七夕
――織姫愛歌
全六首
ゆあみして
ゆかたあてやか
うすけしよう
いさこきいてん
あなたかもとへ
湯浴みして浴衣艶やか薄化粧
いざ漕ぎ出ん彦星《あなた》がもとへ
かわらさる
すかしきゑかお
なつかしく
ないてしまいし
あまのかわはん
変わらざる清しき笑顔懐かしく
泣いてしまいし天の河畔
ひみなりと
わかてりようりを
たいらげて
われおりいとしと
なくひこいとしや
美味なりと我が手料理を平らげて
我織姫愛しと泣く彦星愛しや
ひこやひこ
おりのわかまま
きいてたも
あさまてねすに
おりめててたも
彦星や彦星織姫の我儘聞いて給
朝まで寝ずに織姫愛でて給
ひこかほか
たれにもゆるさし
このはたに
ひこよなんしか
らくいんをおせ
彦星が他誰にも許さじこの肌に
彦星よ汝が烙印を押せ
きぬきぬは
いまもむかしも
さみしかり
ひこほしおりひめ
やまぬくちづけ
後朝は今も昔も寂しかり
彦星織姫止まぬ口付け
written:2022/07/07