自律神経失調症ってなんでしょう?
原因がわからない時に
最後にいわれる病名?
自律神経失調症に関するQ&Aをまとめてみました!
自律神経失調症Q&A
Q.自律神経失調症とは?
A.自律神経の働きが乱れ、心や体に不調があらわれた状態のことです。症状は様々で、人によって症状が違います。一般的に、
1、全身の倦怠感やめまいなどの不定愁訴がある
2、器質的疾患(病変)や精神異常がない
3、自律神経機能検査で異常がみとめられる
の3つが該当した場合、自律神経失調症と判断されます。
病院に行っても検査に問題がなく、気のせい、年のせいと言われたり、心療内科等に紹介されることもありますが、実際本人にはつらい身体・精神症状があるのが自律神経失調症です。
Q.自律神経失調症はどんな症状がでますか?
A.自律神経失調症になると、特に原因が思い当たらないのに様々な症状が現れます。
身体的には、
慢性的な疲労・だるさ・めまい・頭痛・動悸・ほてり・のぼせ・不眠・便秘や下痢・微熱・耳鳴り・手足の痺れ・のどの不快感・頻尿・残尿感
精神的な症状としては
イライラ・不安感・落ち込み・やる気が出ない・ゆううつ・感情の起伏が激しい
など
人によって出る症状、重さも様々です。
このようにたくさんの症状が現れるため、ほかの病気を疑って病院を受診される方が多いです。しかしいろいろな病院に行っても薬を飲んでも、おおもとの原因はストレスなどが主になるので改善されにくく、逆にそれがストレスになってしまうこともあります。いかにして原因のストレスを取り除き、自律神経のバランスを戻すかが改善への重要な課題になります。
Q.自律神経失調症の原因はなんですか?
A.自律神経は本来、人間の体が日中活動している間に働く交感神経と、夜間休息をとっているときに働く副交感神経が、およそ12時間交代で優劣が入れ替わっています。
しかし、大きなストレスが原因で、このふたつの入れ替わりがうまくいかなくなってしまい、主に交感神経が優位になった状態が続いてしまうと、ふたつのバランスが乱れ、自律神経失調症となります。
交換神経の極度な興奮は、体中の筋肉の緊張にもつながり、様々な不調の原因となるので、交感神経の興奮を和らげてあげることが自律神経失調症を治す鍵になります。
また、交感神経の興奮がすべての問題ではなく、こころとからだの修復をしてくれる副交感神経の働きが追い付いていないことも問題となります。
原因となるものは肉体的ストレスと精神的ストレスがあります。さらに細かくわけると、
不規則な生活リズム・過度のストレス・ストレスに弱い体質・ストレスに弱い性格・環境の変化・女性ホルモンの影響・病気による自律神経の乱れ
などが挙げられます。
Q.自律神経とはどんなものですか?
A.自律神経とは、自分の意志とは関係なく、刺激や情報に反応し自動的に働いて体の機能をコントロールしている神経です。
身体の動きに合わせて脈拍、血圧、体温の調節や、食べ物を消化する、老廃物を排出する、ホルモンの分泌のコントロールなど、人間が生きていくうえで重要な働きを24時間してくれる、とても大事な神経です。
自律神経には2種類あります。交感神経と副交感神経です。このふたつが均衡を保ちながら働くことによって体の機能を調節しています。
Q.交感神経とはなんですか?
A.自律神経系のなかでも主に昼間、活動しているときに働く神経です。運動中や、仕事で精神的に緊張しているなど、ストレスがかかった時に興奮しています。エネルギーを消費する神経ともいえます。交感神経が興奮すると体には様々な反応が起こります。例えば心拍が早くなる、血管が収縮し血圧が上がる、汗が出る、胃液の分泌が減り胃腸の動きが抑制される、などです。
不摂生な生活やシャワーだけの生活、睡眠不足、パソコン・スマホをよく使ったりすると、交感神経を過剰に興奮させる要因になり、身体中の筋肉の緊張につながります。
Q.副交感神経とはなんですか?
A.副交感神経は、睡眠中などリラックスしている時に働く神経で、身体を修復・エネルギーを蓄積し、元気な状態に戻してくれます。また、内臓に対しては迷走神経という名前に変わって働きます。胃腸で食べ物を消化するときに働くのはこの迷走神経です。
副交感神経が働くと、心拍が落ち着いたり、胃腸の動きが活発になる、血管が拡張する、脳は静まって眠くなるなどの反応が起こります。
Q.うつ病と自律神経失調症は一緒ですか?
A.似た症状が現れますが、異なる病気です。どちらもストレスなどが原因で発症すると言われていますが、自律神経失調症は心因的な要因が引き金となって起きる体の病気なのに対し、うつ病は脳内神経伝達物質の分泌異常によるものです。
不安感ややる気がでないなどのうつ状態は、自律神経失調症の代表的な症状の一つなので、勘違いされやすいですが、うつ病の場合、こころとからだ両方のエネルギー状態が極度に低下するのが特徴です。
しかし、長い期間自律神経失調症をそのままにしておくと、うつ病に移行することがある為、注意が必要です。
患者さん自身で判断するのは難しいですので、気になる症状がある場合はご相談ください。
Q.自律神経失調症は治りますか?
A.患者さんの症状によって短期間で完治する場合もありますが、たいていの場合自律神経失調症が完治するには多くの時間を要します。身体の疲れ具合や、更年期、環境の変化などで症状が軽くなる場合も、逆に悪くなってしまうこともあります。自律神経失調症は1日2日で効果が出る特効薬はありません。身体のリズムを根本から改善する必要があるので、治療には根気が必要です。
Q.病院での治療はどんなことをしますか?
A.問診、血液検査、心電図等で除外診断をおこない、ほかの病気が考えられなかった場合、自律神経失調症として診断されます。心療内科を紹介されることも多いです。主な治療は薬物療法です。自律神経調整剤や抗不安薬、漢方薬、ホルモン剤、ビタミン剤等が出されます。心理療法には、カウンセリング、行動療法、認知行動療法などがあります。
Q.自律神経失調症に対する鍼灸治療はどんなことをしますか?
A.まず、似たような病気、特に重篤な病気でないかを判断しながら、詳しく問診をおこないます。たとえ病院で自律神経失調症と診断されてから当院に来院されたとしても鵜呑みにはせず、担当鍼灸師が納得できるまで治療前に確認をします。
また東洋医学の考え方から、脈拍や声の張り、毛穴の開き、皮膚の緊張など身体の状態を治療のつど読み取ります。その時の身体の状態や以前からの変化など、患者さんの自覚症状と照らし合わせながらしっかりと説明をし、状態に合わせた治療をおこないます。
鍼灸治療をすると、刺激が末梢から中枢に伝わり、ホルモン系を介して内臓の動きを調整するなど自律神経のバランスを整えることができます。基本的に背部にある自律神経を整えるよう心地よい刺激をおこないます。またイライラや不安感、肩こり、めまいなど、その患者さんの出ている身体的・精神的症状に応じてツボを変えながら治療をすすめていきます。治療中にも副交感神経が優位になることで胃腸の動きが活発になり、グル音が聞こえてくることも多いです。
自律神経失調症は周囲の人に理解されづらい症状もあるため、自分だけで抱え込んでしまい、つらくなってしまうケースもあります。どんな細かいことでも気軽に話していただき、患者さんがより楽に生活が送れるようにサポートしていきます。
Q.鍼灸をするとからだはどうなりますか?
A.自律神経の機能は、呼吸、姿勢、刺激方法、刺激の場所によって変化します。この性質を利用して鍼灸治療をおこなうと、自律神経の乱れが改善され、正常に働くようになります。例を挙げると、
心拍数が落ち着く、胃腸の動きが活発になる、体が柔らかくなる、冷え症が改善する、などです。
これらは自律神経が整い、副交感神経が優位になりリラックスしたことを示しています。
Q.どのくらいのペースで治療に通ったらいいですか?
A.患者さんの症状や状態によって変わりますが、週に1~2回のペースで身体を徐々にいい状態にしていく、悪くならないようにキープすることが目安(理想)となります。
調子が悪ければその時に治療することが一番ですので、つらいときには予約前であっても構わず気軽にお電話ください。
Q.カウンセリングはありますか?
A.特別にそういったものは設けていませんが、身体の変化を察知して原因を追究・治療方針を決めるため、治療開始前、また治療中にも鍼灸師とじっくり話をする時間がとれます。気になること、不安等ありましたら、いつでも気軽にご相談ください。
Q.いろいろ症状がありますが自律神経失調症でしょうか?
A.自律神経失調症の場合もあれば、ほかの病気が絡んでいることもあります。自律神経の乱れチェックシートなどでだいたいの確認もできますが、気になる症状は一度担当鍼灸師にお話し下さい。その症状がどういった原因から出ているものなのか、重篤な病気ではないか、病院に行った方がいいかなども判断しながら説明し、治療させていただきます。
Q.病院で出された薬を飲んでいます。併用して鍼灸治療はできますか?
A.自律神経失調症は、病院と並行して鍼灸治療を受けられても全く問題ありません。患者さんの状態をしっかり把握するため、飲んでいるお薬を伺う場合があります。
Q.妊娠中ですが自律神経失調症の症状があります。妊娠中でも鍼灸治療は受けられますか?
A.もちろん受けていただけます。妊娠中や出産後はホルモンの変動が大きく、自律神経失調症になりやすい状態にあります。当院では開院当初から婦人科領域も専門に治療をおこなっているため、自律神経失調症の症状だけでなく、つわりや逆子、陣痛が来ないなどの妊娠中のマイナートラブルにも対応できます。薬が使えない状態であることも多いので、妊娠中の体の不調はお気軽にご相談ください。
Q.子供も自律神経失調症になりますか?
A.近年、子供の起立性調節障害が問題となってきています。この病気は思春期の子供に発症する自律神経失調症と考えられています。起立性調節障害の症状は、朝起きられない、立ちくらみ、倦怠感、立っていると吐き気がする、頭痛、集中力低下などです。
このような症状に対しても鍼灸治療は適用しますので、一度ご相談ください。
Q.更年期障害と自律神経失調症のちがいはなんですか?
A.更年期障害は「更年期(45~55歳くらい)にあらわれる多種多様の症候群で、器質的変化に相応しない自律神経失調症」のことです。自律神経失調症のなかの更年期障害といったほうが分かりやすいかもしれません。違いとしては、自律神経失調症はどの年代・性別・原因でも起こりうる可能性があります。それに対し、更年期障害は症状が出る原因や起こり得る年齢がある程度はっきりしているため、区別するために名前が別についています。
Q.無性にイライラするような精神的な症状も鍼灸治療で対応できますか?
A.精神的な症状(イライラ・不安感・ゆううつ・感情の起伏が激しいなど)に鍼灸治療は効果的です。自律神経を落ち着かるような治療とともに、患者さんのつらい症状に対しいろいろなツボを使い分け、精神が安定するようにしていくことができます。
Q.自律神経失調症になりやすいのはどんな人ですか?
A.真面目で責任感の強い人・几帳面で心配性・内向的な人などはストレスの影響を受けやすいので注意が必要です。体質的には、痩せていて虚弱体質、冷え性、低血圧の人もなりやすいといわれています。
男女では、思春期や更年期、出産後などホルモンの変動が大きく、自律神経にも影響を与えやすい女性の方がなりやすいです。
Q.自律神経失調症の予防はできますか?
A.自律神経失調症の原因である、自律神経の乱れを起こすストレスをできる限り除去することです。しかし、たとえば職場の人間関係がストレスの原因だった場合、職場を今すぐに変えるのは難しいと思います。ストレス社会の現代、まずは規則正しい生活をおくり自律神経のバランスを乱さないことを心がけてください。
Q.自律神経失調症と間違えやすい病気はなんですか?
A.一見するとうつ病にみえない「仮面うつ病」は、気分の落ち込みや倦怠感もありますが、肩こりや頭痛などの身体的症状が目立つ病気で、自律神経失調症と間違えやすいです。
めまい、耳鳴りを繰り返すメニエール病や、イライラ、不安、睡眠障害などが出やすくなるバセドー病、貧血、身体のだるさや頻尿を呈する糖尿病なども気を付けるべき病気です。
Q.自律神経失調症で耳鳴りの症状がでるのはなぜですか?
A.耳鳴りがする場合、自律神経の乱れが大きく関わるといわれています。なんらかのストレスなどで交感神経が過剰に興奮した状態が続くと、身体の筋肉が緊張状態になります。首や肩回りの筋肉も強張ってくるため、それに伴い内耳や内耳から脳に行く神経への血流も悪くなり、耳鳴りを引き起こす原因になります。自律神経のバランスを整え、首回りの筋肉の緊張を緩めることで耳鳴りは改善しやすいです。
メニエール病などめまい、耳鳴りが続く病気が疑われる場合もあります。耳の症状を感じた時は患者さん自身で判断せず、ご相談ください。
Q.自律神経失調症のめまいで動けません。往診はしてくれますか?
A.めまいが強いときは無理に動いてしまうと、かえってめまいがひどくなることがあります。そんな時は無理をせず、当院にご連絡ください。ご自宅まで治療にお伺いします。
Q.自律神経が乱れることで片頭痛が強くなることはありますか?
A.片頭痛の原因は、脳の中や周りの血管が縮小した後拡張するときに、周囲の筋肉が炎症をおこすことで起こります。大きなストレスを感じ交感神経が過剰に反応すると、血管も強く収縮し、周囲の筋肉は緊張しています。その後ストレスから解放されたとたん一気に副交感神経に切り替わりますが、この時強く収縮していた反動で血管も一気に拡張します。しかし筋肉はまだ緊張が解けきれず固まったままなので、無理やり拡張した血管と筋肉の間に炎症が起き、片頭痛が強く出ることがあります。
当院には頭痛外来があり、片頭痛はもちろん、交感神経興奮による頸肩部の緊張で増悪する緊張型頭痛にも対応しています。
Q.季節や天候で症状が変化するのはなぜですか?
A.人間は、環境の変化に反応して自律神経の変動も起こります。雨が降る前になると古傷が疼くという経験がある方も多いのではないでしょうか。低気圧になった時、副交感神経は優位になり、痛みや症状に対して敏感になります。逆に天気が良くあたたかい高気圧の日は交感神経が優位になり、痛みには鈍感になります。これを1日でみると、朝から昼の間は交感神経優位、夕方から夜になるにつれ副交感神経優位に変化していきます。
1年を通しても、春は徐々に副交感神経が優位に移行し、低気圧が多い夏は副交感神経優位になる時期、秋は次第に交感神経優位に移行し、冬は交感神経優位の季節と考えられます。
その季節の湿度や明るさ、短時間での気圧変動などさまざまな条件が合わさって、苦痛な症状として現れます。
特に春は自律神経失調症の症状が一番現れやすい季節です。春は環境の変化が大きい季節でもあり、新しい環境に身を置くことへの緊張や不安が大きいです。また冬から春に変わる時期は気温の変化が特に大きく、自律神経を乱しやすくなるので、普段からのケア・規則正しい生活など注意に気を付けてください。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
自律神経失調症・うつ病専門
産後うつ・産後クライシス専門
剛鍼灸院 豊田 豊田市大林町15-6-5
Tel:0565-27-4689
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
原因がわからない時に
最後にいわれる病名?
自律神経失調症に関するQ&Aをまとめてみました!
自律神経失調症Q&A
Q.自律神経失調症とは?
A.自律神経の働きが乱れ、心や体に不調があらわれた状態のことです。症状は様々で、人によって症状が違います。一般的に、
1、全身の倦怠感やめまいなどの不定愁訴がある
2、器質的疾患(病変)や精神異常がない
3、自律神経機能検査で異常がみとめられる
の3つが該当した場合、自律神経失調症と判断されます。
病院に行っても検査に問題がなく、気のせい、年のせいと言われたり、心療内科等に紹介されることもありますが、実際本人にはつらい身体・精神症状があるのが自律神経失調症です。
Q.自律神経失調症はどんな症状がでますか?
A.自律神経失調症になると、特に原因が思い当たらないのに様々な症状が現れます。
身体的には、
慢性的な疲労・だるさ・めまい・頭痛・動悸・ほてり・のぼせ・不眠・便秘や下痢・微熱・耳鳴り・手足の痺れ・のどの不快感・頻尿・残尿感
精神的な症状としては
イライラ・不安感・落ち込み・やる気が出ない・ゆううつ・感情の起伏が激しい
など
人によって出る症状、重さも様々です。
このようにたくさんの症状が現れるため、ほかの病気を疑って病院を受診される方が多いです。しかしいろいろな病院に行っても薬を飲んでも、おおもとの原因はストレスなどが主になるので改善されにくく、逆にそれがストレスになってしまうこともあります。いかにして原因のストレスを取り除き、自律神経のバランスを戻すかが改善への重要な課題になります。
Q.自律神経失調症の原因はなんですか?
A.自律神経は本来、人間の体が日中活動している間に働く交感神経と、夜間休息をとっているときに働く副交感神経が、およそ12時間交代で優劣が入れ替わっています。
しかし、大きなストレスが原因で、このふたつの入れ替わりがうまくいかなくなってしまい、主に交感神経が優位になった状態が続いてしまうと、ふたつのバランスが乱れ、自律神経失調症となります。
交換神経の極度な興奮は、体中の筋肉の緊張にもつながり、様々な不調の原因となるので、交感神経の興奮を和らげてあげることが自律神経失調症を治す鍵になります。
また、交感神経の興奮がすべての問題ではなく、こころとからだの修復をしてくれる副交感神経の働きが追い付いていないことも問題となります。
原因となるものは肉体的ストレスと精神的ストレスがあります。さらに細かくわけると、
不規則な生活リズム・過度のストレス・ストレスに弱い体質・ストレスに弱い性格・環境の変化・女性ホルモンの影響・病気による自律神経の乱れ
などが挙げられます。
Q.自律神経とはどんなものですか?
A.自律神経とは、自分の意志とは関係なく、刺激や情報に反応し自動的に働いて体の機能をコントロールしている神経です。
身体の動きに合わせて脈拍、血圧、体温の調節や、食べ物を消化する、老廃物を排出する、ホルモンの分泌のコントロールなど、人間が生きていくうえで重要な働きを24時間してくれる、とても大事な神経です。
自律神経には2種類あります。交感神経と副交感神経です。このふたつが均衡を保ちながら働くことによって体の機能を調節しています。
Q.交感神経とはなんですか?
A.自律神経系のなかでも主に昼間、活動しているときに働く神経です。運動中や、仕事で精神的に緊張しているなど、ストレスがかかった時に興奮しています。エネルギーを消費する神経ともいえます。交感神経が興奮すると体には様々な反応が起こります。例えば心拍が早くなる、血管が収縮し血圧が上がる、汗が出る、胃液の分泌が減り胃腸の動きが抑制される、などです。
不摂生な生活やシャワーだけの生活、睡眠不足、パソコン・スマホをよく使ったりすると、交感神経を過剰に興奮させる要因になり、身体中の筋肉の緊張につながります。
Q.副交感神経とはなんですか?
A.副交感神経は、睡眠中などリラックスしている時に働く神経で、身体を修復・エネルギーを蓄積し、元気な状態に戻してくれます。また、内臓に対しては迷走神経という名前に変わって働きます。胃腸で食べ物を消化するときに働くのはこの迷走神経です。
副交感神経が働くと、心拍が落ち着いたり、胃腸の動きが活発になる、血管が拡張する、脳は静まって眠くなるなどの反応が起こります。
Q.うつ病と自律神経失調症は一緒ですか?
A.似た症状が現れますが、異なる病気です。どちらもストレスなどが原因で発症すると言われていますが、自律神経失調症は心因的な要因が引き金となって起きる体の病気なのに対し、うつ病は脳内神経伝達物質の分泌異常によるものです。
不安感ややる気がでないなどのうつ状態は、自律神経失調症の代表的な症状の一つなので、勘違いされやすいですが、うつ病の場合、こころとからだ両方のエネルギー状態が極度に低下するのが特徴です。
しかし、長い期間自律神経失調症をそのままにしておくと、うつ病に移行することがある為、注意が必要です。
患者さん自身で判断するのは難しいですので、気になる症状がある場合はご相談ください。
Q.自律神経失調症は治りますか?
A.患者さんの症状によって短期間で完治する場合もありますが、たいていの場合自律神経失調症が完治するには多くの時間を要します。身体の疲れ具合や、更年期、環境の変化などで症状が軽くなる場合も、逆に悪くなってしまうこともあります。自律神経失調症は1日2日で効果が出る特効薬はありません。身体のリズムを根本から改善する必要があるので、治療には根気が必要です。
Q.病院での治療はどんなことをしますか?
A.問診、血液検査、心電図等で除外診断をおこない、ほかの病気が考えられなかった場合、自律神経失調症として診断されます。心療内科を紹介されることも多いです。主な治療は薬物療法です。自律神経調整剤や抗不安薬、漢方薬、ホルモン剤、ビタミン剤等が出されます。心理療法には、カウンセリング、行動療法、認知行動療法などがあります。
Q.自律神経失調症に対する鍼灸治療はどんなことをしますか?
A.まず、似たような病気、特に重篤な病気でないかを判断しながら、詳しく問診をおこないます。たとえ病院で自律神経失調症と診断されてから当院に来院されたとしても鵜呑みにはせず、担当鍼灸師が納得できるまで治療前に確認をします。
また東洋医学の考え方から、脈拍や声の張り、毛穴の開き、皮膚の緊張など身体の状態を治療のつど読み取ります。その時の身体の状態や以前からの変化など、患者さんの自覚症状と照らし合わせながらしっかりと説明をし、状態に合わせた治療をおこないます。
鍼灸治療をすると、刺激が末梢から中枢に伝わり、ホルモン系を介して内臓の動きを調整するなど自律神経のバランスを整えることができます。基本的に背部にある自律神経を整えるよう心地よい刺激をおこないます。またイライラや不安感、肩こり、めまいなど、その患者さんの出ている身体的・精神的症状に応じてツボを変えながら治療をすすめていきます。治療中にも副交感神経が優位になることで胃腸の動きが活発になり、グル音が聞こえてくることも多いです。
自律神経失調症は周囲の人に理解されづらい症状もあるため、自分だけで抱え込んでしまい、つらくなってしまうケースもあります。どんな細かいことでも気軽に話していただき、患者さんがより楽に生活が送れるようにサポートしていきます。
Q.鍼灸をするとからだはどうなりますか?
A.自律神経の機能は、呼吸、姿勢、刺激方法、刺激の場所によって変化します。この性質を利用して鍼灸治療をおこなうと、自律神経の乱れが改善され、正常に働くようになります。例を挙げると、
心拍数が落ち着く、胃腸の動きが活発になる、体が柔らかくなる、冷え症が改善する、などです。
これらは自律神経が整い、副交感神経が優位になりリラックスしたことを示しています。
Q.どのくらいのペースで治療に通ったらいいですか?
A.患者さんの症状や状態によって変わりますが、週に1~2回のペースで身体を徐々にいい状態にしていく、悪くならないようにキープすることが目安(理想)となります。
調子が悪ければその時に治療することが一番ですので、つらいときには予約前であっても構わず気軽にお電話ください。
Q.カウンセリングはありますか?
A.特別にそういったものは設けていませんが、身体の変化を察知して原因を追究・治療方針を決めるため、治療開始前、また治療中にも鍼灸師とじっくり話をする時間がとれます。気になること、不安等ありましたら、いつでも気軽にご相談ください。
Q.いろいろ症状がありますが自律神経失調症でしょうか?
A.自律神経失調症の場合もあれば、ほかの病気が絡んでいることもあります。自律神経の乱れチェックシートなどでだいたいの確認もできますが、気になる症状は一度担当鍼灸師にお話し下さい。その症状がどういった原因から出ているものなのか、重篤な病気ではないか、病院に行った方がいいかなども判断しながら説明し、治療させていただきます。
Q.病院で出された薬を飲んでいます。併用して鍼灸治療はできますか?
A.自律神経失調症は、病院と並行して鍼灸治療を受けられても全く問題ありません。患者さんの状態をしっかり把握するため、飲んでいるお薬を伺う場合があります。
Q.妊娠中ですが自律神経失調症の症状があります。妊娠中でも鍼灸治療は受けられますか?
A.もちろん受けていただけます。妊娠中や出産後はホルモンの変動が大きく、自律神経失調症になりやすい状態にあります。当院では開院当初から婦人科領域も専門に治療をおこなっているため、自律神経失調症の症状だけでなく、つわりや逆子、陣痛が来ないなどの妊娠中のマイナートラブルにも対応できます。薬が使えない状態であることも多いので、妊娠中の体の不調はお気軽にご相談ください。
Q.子供も自律神経失調症になりますか?
A.近年、子供の起立性調節障害が問題となってきています。この病気は思春期の子供に発症する自律神経失調症と考えられています。起立性調節障害の症状は、朝起きられない、立ちくらみ、倦怠感、立っていると吐き気がする、頭痛、集中力低下などです。
このような症状に対しても鍼灸治療は適用しますので、一度ご相談ください。
Q.更年期障害と自律神経失調症のちがいはなんですか?
A.更年期障害は「更年期(45~55歳くらい)にあらわれる多種多様の症候群で、器質的変化に相応しない自律神経失調症」のことです。自律神経失調症のなかの更年期障害といったほうが分かりやすいかもしれません。違いとしては、自律神経失調症はどの年代・性別・原因でも起こりうる可能性があります。それに対し、更年期障害は症状が出る原因や起こり得る年齢がある程度はっきりしているため、区別するために名前が別についています。
Q.無性にイライラするような精神的な症状も鍼灸治療で対応できますか?
A.精神的な症状(イライラ・不安感・ゆううつ・感情の起伏が激しいなど)に鍼灸治療は効果的です。自律神経を落ち着かるような治療とともに、患者さんのつらい症状に対しいろいろなツボを使い分け、精神が安定するようにしていくことができます。
Q.自律神経失調症になりやすいのはどんな人ですか?
A.真面目で責任感の強い人・几帳面で心配性・内向的な人などはストレスの影響を受けやすいので注意が必要です。体質的には、痩せていて虚弱体質、冷え性、低血圧の人もなりやすいといわれています。
男女では、思春期や更年期、出産後などホルモンの変動が大きく、自律神経にも影響を与えやすい女性の方がなりやすいです。
Q.自律神経失調症の予防はできますか?
A.自律神経失調症の原因である、自律神経の乱れを起こすストレスをできる限り除去することです。しかし、たとえば職場の人間関係がストレスの原因だった場合、職場を今すぐに変えるのは難しいと思います。ストレス社会の現代、まずは規則正しい生活をおくり自律神経のバランスを乱さないことを心がけてください。
Q.自律神経失調症と間違えやすい病気はなんですか?
A.一見するとうつ病にみえない「仮面うつ病」は、気分の落ち込みや倦怠感もありますが、肩こりや頭痛などの身体的症状が目立つ病気で、自律神経失調症と間違えやすいです。
めまい、耳鳴りを繰り返すメニエール病や、イライラ、不安、睡眠障害などが出やすくなるバセドー病、貧血、身体のだるさや頻尿を呈する糖尿病なども気を付けるべき病気です。
Q.自律神経失調症で耳鳴りの症状がでるのはなぜですか?
A.耳鳴りがする場合、自律神経の乱れが大きく関わるといわれています。なんらかのストレスなどで交感神経が過剰に興奮した状態が続くと、身体の筋肉が緊張状態になります。首や肩回りの筋肉も強張ってくるため、それに伴い内耳や内耳から脳に行く神経への血流も悪くなり、耳鳴りを引き起こす原因になります。自律神経のバランスを整え、首回りの筋肉の緊張を緩めることで耳鳴りは改善しやすいです。
メニエール病などめまい、耳鳴りが続く病気が疑われる場合もあります。耳の症状を感じた時は患者さん自身で判断せず、ご相談ください。
Q.自律神経失調症のめまいで動けません。往診はしてくれますか?
A.めまいが強いときは無理に動いてしまうと、かえってめまいがひどくなることがあります。そんな時は無理をせず、当院にご連絡ください。ご自宅まで治療にお伺いします。
Q.自律神経が乱れることで片頭痛が強くなることはありますか?
A.片頭痛の原因は、脳の中や周りの血管が縮小した後拡張するときに、周囲の筋肉が炎症をおこすことで起こります。大きなストレスを感じ交感神経が過剰に反応すると、血管も強く収縮し、周囲の筋肉は緊張しています。その後ストレスから解放されたとたん一気に副交感神経に切り替わりますが、この時強く収縮していた反動で血管も一気に拡張します。しかし筋肉はまだ緊張が解けきれず固まったままなので、無理やり拡張した血管と筋肉の間に炎症が起き、片頭痛が強く出ることがあります。
当院には頭痛外来があり、片頭痛はもちろん、交感神経興奮による頸肩部の緊張で増悪する緊張型頭痛にも対応しています。
Q.季節や天候で症状が変化するのはなぜですか?
A.人間は、環境の変化に反応して自律神経の変動も起こります。雨が降る前になると古傷が疼くという経験がある方も多いのではないでしょうか。低気圧になった時、副交感神経は優位になり、痛みや症状に対して敏感になります。逆に天気が良くあたたかい高気圧の日は交感神経が優位になり、痛みには鈍感になります。これを1日でみると、朝から昼の間は交感神経優位、夕方から夜になるにつれ副交感神経優位に変化していきます。
1年を通しても、春は徐々に副交感神経が優位に移行し、低気圧が多い夏は副交感神経優位になる時期、秋は次第に交感神経優位に移行し、冬は交感神経優位の季節と考えられます。
その季節の湿度や明るさ、短時間での気圧変動などさまざまな条件が合わさって、苦痛な症状として現れます。
特に春は自律神経失調症の症状が一番現れやすい季節です。春は環境の変化が大きい季節でもあり、新しい環境に身を置くことへの緊張や不安が大きいです。また冬から春に変わる時期は気温の変化が特に大きく、自律神経を乱しやすくなるので、普段からのケア・規則正しい生活など注意に気を付けてください。
うつを鍼灸で治す
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自律神経失調症・うつ病専門
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剛鍼灸院 豊田 豊田市大林町15-6-5
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