。

フログには転轍機が設置されるため再び短尺スラブになり、枕木方向のみ突起で固定しています。

そして2つの線路がある程度離れるまでは再び大型スラブの4点支持になりました。

この継足しスラブ分岐器は今のところ本庄早稲田の高崎方にしかない特殊なものです。

今後スラブ軌道上に分岐器を設置する機会があれば、他の場所にも導入されるかもしれません。

 

(12)本庄早稲田駅構内(熊谷方)

熊谷方は掘割の土路盤になっており、跨線橋から分岐器全体を観察できました。

リード部と後端部は継足しされており高崎方と同様に既存のスラブとは色が異なっています。

土路盤用スラブ軌道では突起コンクリートを設置出来ないため水平力に抵抗する構造が必要になります。特に分岐器では大きな水平力に抵抗する必要があるため、軌道スラブ底面とアスファルト路盤上に山形鋼を配置し、てん充層で水平方向の力に対する抵抗力を得ています。

 

(13)上野駅構内

上野の構内がスラブ軌道なのは以前から知っていましたが、分岐器は暗闇の中のため確認の術がなく諦めていました。ところが、先日ちょうど上野から列車に乗る機会がありまして、入線する列車を眺めていたらヘッドライトの光でトンネル内をいい感じに照らしている光景を目の当たりにしました。

車両よって色味が全然違いますね。1枚目はE4系、2枚目はE6系、3枚目はE7系です。

大宮方も望遠でなんとか撮影することができました。手前の分岐器は両開きのようです。

突起は無さそうですので(2)や(4)と同じタイプだと思います。

 

(14)東京貨物ターミナル試験設備

りんかい線の八潮車両基地と東京貨物ターミナルの間に試験敷設された分岐器がありました。

以前も紹介しましたが、隣の線路より軌間が広く番手が大きいことから新幹線向けと思われます。

営業線で採用されているものとは構造が異なります。また、分岐側のレールは殆どありません。

 

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スラブ軌道-2

2016-05-15 18:05:52 | gallery:省力化軌道

スラブ軌道は全国で採用されているメジャーな軌道ですが、分岐器の採用例は限られます。なぜなら番数や線形により専用の軌道スラブを設置する必要があり、軌道狂いが生じたときの保守が大変といった要因があるからです。そのため後年は合成まくらぎ直結軌道を用いるケースが多くなりました。

 

というわけで全国各地のスラブ軌道分岐器を集めてみました。今回は在来線と私鉄に絞ります。

まずは北海道の千歳線千歳から

片開き分岐多数と両渡り線が駅の前後に設置されています。

札幌もスラブ軌道ですが、分岐器は合成まくらぎ直結軌道が採用されています。

 

ここから一気に南下して湖西線の近江舞子で発見。合計4台を確認しました。

まず敦賀方の分岐で2台を確認。内側の副本線は駅構内がバラスト軌道になっています。

上のスラブ分岐を横から。分岐部の両脇に並ぶ箱は温風式電気融雪機と思われます。

3台目は4番のりばを出発してすぐにありますが、分岐側のレールが撤去されています。

軌道スラブを撤去するのは大変なため上物だけで済ませているのでしょうね。

 

同じく湖西線の大津京にもありました。こちらは敦賀方の2台のみでした。

近江舞子とは反対で主本線が内側2線のため、外側の副本線がバラスト軌道になっています。

湖西線に乗ってみるといかに高規格な路線であるかを実感しますね。

大津京まで南下すると降雪が少ないのか、融雪器は設置されていませんでした。

 

嵯峨野線京都-丹波口間では、貨物用の山陰連絡線との合流地点に片渡り線が設置されています。

元々シーサスが設置されていたようですが、嵯峨野線の複線化に伴い片方が撤去されました。

また、先日オープンした京都鉄道博物館の最寄駅をこの付近に設置することが決定しており、今年度から工事を着工する予定です。山陰連絡線は今年の2月末に廃止済みなのでこの分岐器も見納めと思われます。

2017年、ついに渡り線としての機能が失われてしまいました。

連絡線の軌道も撤去工事が進んでおり、京都からデルタ線の一部が消滅することになります。

 

私鉄でスラブ軌道分岐器を採用している会社は今のところ阪神電鉄しか確認しておりません。

ひょっとしたら地下鉄なんかでも採用実績があるのかもしれませんが、確認出来ないので…

尼崎センタープール前に片開き分岐器が合計6台設置されていました。

元町方にはシングルクロスが備わります。さすがに複分岐ではありませんでした。

通常は軌道センターにある円形突起を両脇に並べ、軌道スラブを横向きに固定している点が他の場所と異なります。また通常の区間は締結装置の取り付け部が盛り上がった軌道スラブを用いているのに対し、分岐器周辺の軌道スラブは締結装置周りがフラットになっている点も注目。

 

最近になって播但線にもスラブ分岐器があることを発見しました。

播但線の姫路~野里間は姫路駅の高架化よりずっと古い1984年に高架化されています。

姫路を出発して左へカーブしていくと弾性枕木直結軌道から合成まくらぎ直結軌道、バラスト軌道を経てスラブ軌道になります。このバラスト軌道と合成まくらぎ直結軌道の区間が敷設時期の異なる高架橋の接続部になります。

京口の分岐器は尼崎センタープール前と同様に円形突起を横にして支持するタイプです。

加えて他の線区にはないY字分岐器(両開き)です。寺前方もスラブ分岐器でした。

 

隣の野里にもY字スラブ分岐が採用されています。

単線高架区間でスラブ軌道分岐器が採用されているとは思わず、昨年になって発見した次第です。

軌道スラブの幅は6種類あり締結装置の位置を変えることで対応しています。

突起は路盤コンクリートに成型されているため、片開きに改造するのは大変そうです。

 

横向きタイプは九州の姪浜にもありました。武骨なシーサスが3台並ぶ構内は圧巻の一言です。

真ん中の2線は福岡市地下鉄の姪浜車両基地へ向かう線路になります。

尼崎センタープール前と同じ円形突起が横に並ぶタイプですが軌間が異なるので専用品でしょう

中央部にある突起は2枚の軌道スラブの固定を兼ねているため径が大きくなっています。

福岡空港方には安全側線も確認できます。千歳や湖西線、山陰連絡線、播但線がそうであるように、1970年~80年代前後に高架化した区間で採用例が多いようです。

 

最後に鉄道総研の日野土木実験所にあるスラブ軌道分岐器の試験軌道を紹介します。

この分岐器は50Nレールの12番分岐器で1969年に敷設されました。

また手動転轍機のスラブ軌道分岐器は恐らくここだけでしょう。

営業線の分岐器と異なり、リードレール以外の軌道スラブが縦割りになっている点が特徴的です。

ここ以外では縦割りタイプを見たことありませんので試験要素が高そうです。恐らく軌道狂いが生じた際に修正しやすいよう分割したものと思いますが、そもそも分割しない方が狂いにくいような気もします。

近くにはバラストレス軌道と思われる分岐器も設置されていました。バラストレス軌道はバラスト軌道の周囲に型枠を作り、その中に急硬性のモルタルを流し込んでプレパックドコンクリート道床とするものです。

スラブ軌道と同じく省力化を売りにしており、バラスト軌道の置き換えが期待されています。

まくらぎがはみ出しているのも何か実験的な理由がありそうです。

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2017/11/12 加筆修正 (近江舞子、大津京、京都-丹波口の写真追加)

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スラブ軌道-1

2015-11-02 23:45:36 | gallery:省力化軌道

ワイドPCレールとスラブレールを組み合わせて作ったスラブバラスト軌道(仮称)について、実際にバラストが撒かれている場所を紹介します。

まずは関西本線(大和路線)のJR難波~今宮駅構内

スラブ軌道の欠点である騒音を減らすために、消音効果を狙って散布されています。

バラストは駅構内まで続いていますが大阪環状線のホーム側には撒かれていませんでした。

 

続いて山陰本線(嵯峨野線)の京都~花園間

貨物用の短絡線との合流地点から始まり、花園駅の手前まで断続的にあります。

少し話が逸れますが、この合流地点にはスラブ軌道のシングルクロスがあります(上写真)。

元々はシーサスクロッシングでしたが山陰本線の複線化に伴い片側が撤去されてしまいました。

今後は短絡線の廃止と新駅設置に伴い、この片渡り線も撤去されてしまう運命かと思います。

2017年には新駅設置の工事が進み、ついに片渡り線も撤去されてしまいました。

といっても渡り線部のみで分岐器自体は残置された状態になります。今後が気になりますね

そして、梅小路京都西駅開業後はトングレールやクロッシングも撤去され完全に分岐器としての機能は失われました。でもその気になれば復活できそうな気もします。

 

京都~園部間は2010年に複線化が完了しました。工事時期の違いから、バラスト軌道・弾性枕木直結軌道・スラブ軌道が入り交じっている区間もあり前面展望がなかなか楽しい区間であります。

駅構内に限るとスラブバラスト軌道になっているのは円町のみです。

 

片町線の野崎~鴻池新田間の高架区間にもバラストが撒かれていました。

やはりベッドタウンのスラブ軌道に消音バラストは欠かせないようですね。

2000年台以降の建設だったら弾性枕木直結軌道+消音バラストで敷設されていたと思われます。

住道駅構内は中央の2・3番のりばがスラブ軌道で外側の1・4番のりばはバラスト軌道でした。

これは高架化当時に1・4番のりばの線路を敷設せずに開業したためです。

模型で作ろうとしている軌道構造と同じ駅が意外なところにあって驚いています。

 

福知山線(JR宝塚線)の川西池田-中山寺間

1980年の複線化時に建設された区間です。周辺開発に伴いバラストが撒かれています。

面白いのは茶色い砕石とグレー砂利が2ヵ所ずつ交互に散布されていること。

消音効果の比較でもしたのでしょうか?

 

愛知環状鉄道の山口駅は2番線の構内のみスラブ軌道になっています。複線化の際に軌道構造が変更されることはよくありますが、駅開業時から2面供用みたいなので不思議です。

 

京葉線にもありました。学生時代はよく利用したのに今まで見落としていたんだなあ…

蘇我~海浜幕張間で断続的に敷設されています。中でも稲毛海岸と検見川浜の前後は連続的です。

稲毛海岸から千葉みなと方を望む。他の路線と同じで軌道スラブの周りに散布されていますね。

この辺も住宅が増えてきたので騒音対策をする必要が大きいのでしょう。

駅構内は相対式ホームだからか、通過列車も少ないからか一切散布されていませんでした。

今度は検見川浜から稲毛海岸方を撮影してみました。

この区間は軌道内にも散布されているため、パッと見はバラスト軌道にしか見えません。

締結具にバラストが掛かると保線作業に支障が出るため、Lアングルの仕切りを取付けています。

 

横須賀線の新橋-品川間は基本的に直結軌道ですが、トンネル出口付近のみスラブ軌道が敷設されています。周りに住宅等は無いのでバラスト散布の必要性があるかは疑問です。急勾配だし

 

山手貨物線にも掘割区間の橋梁下のみスラブ軌道が採用されています。

こちらは池袋からほど近い堀之内橋。コンクリート路盤の上に消音バラストが撒かれています。

こちらはお隣の宮仲橋。堀之内橋と同じ枠型スラブ軌道が採用されています。

枠型スラブ軌道の種類については、スラブ軌道-7-8で取り上げていますのでご参照下さい。

 

本州を超えた北海道にもありました。

2011年に高架化した野幌駅とその前後区間です。

枠型スラブと袋に入ったバラストが個性的です。高架化工事が完成した当初に開催された線路ウォークの画像を見るに、袋に入ったバラストの下にもバラで撒かれているようです。

北海道のような極寒地では車体の着氷物が落下した際にバラストが跳ね返り、車体や窓ガラスに当たってしまうことがあります。とりわけ消音バラストはただ撒いてあるだけのため飛散する可能性が高く、袋による飛散対策が必要だと判断されたのでしょう。

 

最後におまけ

山陽新幹線の姫路駅、下り通過線の一部区間だけがスラブ軌道になっています。

こちらは防振スラブ軌道の試験線として数10mですがバラスト軌道に紛れて敷設されています。

(現在は脱線防止ガードが取付済み)

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2017/11/12 宝塚線、嵯峨野線の画像追加

2021/08/21 嵯峨野線、横須賀線、山手貨物線、愛知環状鉄道の画像追加

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