「待機児童数『微減』でも・・・現状と統計数字に開き」 －（東京新聞・中日新聞）

11月8日付けの「東京新聞」「中日新聞」“待機児童数「微減」でも・・・現状と統計数字に開き”の記事に、保育所つくっててネットワークの代表、斎藤真里子さんのコメントが出ました。
この記事には、厚生労働省が発表した待機児童数が、実態を反映していないことがわかります。
記事の全文は以下の通りです。
ご参考にしてください。


以下記事・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


待機児童数「微減」でも・・・現状と統計数字に開き


今年４月時点で保育所に入りたくても入れなかった待機児童数は、厚生労働省のまとめによると、昨年同時期に比べて微減した。ただ、認可外の保育所に通いながら、国の最低基準を満たし、補助金もある認可保育所への転所を希望する場合などは、待機児童に含まれない。統計上待機児童の数は減ったが、都市部を中心に現状を反映していない。　（稲熊美樹）

　「子どもが３歳児になったら、仕事ができなくなるかもしれない」。東京都足立区のフリーカメラマン、小内愛子さん（３８）は、不安を抱えている。現在、１歳７カ月の子どもは、認可外だが都の補助金がある「認証保育所」に通う。

　仕事は夜遅くなることが多く、毎日お迎え時間ぎりぎり。今の保育所は２歳までなので、就学前まで通え、延長保育もある認可保育所を希望し、引っ越しも考えている。

　厚労省が今年９月末に発表した４月時点の全国の待機児童は２万４８２５人で、昨年に比べて７３１人減った。都市部が７９．３％を占める。

　ただ、「待機」していても、この数字に反映されていないケースがある。小内さんのように、東京都の「認証保育所」や、横浜市の「横浜保育室」など、自治体が独自に補助金を出す認可外保育所に通う場合、厚労省は待機児童から除外している。

　このような児童は、都市部を中心に全国で１万５４０８人いる。補助があるとはいえ、認可に比べて保育料が高かったり、部屋の面積基準などは国の最低基準を下回ることも。２歳児までだったり、園庭がない保育所もある。

　保育を実施する義務がある自治体に対し、認可保育所設置を働き掛けている「保育所つくってネットワーク」には「認証は、認可に入れないから仕方なく行く所だと思っている」「認可と認証の差は明らか。認可の増設は必須」といった声が寄せられている。

　代表の斉藤真里子さん（３７）は「入れるかどうかで、保護者同士の関係がぎくしゃくすることもある。子どもをつくることをためらう人もいる」と話す。

　近年、待機児童数を大きく減らしている横浜市は、保護者が４月１日時点で育児休業中で、入所不承諾の通知を受けた後、やむなく育休を延長した場合も待機児童から除外する。担当者は「育休制度をきちんと利用しており、待機児童からは外すのが適切だと判断した」と話す。このほか、自宅で求職中の場合も待機から除外する。「潜在的なニーズがあることは分かっている。保育所の整備は必要」とする。

　保護者らのニーズを把握しようと、全国の保護者でつくる「保育園を考える親の会」は、入所申込者から自治体が入所を認めなかった数を差し引いた数を調査。認可外に通う子なども含め、純粋に「認可に入りたくても入れなかった」数だ。

　今月下旬に発行される予定の「２０１２年版１００都市保育力充実度チェック」によると、今年４月に入所を申し込んだものの、入所できなかったのは全国の１００市区で５万５２２２人。待機児童として公表した数の１０倍以上に上る自治体もあった。

　申込者のうち、実際に入所できた割合は平均６８．５％にとどまり、昨年より悪化。５０％を下回る自治体もある。代表の普光院亜紀さんは、調査結果を踏まえ「厚労省の調査では、待機児童は減っているように見えるが、親たちは認可保育所に通わせたいと思っている。行政は親のニーズに応えられていない」と指摘する。

（２０１２年１１月８日）

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