ラヂオデパートと私

ロックバンド“ラヂオデパート”におけるギタリストとしての津原泰水、その幾何学的な幻視と空耳。

ナンタルチア!

2010-02-02 17:56:00 | ギター
 ナンタルチア! という書き文字を古い手塚漫画に見てから、「なんたる~!」という感嘆と「サンタルチア」を掛けてある事に気付くまでに十年くらいかかった。むかし流行ったんだろうね。ナンタルチア! 気が付けば節分イヴである。このところ人前に出てばっかりで、ろくに仕事をしていないような気がする。八割完成している長篇の残りに、たかだか三十枚の短篇に、何箇月かかっておるのだこの能無しは。
 とか云いながら、明後日2/4が青い部屋でのラヂオデパート、翌日2/5は渋谷屋根裏でキャプテン・ロケット、その翌日2/6はBunkamuraギャラリーでの金子國義画伯とのトークショウ。いま生まれて初めて、渋谷に住みたい。
 これだけイヴェントが続くと逆に人を誘いづらい。自分がインフレし価値が暴落しているような恐怖感がある。上記渋谷の日々で、どれに来ていただけるといたちばん有り難いかと云ったら、正直なところ四日の青い部屋です。どうか一人でも多く、と祈るような気持ち。19:40から演奏とのことで時刻的にも妥当かと。
 キャプテン・ロケットはなんと18:30からだそうで、部活じゃあるまいにどんな社会人を呼べというのだ。これはもう、他のバンドの連中をお客さんに見立てて演奏するほかないと諦めている。一方Bunkamuraは、どうやっても人が集まるから気楽なもの。

 さてと、また莫迦な真似をした話。“最低これさえあればなんとかなるギター”の最右翼バーンズ・スティアの鍍金ピックガードが、酷使の結果剥げ剥げになったので、いっそ剥げない素材にしてしまえとアルミニウムで作製している所を探して依頼し、意気揚々と交換してみたらばまるで音が変わっている。うわ、こんなに変わるのか。自力で元のピックガードに戻せば戻したでまた悪い事が起きそうなので入院内定。有名ギタリストが同じギターばっかり何本も用意している理由が、こういうとき痛感される。
 代わりになる楽器はどれだっただろうと、期せずして家中のギターを弾き直す羽目となった。難しいのは楽器としての性能とバンドに合うかどうかはやや話が別という点で、例えばアリアのスタインバーガー擬きを僕は余り気に入っていないが、やたら音圧の高いキャプテン・ロケットでは多楽器の間を擦り抜けるような帯域の音を発する。十二絃ギターは大好きだが曲によっては不自由する。
 予想外に良かったのがムスタングだが、一本調子な音色なので、全曲これで? と考え始めると心許ない。かと云って複数の楽器を運ぶ体力など無い。より感心したのがジャズマスター。福山庸治画伯が全面にペイントしているあれ。さすが当時フェンダーの最高級品だっただけの事はあり、どんな曲にも対応できそうだ。ノイズ対策が不充分だったりフレットが一部浮いていたりで即戦力にはならないが、いずれ舞台に登場するかと思う。
 グレッチも意外と良かったが、僕のそれはアコースティックに近いので大音量には向かない。あれ? 片方のピックアップが鳴らない。トグルスウィッチが機能していないと気付いて、分解修理。何をやっているのだ俺は。

★2010/2/4(木) 渋谷“青い部屋”
http://www.aoiheya.com/
 19:30start 23:00close
 前売:2,000円 当日:2,300円
 ラヂオデパートの出演は19:40から。津原までメールをくだされば前売料金となります。アドレスは【aquapolis】のトップ頁の僕の名前をクリック。
http://www.tsuhara.net/

最新の画像もっと見る

コメントを投稿