保育所つくってネットワーク

保育園をつくって~! 東京都足立区のママたちが立ち上がりました!!

保護者と区との懇談内容@3月27日

2014-03-30 | 異議申し立て
先週の3月27日に足立区に8人分の異議申立書の提出を行ない、そのあとに区の担当課の方々と懇談をしてきました。

懇談に参加した方々は以下のとおりです。

<足立区>
子ども家庭部
・子ども家庭課課長
・保育計画課課長
・保育課課長

*上記課長さん方のほかに、速記の方、補佐の方が参加されました。(計5名)

<保護者>
不承諾通知を受けた母親4名
これから申請予定の母親1名、父親1名
保育所つくってネットワーク代表    (計7名)

はじめに課長さん方のご紹介のあとに、保護者たちでまとめた要望書の内容をお伝えし、それぞれの保護者から具体的にどのように困っているのか、なにを望むか、そして疑問や質問を出して、区の方の答えていただくという流れでした。

懇談で語られた内容は以下のとおりです。

保護者Aさん
0歳と3歳の姉妹が2人とも、どこの認可保育園にも入れなかった結果、2人を別々の認証保育所に預けることになり、3歳のお姉ちゃんは毎日電車に乗せて通園しなくてはならなくなってしまった。大丈夫なんだろうか、ととても不安。働くことに対して、自分がいけないのかなという気持ちになってしまう。2人同時に認可外だと費用の負担が重いです。たとえ認可外に入れたとしても3歳からの預け先を探す保活が続くことになるし、一番安心して通わせられる認可保育園にもう少し入りやすくなるように増設をしてほしい。

新田在住のママさんからも、認可保育園の増設をお願いしたいと言われた。

保護者Bさん
認証保育所に通って仕事をしていたけど、それでも今回の申請で不承諾になってしまった。今の園に通えるのはあと1年で、もしまた入れなかったら、仕事を辞めなくてはいけないのかと不安な気持ち。梅田の都有地の環境のいいところに認可保育園をつくってほしい。

保護者Cさん
1歳4ヵ月のこどもがどこの認可保育園にも入れなくて、一時は不安で眠れなくて、睡眠障害になってしまった。結果的には荒川区の認証保育所に通うことになった。夫婦ともに正社員で働いていても入れないことに驚きです。自分のマンションは250世帯で、同級生のこどもが30~40人もいる。千住の近所では来年もマンションが2棟完成する予定で600世帯が増えることになり、認可保育園への入園はますます厳しくなることは目に見えている状態だが、保育の担当課では把握されているのか?・・・。

保護者Dさん
1歳になったばかりの下の子が0歳児からの申請を続けていても、結局4月にも認可保育園に入ることができなくて、認可保育園に通っていた3歳のお兄ちゃんまでも退園することになってしまった。認可外の施設では費用の負担が大きく、それを利用する選択肢はない。。同点でも入れる人と入れない人がどのようにして選考されているのかを知りたい。

保護者Eさん
これから生まれてくるこどもの申請を控えていて、保育園に入れるのだろうかと、とても不安を感じている。来年から始まる新制度のことも気になる。花畑のほうは子育て世帯がとても多くて、認可保育園の増設の必要性を感じます。

保護者Fさん
マンション内の託児ルームの運営業者が撤退することが決まっていて、そのあとの継続は白紙になっており、不安を感じて、理事会内に子育て専門委員会を立ち上げた。存続させていくうえでネックなっているのは運営費。最初の5年間はディベロッパーが1,000万円を託児ルームの運営業者側に提供していたことで運営が成り立っていたが、それがなくなることで、立ち行かなくなっている。調べると、どこのマンションでも同様に、最初の5年程度で事業が撤退しているケースが多い。「マンションの付加価値」というのは最初だけのものなのか。運営のためにネックとなっている費用やその他のことでも、マンション側でできること、区にお願いできることなどを伺いたい。自分も3歳のこどもがまだ認可保育園には入れず、これから生まれる予定のこどものこともあって、不安を抱えている。

代表より
認可保育園の設置については、都有地の積極的活用を!と、都知事も言及している。こどもたちにとってより良い保育の環境を提供するためにも、足立区でも親からの要望がでている梅田8丁目の都有地の利用について、引き続き検討をお願いしたい。
来年度から始まる新制度の施行にともなって、今年の秋から申請の手続きや期間が変更することになっていて、親への周知が急務になっている。親向けの説明会を開くなど、わかっていることだけでもお知らせを早めにお願いできないか。


区からの回答は以下のとおりです。

*太字は区の回答、青字は親の感想です。

<認可保育園の増設について>
去年の「待機児童対策アクションプラン」の改定時に、共働き世帯の算出の仕方を上方修正して、計画を立てている。来年度は以下の地域に合計4つの認可保育園が開設される予定。

西新井(第三団地【現・UR】内)、梅田(鉄道高架下)、東綾瀬、六町

再来年度以降の計画については、新制度の影響もあり、未定。新制度が施行されたあとは、民間業者がどこで「やりたい」と手を上げるかによってくるので、計画がどのようになるか読みにくい。
→ 4つの認可園の増設計画が進んでいることは、大きな前進だと思います。しかし今後は、新制度の中で認可保育園の増設がどのように位置づけられていくのかが、ポイントになりそうです。区の話からだと認可保育園の設置はますます民間任せになっていくようで、不安を感じました。鉄道の高架下につくられる保育園についても、本当にそれでいいのだろうかと、複雑な気持ちになりました。

<千住でまだマンション開発が進んでいることについて>
まだ開発が進んでいるところについては、検討していきたい。

→ マンションが建ってからの後追いでは遅くないか。開発段階から保育の担当課が計画に加わって、マンション建設と同時に認可保育園の設置ができないものか、と感想が出ました。

<同点の親たちをどのように選考しているのか>
同点の方が並んだ場合は、いわゆる第2の基準を利用している。この基準を公表する予定はないが、異議申立書等で開示の請求があれば、書面による回答を行なっている。異議申立書の回答は5月から6月を予定している。


<マンション内の託児ルームの運営について>
区や国が補助金を出すためには、託児ルームをマンション外の人たちにも開放する必要がある。その上で、新制度内で、国の事業として始まる「小規模保育室」などの基準を満たした運営にすれば、補助金をおろすことができるかもしれない。まずはマンション内で、同意を取り付けることが必要。


<新制度についての親への周知について>
足立区から、厚生労働省に、親向けの説明会を開催してもらえないかと依頼をしたところ、東京都が行なうとの返答。都に問い合わせたところ、足立区に出向いての説明会はできないが、都が親向けに開催する説明会があるので、そちらに参加してほしいとのこと。

→ 詳細は追って調べて情報提供したいと思います。

*足立区の担当課で独自に説明会を開く予定はないのか、聞いたところ、区として説明会を行なう予定はないとのことでした。

*足立区版の子ども子育て会議の内容は1カ月後には公表するようにしたいとのことでした。



<新制度による契約形式の変更にかかわる質問>
認可保育園のしくみでは、児童福祉法第24条のもとに、区は利用者が入所する園を「決定」しているが、民営の認定こども園や認可外保育サービス(認証保育所は除く)では「あっせん・要請」という形式に変わります。園の経営側から入所者が選別されるようなことは起こらないのか聞いたところ以下のような回答でした。

新制度での「あっせん・要請」でも基本的にはよほどのことがなければ、園側が断れないことになっている。
この4月には保育関係課の組織編成があり、すべての保育施設とサービスを指導していく課が新設される。ひどい運営業者については適切な指導を行なっていく。



親たちは全体の感想として、保育を提供する責任をはたすべき足立区が、国任せ、民間任せの姿勢になっていると強く感じました。新制度のもとでは自治体の裁量部分が大きくなります。足立区として、子ども施策に対してどう取り組むのか、区として保育をより良いものにするためのイニシアチブを取らないのか、と、とても気になりました。親の願いに沿う形でより良い保育を実現するための足立区としての施策をぜひ望みます。

懇談は予定の時間よりも長くなってしまいました。お話してくださった課長様方には感謝の思いです。
さいごには、親からの要望をぜひ区長さんにお伝えくださいとお願いをしました。

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