つらねのため息@gooブログ

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加藤紘一氏

2008-07-13 00:57:09 | 日本のこと
自民党左派(笑)の加藤紘一氏が「拉致被害者を北朝鮮に返すべきだった」と発言して家族会から反発を受けたらしい。

加藤氏「拉致被害者を北朝鮮に返すべきだった」と発言 家族会・救う会が抗議声明
(こういう記事なので産経にリンク(笑):MSN産経ニュース2008.7.9 14:40)

氏のHPに釈明文が載っているらしいので、どれどれとさっそく見てみた。

トップページに載っているので、とりあえずリンク。

読んでみての感想は「まぁ、『釈明』にはなってないわな」というところ。恐らく、この発言を問題にする人は、「拉致被害者を北朝鮮に返すべきだった」という発言に理由があるかどうかや、「唐突」に出てきたかどうかを問題にしているわけではないだろう。拉致問題においてはもはや「とにかく北朝鮮が悪い」という奇妙な国民的神話が出来上がってしまっている。その議論のもとでは善悪二元論的な空間しか存在しない。そういう人たちにとって、この種の議論はどのような文脈であっても、受け入れるものとはならないだろう。

しかし、そもそも北朝鮮が「悪い国」だということは拉致事件が明るみになる前からわかりきったことであった(拉致被害者の何万倍もの人の人権が蹂躙されているのは間違いない)のだから、問題はどちらが悪いかということではなく、その「悪い国」といかに交渉するかだ。「拉致被害者全員の帰国を」と力んで見せたところで、実現しなければ何の意味もないただのお題目だ。

そういう意味では、加藤氏の発言は、当時の交渉における日本側の内情を改めて理解できて、興味深かった。当時、「一時帰国」がなぜ突然「返すべきではない」になったのか、疑問に思っていたのだが、やはりある程度はこういうことであったのだろう。

加藤氏の言う

1.拉致という犯罪を犯した北朝鮮から、「日本は約束を守らなかった」などといわれてはならない。日本人の誇りを大切にすべきである。
2.北朝鮮が拉致を認めて謝罪したあの時、北朝鮮はアメリカの攻撃を恐れていた。だからこそ、一気呵成に交渉を進めて、拉致問題の全面解決を図るべきだった。しかるに、北朝鮮に「日本は約束を破った」という不信感と口実を与え、その後の交渉が途絶える一因を作ったと考える。

という二つの点は、「いくら右の人でも、普通に考えればそのくらいは考えてないのかな?」と疑問に思っていたところである。ようやく、この国でもまともな議論ができるようになったのであろうか(まぁ今回も加藤バッシングが結構ありそうなので、そうともいえないのかもしれないが)?

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