趣味人Tの伝言

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安全側線-7

2020-09-13 | gallery:線路

その7では安全側線用緊急防護装置(以下、EM)の応用例を見てみたいと思います。

安全側線自体は登場しないのでタイトル詐欺ですがご了承下さい。

EMは安全側線に車両が入線したこと(≒緊急事態)を付近の信号に伝えるために設置されています。

この仕組みを利用して駅構内や留置線の終端にも設置が進みました。

↑高架線上の行き止まりホームに設置されたEM

終端部は軌道スラブを設置せずにバラスト軌道となっています。

 

↓こちらは地下駅構内の行き止まりホームの先端。

第二種車止めのとの組み合わせは安全側線ではあまり見られません。

 

↓頭端式ホームの設置例。制走堤+第2種車止め+EM+枕木と厳戒態勢です。

ただEMはかなり古くに設置されたのか、塗装の劣化が進んでいます。

もしかしたら使用停止になったものがそのまま放置されているのかもしれません。

EMの手前に枕木を積むのはあまり一般的ではありませんので…

 

↓こちらは引き上げ線に設置されたEM。隣のミラーは走行列車確認用でしょうか?

このように留置線の両側に走行線がある場合、過走した列車が走行線に支障する恐れがあるためEMを設置することが多いようです。

 

↓第4種車止めとEMが合わせて使用されるのも引き上げ線や留置線ならでは

やはり本線に隣接する側線に設置されています。

 

ここからはイレギュラーな使い方

まずは脱線器と併用された例です。

左側のレールにちょこんと乗っかっているものが脱線器。この脱線器により脱輪した車体をEMに接触させるという仕組みです。走行車両と接触してはいけないので車両限界の外側に設置されています。

線形的に安全側線や脱線転轍器の使用が難しく、このような形になったと思われます。

脱線器については別記事でまとめる予定です。

 

下の写真は駅構内の留置線に設置されたEM。

やたら長い安全側線ではありません。その理由はEMの向きにあります。

寄ってみるとEMは分岐器に進入する車両に対して動作するように設置されていることが分かります。

安全側線の場合は逆に分岐器を通過した車両に対して動作するように設置します。

 

同様の例をもう一か所。

上下線からアプローチできる側線ですが、分岐器の根元付近にEMが設置されています。

こちらも寄ってみると側線から本線に進入する車両に対して動作するように設置されています。続けて車輪止めも設置されていることから留置車両の転動対策にEMを使用していることが分かります。

このような使い方の場合、車両を出し入れする際もEMを倒す必要がありますので、防護回路をどう処理しているのかは疑問です。入線時と出発時は防護回路を解除できるような仕組みが備わっているのでしょうか?

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スラブ軌道-7

2019-07-14 | gallery:線路

7回目となったスラブ軌道の記事ですが、今回は枠型スラブ軌道の話をしたいと思います。

スラブ軌道の進化と共に登場した枠型スラブ軌道ですが、平板スラブと比較して軽量で表面と内部の温度差に起因するソリが少ないなどメリットが多くあります。そんな枠型スラブ軌道の歴史を振り返ってみたいと思います。枠型スラブの中で最も古いのは1960年代に登場したL型スラブ軌道(L-150形)でしょう。

L型はレール直下に帯状の緩衝材を配置し、軌道スラブを支持する構造をしています。軌道スラブは4ヵ所ほど開口部があるラダー状で、外側も路盤から浮いていることからレール直下のみで支持していることが良く分かります。また、突起コンクリートが矩形な点も主流のA型とは異なります。このL-150形はえちごトキめき鉄道の浦本トンネルと総武本線の中川放水路橋梁に試験敷設されています。

その後、軌道スラブの軌間内を大きくくり抜いた枠型スラブが登場します。

1971年に関西本線の朝日駅構内にスノーフリーの枠型スラブ軌道SA-155形が敷設されました。

SA-155形はコンクリート桁直結軌道に挟まれる形で敷設されており、軌道スラブの周囲は鉄板で覆われています。スノーフリーを謳うくらいですから、桁にも開口部があるのか気になるところです。

下の写真が枠型スラブの両端にあるコンクリート桁直結軌道。こちらも枠型となっています。

また、朝日駅から少し離れた本線上には土路盤向けRA-116形も敷設されていましたが、近年バラスト軌道化されています。恐らく米原のように軌道スラブの沈下サイクルが短くなったのではないかと思われます。

1972年、羽越本線の金浦-仁賀保間の複線化に伴い、260mほどスラブ軌道が敷設されました。

そのうち白雪川鉄橋についてはSA-145形とSA-155形が敷設されています。

SA-145形は全長4mで締結具が片側7個、SA-155形は全長5mで締結具が片側8個です。

横から見るとL型のようなラダー状のスラブに見えますが、これは枠の中に枕木のような台を載せているためです。恐らく転落防止の金網を設置するために設置したと思われます。開床式の軌道構造は降雪時の除雪作業軽減に貢献しそうですね。

1994年に開業した関西空港線は様々な省力化軌道の試験線が敷設されています。

スラブ軌道は平板スラブ、平板防振スラブ、枠型スラブの3種類が敷設されました。

平板スラブと枠型スラブの境界を捕らえることができました。枠型スラブは平板と比べ幅がやや狭く、中央に開口部を設けることで建設費と材料費削減を実現しています。また、緩衝材のCAモルタルは不織布のロングチューブに入れるロングチューブ工法が採用され、CAモルタルの注入量の削減と施工性の向上を実現しています。防振スラブは防振マットの弾性により外側のCAモルタルの剥がれが顕著だったようですが、ロングチューブ施工法はそのような症状に見舞われる心配もありません。

前述の枠型と比べると中央枠の四隅の角が落とされていますね。応力集中を防ぐためでしょうか

また、突起と軌道スラブの間のてん充層には合成樹脂が採用されているため白っぽく見えます。

こちらも平板スラブで採用されているCAモルタルは敷設後20年経過後にヒビ割れが発生していたのに対し、健全な状態を維持していることが確認されています。

愛知環状鉄道は1988年に開業した第3セクターですが、元々国鉄から引き継いだ区間もあることから軌道も国鉄/JRに準じた構造が採用されています。

特に2004年の愛知万博輸送に備え複線化された区間ではロングチューブ施工の枠型スラブ軌道が採用されています。この時期になると弾性枕木直結軌道なども登場していますが、既に路盤には突起コンクリートが打設済みであったため、スラブ軌道が採用されました。ただ、関西空港線の例のように平板より枠型の方がメリットが大きいため採用に至ったようです。開口部のバラストは騒音対策で散布されています。

トンネル内はレール締結部に凹凸のある見慣れない枠型スラブが敷設されていました。

私鉄の標準軌用スラブでは見かけますが、狭軌の枠型でこのタイプは他に見たことがありません。

量産された枠型スラブ軌道は次回に続きます。

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安全側線-6

2018-10-28 | gallery:線路

その6では安全側線に使用される乗越分岐器と脱線転轍器標識についてご紹介します。

まずはオーソドックスな安全側線である吉塚駅の動画をどうぞ

継ぎ接ぎ動画のためすぐ転換してしまったり列車と被られたりしていますがご了承を。

乗越分岐器は乗越ポイントと乗越クロッシングから構成されています。

下の写真ですと左下の線路が安全側線で右側の曲線が本線となります。

乗越ポイントは外側の乗越レールが被さる形で密着し、車輪は被さったレールの段差を利用して本線を乗り越えていきます。乗越クロッシングは乗越側のレールを本線レールより高くすることでフランジが乗越えられる構造となっています。その際、外側のレールにはガードレールを設置して脱輪を防いでいます。本線側のレールにはフランジウェイ(欠損部)が無いため走行に影響を与えることはありません。

上の写真は右側が安全側線です。乗越クロッシングの形状が先ほどとは少し異なりますね。

安全側線に使用される乗越クロッシングは固定式ですが、乗越ポイントと同様に被せる形状をした可動式の乗越クロッシングは保線車両用の側線などで使用されています。

このタイプは乗越ポイントと乗越クロッシングが機械的に連動して動作するようになっており、渡り線として使用されることもあります。背向からも使用できる点が固定式と異なるポイントでしょうか

 

話を安全側線に戻します。

安全側線に使用される分岐器は先ほど述べた乗越分岐器の他に普通分岐器を使用する場合があり、前者の場合は脱線転轍器標識が付き、後者の場合は普通転轍器標識が付きます。(いずれも省略される場合もあります。)

上の写真だと手前が普通転轍器標識で、奥の標識が脱線転轍器標識となります。

どちらの標識も列車が通行可能な反位の標識は黄色い矢羽根です。

普通転轍器標識の定位は青丸に白い横線が入る標識となりますが、安全側線に使用した場合はこの標識が安全側線に突っ込む状態を示しているため注意が必要です。

上の写真の場合、手前の安全側線は反位(通行可能)で奥は定位(安全側線)となっています。

灯火の色は脱線転轍器標識の定位が赤、普通転轍器標識が青となり、反位はいずれも黄色です。

脱線転轍器標識の定位の状態は赤い四角に白い縁取りが施してあります。また、安全側線が定位の状態の時は本線側から背向で進入できる状態にはならないため標識の裏は無地となっています。灯火も点灯しないため白い蓋がされています。

下の写真は先ほどの動画の吉塚のものです。灯具が四角い形状で比較的新しいタイプでした。

普通転轍器標識でも灯具が四角い形状のものを時折見かけます。

その1でも紹介しましたが、標識は豪雪地帯だと積雪による視認性を高めるため標識の背が高いノッポタイプが採用されていることもあります。雪に埋もれた状態でも正常に転換できるんでしょうか?

逆に通常より小型のタイプも存在します。こちらは車体より背が低いためスペース的に余裕がない場所に使用されると思われます。(少なくとも下の場所では十分スペースはあるように感じますが…)

ちなみに上の写真のように曲線区間の外側に分岐する分岐器を外方分岐器と言います。

写真2,3枚目も外方乗越分岐器ですね。

小形タイプの標識を使用した梅ヶ丘駅の動画です。複々線の完成により現在は消滅しています。

 

乗越分岐器には脱線転轍器標識が付くと書きましたが、実は例外も存在します。

上の写真、普通分岐器を使用した脱線分岐器ですが標識は脱線転轍器標識です。

クロッシングも乗越クロッシングではなくフランジウェイのある通常タイプですね。

こちらはクロッシングのない脱線転轍器(脱線ポイント)です。

トングレールが使用されていますが標識は脱線転轍器標識となります。

脱線転轍器標識は脱線器にも使用されることがあります。脱線転轍器や脱線器の場合、貨物専用線などで使用されることが多いため灯具が省略された首ナシ標識であることが多いです。

以上のように脱線転轍器標識は安全側線に使用される乗越分岐器以外にも、脱線用途に用いる場合はポイントの種類を問わないことが分かります。ただし、普通転轍器標識が乗越分岐器や乗越レールと組み合わされて使用されることはありません。(確認できてないだけで存在する可能性は否定できませんけどね…)

 

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スラブ軌道-6

2018-06-17 | gallery:線路

その6では土路盤上スラブ軌道についてまとめました。

土路盤上スラブ軌道RA型が初めて営業線に敷設されたのは1971年のことです。

東海道本線の平塚-大磯間に建設された相模貨物駅にRA-116形が100mほど敷設されました。

翌年の1972年には大阪駅構内や灘-三ノ宮間にもRA-116形が試験敷設されました。

RA型は土路盤を転圧し、アスファルトを主とした下部舗装・上部舗装を施工してその上に軌道スラブを据付します。舗装路盤と軌道スラブの間にはセメントモルタルを填充します。また、スラブの裏に凹みをつけることで填充されたセメントモルタルにより抵抗力を得る点は初期のA型と同じです。

上記2枚は大阪駅構内のフィルム写真です。

(購入した先方のお名前を失念してしまいました。ご連絡頂けると幸いです。)

その後これら試験線は撤去されてしまいましたが、各地に敷設されたRA型は今も現存しています。

 

羽越本線 金浦-仁賀保 下り線 

1972年の複線化に際し従来線の海側に新線を敷設しました。

このうち白雪川鉄橋を含む260mほどがスラブ軌道で敷設されています。

 

羽越本線 小波渡-三瀬 下り線

1978年の複線化に際し、山側に上り線のトンネルが新設されました。

従来の海沿い経由の線路は下り線となりましたが、その際に線路改良が行われスラブ軌道化されたようです。トンネル内はコンクリート路盤のためA型でしたが、明かり区間はRA型が敷設されました。

 

しなの鉄道 信濃国分寺-大屋 下り線 (旧信越本線 上田-大屋間)

1972年、大屋-上田間の複線化で敷設されました。軌道スラブには番号が振られていますね。

この区間は曲線中での施工性や低盛土区間における地盤の挙動調査を目的として敷設されました。

 

中央本線 田立-南木曽 下り線

1973年の電化及び複線化に伴い敷設されました。近くには旧線の廃線跡も残っているようです。

RA-116形はスラブ長さが1mとA型の標準長5mと比べるとかなり短尺です。

その理由は地盤支持力が一様ではなく不等沈下を招く恐れがあるためとされています。

 

湖西線 近江塩津駅構内

両渡り線の手前に敷設されています。短区間ながら上下線とも施工されています。

この区間では16mの高盛土区間における性能評価が行われました。

当該盛土は経時沈下量が少なく土路盤上スラブ軌道の採用に適した条件が明確になりました。

 

東海道新幹線 豊橋駅構内12番線

相模貨物駅に続いて敷設されたのが豊橋駅12番線のRA-16形。かつては上り本線にも設置されていましたが、2000年頃に一部の区間で高低調整量が30mmに達したため、軌道スラブを扛上し早強性セメントアスファルト填充材による補修が施されました。しかし経年による補修サイクルが短くなってきたことから2013年にバラスト軌道化されました。

12番線のRA-16形は1971年に敷設されたもので、前述の上り本線区間より2年前に敷設されたものですが、高速走行する列車は通過しないため比較的健全な状態を保つことが出来ていた考えられます。しかし、こちらも2017年の時点で軌道スラブの枚数が減っており、2018年には完全にバラスト軌道化されてしまいました。

 

上越新幹線 本庄早稲田駅構内熊谷方

本庄早稲田駅の熊谷方の掘割区間に200m程ですが土路盤上スラブ軌道が敷設されています。

RA-116形やRA-16形と異なり締結装置が片側3ヵ所のやや長めの軌道スラブですね。

2004年の本庄早稲田駅の開業に伴い分岐器を挿入することになり、継足しスラブ方式で土路盤上スラブ軌道の分岐器が設置されています。

新幹線のスラブ軌道分岐器についてはスラブ軌道-3で紹介しています。

 

北陸新幹線 高碕-安中榛名

RA型スラブ軌道を採用するにあたって、複数の軌道構造が存在すると連続した施工ができないため建設コストが増える、また軌道構造の継ぎ目では軌道狂いが生じやすいといった問題点が挙げられました。このため北陸新幹線以降、適切な支持条件を満たした切土や盛土にコンクリート路盤を施工することでA型スラブ軌道が適用されるようになりました。

高崎-安中榛名間の切土区間がその土路盤向けA型スラブ軌道の最初の施工区間になります。またCAモルタルの施工においてロングチューブの中に填充するロングチューブ工法が確立されたことから建設コストの削減を図ることが出来ました。さらにロングチューブ工法と合わせた枠型スラブ軌道も登場してきます。

 

山手線 渋谷-原宿 内回り

在来線に戻ります。1992年、山手線において各種省力化軌道の試験線が敷設されました。

この頃になると舗装軌道や弾性枕木軌道などスラブ軌道以外の省力化軌道も登場してきます。

この区間では比較的良好な土路盤上に軌道スラブを敷設し、バラスト軌道に対する沈下特性が比較検証されました。軌道スラブはA型の平板と枠型が使用され、既存バラストにCAモルタルを注入した強化層で支持する構造としています。この軌道の沈下速度はバラスト軌道の約1/10と進行が緩慢であるという結果が得られています。

p.s. スラブ軌道-5にA-143/152/161形を、スラブ軌道-4にM-131/141形を追加しました。

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安全側線-5

2018-03-09 | gallery:線路

その5では安全側線用緊急防護装置(以下、EM)の配置を見ていきたいと思います。

まずはEMを軌道中心に配置しレールと並行に固定する標準的な設置例を見てみます。来待

EMは安全側線に侵入した列車と走行中の列車が衝突することを防ぐ装置になります。

その4でもご紹介していますので合わせてご覧いただけると幸いです。

安全側線が極端に短い場合は本線を走る車両と接触しないように軌道中心から外して設置されることもあります。直江

中にはEMが軌間外に設置されることもあります。この配置は東日本でよく見かけました。新関

軌間外に設置する場合、接触枠が確実に倒れるよう車両限界内に配置する必要があります。

冒頭でレールと並行にと書きましたが、安全側線が短く意図的にレールを本線から遠ざけている場合、車体はレールに追従しきれないため直前のレールの角度に合わせて設置されます。木下

上の写真を拡大

EMは手前のレールに合わせているため、近傍のレールに対しては斜めに配置されています。

車両基地や操車場などで2線分の安全側線を合流させる場合はEMを共有させることもあります。

この場合は2線分の車両限界が重なる範囲にEMを配置します。東仙台(信)

下の場所は軌間外でEMを共有している例。2つの線路がこれ以上近接するとEMを設置できなくなるため、上のようにどちらかの軌間内に設置することになります。岩切

下は重大事故に繋がることを避けるためEMを二重化して冗長性を持たせた例。

軌間が広い高速鉄道ならではの対処法かと思います。田町付近

ただ、これも明確な設置ルールがある訳ではないようで、下のようにEM同士を離して設置する場合もあるようです。上の安全側線とは車止めの種類や標識の有無まで異なっていますね。品川

つづく

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