つらねのため息@gooブログ

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総選挙雑感

2012-12-17 20:06:00 | 日本のこと
ふーむ、自公圧勝ですか。3分の2を超えて再可決もできるわけで、ねじれ国会も気にしなくていいといえば気にしなくていいのだろうけれど、党内をまとめて公明党の賛同も得てというのは結構高いハードルのような気がする。
そして、公明党はどこまで安倍自民党についていけるのか。この間のこの党の行動原理は権力に擦り寄ることだけだったように思うのだが、全体が右傾化する中でどこまで、それをやれるのか(「人間的社会主義はどこへいった」とまでは言わないけれども)。

それにしても、郵政選挙以来のこの間の結果で、いい加減、小選挙区制がいかにひどいかがよくわかったのではないだろうか。毎回の選挙でがらっと議席は変動するが、そこで生み出される「チルドレン」達。小泉チルドレンや小沢チルドレンより今回当選した新人議員が有能であるとはちょっと思えない。ましてや「第3極」の新人議員なんてもっとひどいだろう。私たちは小選挙区制の下、「何か変わるかもしれない」という希望を持って政権を選択してきたけれども、いまだに政策を選択したことがないように思う。いい加減この選挙制度を何とかしないといけないというのが分かってきてもよさそうなものだが…。

結局、公明党に下駄をはかせてもらっている状態の自民党に小選挙区で勝つには、非自公を糾合しないといけないということで、前回それをやって見せたのが小沢さんだったということなのだろう。そして今回、小沢さんが身をもってそれを示してくれたということになる。
そもそも小沢一郎が脱原発なんてチャンチャラおかしいわけだが、あの党に期待した人たちはそれが何をもたらすのか、「こんなはずではなかった」ということを、これからつくづく思い知らされることになる。ベストではなかったにしてもよりましな政権とは何だったのか、脱原発を主張する人たちこそ思い知るだろう。すくなくとも新政権は民主党政権のように迷ったり悩んだりする姿をさらけ出しながら政権運営をしていくことはないのだから。

それにしても自民党というのはなんとしぶとい政党だろう。利権でつながっている「与党である」ことに意味がある自民党は、予算編成に数年タッチできなければ自ずと瓦解するという知人の見立てに何となく賛同していたのだが、この3回の予算編成を乗り切った自民党は本当にタフだなあと思う。

そして、参議院と併せて残った民主党はどこへ向かうのだろうか。残った人の顔ぶれをみると、そこそこの人が残ったようにも見えるが、同時に雑多な人が残ったようにも思う。「市民が主役の民主党」の時に少しはつくられつつあった党のアイデンティティは「政権交代」を至上命題にし、烏合の衆となっていく中で消えてしまった。
そういう意味でこの党が「社会党」や「社会民主党」を名乗れなかったのは、中道左派のアイデンティティをつくれなかったという意味でちょっとした悲劇なのかもしれない。
ポスト鳩菅の民主党がどういう方向性を示すのか注目したい。