会社の所得(利益に一定の調整をしたもの)に課税される税金には、法人税(国税)、住民税(都道府県民税、市町村民税)、事業税(都道府県が課税)があり、税目ごとに課税対象と税率が定められており、税目ごとに申告納税をしなければなりません。
実効税率とは、これらの全税目を合計しての税率であり、実際の申告手続で適用される税率ではなく「理論上の税率」です。わが国の実効税率は約30%で、税引前利益(その事業年度に負担すべき法人税、住民税、事業税を差し引く前の利益)にこれを乗じればその年度の税負担が算出されます。
しかし、多くの企業、特に中小企業では実効税率とされる30%とはかけ離れた税率となります。その理由は次のとおりです。
◆所得による税率の違い(所得の低い部分は低税率)
税率は一律ではなく中小企業(資本金1億円以下の会社)の税負担能力を考慮して所得の低い部分は低税率となっています。所得がこのゾーンにある場合には実効税率は30%よりも低くなります。
◆均等割の影響(所得に比例しない税負担部分)
住民税には均等割といって資本金と人員数で決まる部分があります。また、この均等割は事業所単位(本店、支店など)で課税されることから事業所の数が多いと均等割が増えます。所得が低い、事業所数が多い場合には均等割の所得に占める割合が大きくなります。
★実効税率による税額予測は正確ではない
税額予想をする際に実効税率を用いることがありますが、実効税率では正確な数値が算出されません。面倒でも法人税(国税)、住民税(都道府県民税、市町村民税)、事業税(都道府県が課税)ごとに申告書と同じ要領で税額を計算しなければなりません。
★利益を計上しているのに税金がゼロ!?
このような不可解な現象が起こります。上記の法人税などは、各事業年度の所得に対して課税されますが、過去の事業年度において所得がマイナスであった場合には、そのマイナスを以後の所得がプラスの年度から差し引くことができます。このマイナスを「繰越欠損金」といいます。繰越欠損金がそれを差し引く事業年度の所得以上である場合には、利益がプラスであるのに税金がゼロという現象が起こります。
【PR】記事の内容と直接的な関連はありません。
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しかし、多くの企業、特に中小企業では実効税率とされる30%とはかけ離れた税率となります。その理由は次のとおりです。
◆所得による税率の違い(所得の低い部分は低税率)
税率は一律ではなく中小企業(資本金1億円以下の会社)の税負担能力を考慮して所得の低い部分は低税率となっています。所得がこのゾーンにある場合には実効税率は30%よりも低くなります。
◆均等割の影響(所得に比例しない税負担部分)
住民税には均等割といって資本金と人員数で決まる部分があります。また、この均等割は事業所単位(本店、支店など)で課税されることから事業所の数が多いと均等割が増えます。所得が低い、事業所数が多い場合には均等割の所得に占める割合が大きくなります。
★実効税率による税額予測は正確ではない
税額予想をする際に実効税率を用いることがありますが、実効税率では正確な数値が算出されません。面倒でも法人税(国税)、住民税(都道府県民税、市町村民税)、事業税(都道府県が課税)ごとに申告書と同じ要領で税額を計算しなければなりません。
★利益を計上しているのに税金がゼロ!?
このような不可解な現象が起こります。上記の法人税などは、各事業年度の所得に対して課税されますが、過去の事業年度において所得がマイナスであった場合には、そのマイナスを以後の所得がプラスの年度から差し引くことができます。このマイナスを「繰越欠損金」といいます。繰越欠損金がそれを差し引く事業年度の所得以上である場合には、利益がプラスであるのに税金がゼロという現象が起こります。
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