夜汽車

夜更けの妄想が車窓を過ぎる

3台のギター

2019年06月09日 16時59分18秒 | 日記

上段は、古楽器製作で高名な丹波篠山の平山氏のギター。氏のガンバ、ピアノの祖先(何と言ったっけ)、パイプオルガン、リュート等の製作修復経験に基付く構造や寸法の考え方、日本人の体格に適合する寸法、によって創られた独特のギター。スプルースとローズウド、弦長61cm、セラックニス仕上げ。19世紀ギターの新古品と言う雰囲気がある。

中段は有名なスペイン、トレドのマニュエル・ロドリゲス工房のフラメンコギター。スプルースとシプレス、弦長65cm、ウレタン塗装。如何にもスペイン。

下段はルーマニアのバイオリンメーカー HORA reghin のECO modelギター、棹まで全て楓材、表甲はスプルース、弦長65cm、ウレタン塗装。試供品のようで初めからラベルがない。如何にも東欧、しかし響孔モザイクが【ローマ】の子孫であることを物語っている。

どれが自分に最適のギターか?を探り出したい、と言うわけで Isaac Albeniz の Mallorca 、Dilermando Reis の Eterna Saudade をとっかえひっかえ弾いて見る。

atelier HIRAYAMA : とにかく弾き易い、音がどの弦のどのポジションでも【輝くように出る】、楽器全体が鳴る。
Manuel Rodriguez : 何と言ったらいいのかな?この chrispy な音と余韻、決して大きい音ではないが魂を持って行かれるような音。
HORA : 多分【棹が楓】のせいだろう、表甲は決して上等とは思えないが【芯の詰まった】音がピーンと辺りに染みとおる。細胞の中にまで沁みて来るような気分。

どれか一台しか残せないとなったらどれ?と考え始めて結論が出ない。
で、最も【生き生きと、自分独自の、聴かせる演奏を【させる】のはどれだ? と何度もやってみると【鼻の差】で 平山さんのギターかな?

ああ、ナヤマシイ、苦しい、僕は不幸だ!

オマエ、リュートはドースルンダ?!

大体欲張りなんだよ!

ただあらためてこうして並べて見ると平山氏のギターが最も各部の均整がとれて姿が美しいことに気が着いた。

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