ラヂオデパートと私

ロックバンド“ラヂオデパート”におけるギタリストとしての津原泰水、その幾何学的な幻視と空耳。

暴食

2008-09-19 14:53:36 | ライヴ
 2008/9/18、渋谷屋根裏にてライヴ。得意曲のみ並べたので楽勝と思いきや、意外な敵が。
 満腹。
 リハーサルから本番迄、下手をすると三時間位の待ち時間が生じる。仕方なくサイゼリアなんぞでだらだらしたり、いい加減飽きてくると楽器店で試奏したりして過ごす。昨日はたまさか、二時間食い放題コースが用意されており、なんだか懐かしくもあるシェイキーズに入った。
 いくら食っても同じ値段となれば、つい頑張って食う。食いに食う。食いきれん。一時間半で断念して店を出た。メンバー一同、歩き方がおかしい。背筋を伸ばし、能楽よろしくそろそろと歩いている。胃が苦しい。確かに大食はしたが、なんだこの未消化感は。ピザにたっぷりと乗っていた、妙に味の薄いチーズの威力だろうか。

 本番までの小一時間、腹ごなしに努めたが、ピザは奇蹟の腹持ちを見せ、ゲップが出そうな状態でのステージと相成った。失敗といっても曲順を間違えた程度だが、お客の皆様に対して申し訳ない気持ち一杯なのである。脳にまわる血が薄く、ともすれば歌詞が消失しそうになる。時間感覚が薄い。要するに冷静ではなかった。
 飲酒に近い事が起きた、と認識している。如何に気分が若かろうと、昔の身体ではないのだ。莫迦をやった。今は反省している。反芻もしている。凄過ぎるぞシェイキーズ。

 津原の機材は例の如く、リッケンバッカー360/12(改造箇所多数)、アイバニーズのチューブスクリーマー(ブースターとして)、ヴォクスAC15のみ。これが定番化してきた。十二絃という事でチョーキングには不利だが、元々ジャンゴがフェイヴァリットなので本来の姿に戻ったといったところ。リッケンバッカーは絃間が狭く、そこに十二本が押し込まれているのだから、ピックを深く持ってちまちま弾かねばならないが、これにもさすがに慣れた。最高音が指板の真ん中辺にある点も、慣れてしまえば積極的に活用できる。音色の変化は全部手許(ボリュームやセレクター)。〈雲雀よ雲雀〉の伴奏でときどき変な倍音が混じるのは、あれはコードを弾いた後でブリッヂとテイルピースの間を弾いているのだ。
 エイジングの為かAC15の歪みが随分良くなってきた。リヴァーブの目盛はゼロにしているのだが、回路を通ってはいるので幽かなリヴァーブ感があり、この点も心地好い。
 太朗もいつものベース。ギブソンのEB-2D。アンプはライヴハウスのもの。
 奥野は本来フロアだという妙に大きなタムを持ち込んでいた。これが良い。

 青い部屋から急のお声が掛かり、10/2(木)の出演が決まった。ラヂオデパートの出演は八時半の予定。セッティング込みで四十五分というから、昔のライヴハウスの尺だ。色んな事が出来そうである。暴食の過ちも繰り返しませんから、是非お運びください。
 以後はというと、11/17(月)代々木Bogaloo(ブーガル)での、ヌートリアスのレコード発売記念迄、たぶんライヴは無い。
 新曲でも作って過ごすか。Brinsley Schwarz(ブリンズリー・シュウォーツ。昔はブリンズレー・シュワルツと表記した)風の、素朴で且つ捻りの利いたロックンロールを何曲か作れたらと思っている。

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