トゥルーデは俺の嫁(trudebraut)のチラ裏blog

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【今更】シン・エヴァンゲリオン劇場版:||の視聴完了【レビューっぽいチラシの裏】

2022年11月07日 17時11分08秒 | チラシの裏

◆シンエヴァを見た結論

『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』面白かった。

TV版エヴァを見る前あるいは途中まで見た頃なら、エヴァンゲリオンに求めていた物語や結末は『シンエヴァ』の内容そのものだったんだろうなぁと思い返した。

でもTV版を見終わりその意味不明さを理解しようと考察を読みあさったり、旧劇場版にTV版の答を求めて見たものの庵野監督にだまくらかされて何かよく分かんないものを見せられて…。

でもそのだまされる事すら(愛國戰隊大日本を作るような)尖っている庵野監督だからと受け入れて、なかば詐欺師にだまされるのを喜ぶような心持ちで序とか破も見た。

だからQやシンエヴァもやっぱりそういう気持ちになると覚悟しながら見てみたら、Qやシンエヴァは普通に面白い作品だった。

だが面白くて最後まで見てしまったものの、私は内心尖っていると思っていた庵野監督も(つまんない)大人になってしまったんだなぁ」とも思ってしまったのだ。

じゃあ『見て後悔したか?』というともちろんそんなことはない。

『つまんない大人の作品だ』『物語やアニメとしてはすごい楽しかった』というアンビヴァレンツな心の葛藤が、私の中で強くせめぎ合うだけの衝撃は与えてくれた。

とにかく長年追いかけてきた甲斐のある作品だったのは確かだ。


◆今日の結論までのチラシの裏

先に言っておきますが私はにわかファンでしかないので、本記事にはエヴァに関する考察とかはまったくありませんのであしからず。

では以下本文です。

とあるゲームがプレイしたくて、今まで殊更遠ざけてきたAmazonプライムの無料体験に入り目的のゲームは無事入手したのです。

でも折角プライムに入会したのだからPrime Videoで何か見ようと期間終了間際、たまたま目に入った『ヱヴァンゲリヲン新劇場版Q』と『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』を見たのです。

正直『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』とか『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』を映画館で見た頃は「あぁ庵野監督の事だからどうせ観客を韜晦させてお茶を濁すんだろうな…」と考えて、まぁ実際の内容もその期待に外れないような感じでした。

でもその尖った監督による作品の内容は決して万人向けではなかったものの、ずっと追いかけてきた個人としては好きでしたし、それを劇場で見たという体験自体も楽しかったのです。

TV版のラスト付近や旧劇場版よりは理解しやすく、にわかファンの私が見ても面白かったですしね?

で今回Qとシンエヴァを見て良かったとは思ったんですよ?…思ったんですけど『普通に面白いつまんない大人の作った作品になっちゃったなぁ』というのが最終的な感想です。

別の例として新海誠監督の映画があります。

氏の初期の映画は目を惹きつける映像美、それに反する様な美しくない救いの無い物語、見終わった視聴者側の虚無さ加減は映画の内容はともかく体験として強い印象を残してくれたんです。

ですが新海監督の最近の作品は、普通に見られるエンターテイメント映画に仕上がってるんです。

映像は初期の頃と比べると特筆するほどではありませんが、他と比べれば充分以上に美しいままそこに割くエネルギーを物語に回した分、楽しめる映画になったのです。

多分彼を支えたり万人が楽しめるよう軌道修正してくれる人達が彼の周りについてくれたんでしょうね、宮崎駿監督で言うところの鈴木敏夫さんにあたるような人が。

今の作品は面白いし次回作も楽しみなのですが、初期のような見終わった後になんとも言えない感覚に陥る映画はもう多分見られないでしょう。

じゃあ新海監督の初期の映画は楽しかったか?というと、そんな事はなく「くそつまんねー映画を見た!」って事はもう無いと思うので朗報だとは分かってるのですが。

でも「新海監督に求めてるのはコレじゃねーんだよ…」という一抹の寂しさは覚えるのです。

で、同じ感想を今回のシンエヴァを見た後に思ったのです「庵野監督とエヴァに求めてるのはコレじゃねーんだよ…」と。

冒頭に書いたとおりTV版エヴァを見る前あるいは途中まで見た頃なら、エヴァンゲリオンに求めていた物語や結末は『シンエヴァ』の内容で合っていたのです。

エンターテイメントたっぷりで厨二要素もあり、主人公が成長してご都合主義ながらも大団円を迎えるお話です。

シンエヴァが面白い作品だと感じたのは尖った庵野監督が丸くなったからでしょうし、私自身が歳を経て大人の視点でものを見られるようになった事もあるでしょう。

でも私個人としてはエヴァに救いやご都合主義な大団円は求めていなかったのです。

でも一方では作中で大人となり荒廃した世界でも生き続ける鈴原トウジや相田ケンスケの様な視点で、シンジ君を見つめたり諦観を覚えたりそういった共感もありました。

でも一番共感を持ったのは、かつてイヤホンをつけることで外界と自分を断絶させ内にこもる碇ゲンドウだったというオチには少し苦笑いしました。

大人になって丸くなり皆が納得できる成果を上げられるようになった庵野監督、コミュニケーションを嫌い外界と自分を断絶させ続けはしたが最後まで自らを貫き続けた碇ゲンドウ。

私はどちらかにもなれなかった故、二人の存在は眩しかった。

閑話休題

まあ客観的にはQやシンを見て良かったと思いましたし、むしろ当時のエヴァを知らない方が序破Qシンを楽しめるのではないでしょうか?

 

そういえばQの空飛ぶ戦艦型エヴァであるヴンダー発進のシーンは、同じく庵野監督が手掛けた『不思議の海のナディア』のN-ノーチラス号発進シーンを彷彿させてくれました。

元は言わずもがな宇宙戦艦ヤマトの発進シーンのオマージュなんでしょうが、エンターテイメント的な外連味はエヴァっぽくないとは思いつつ「あーやっぱこの発進シークエンスはたまらんなぁ…」と思いました。

別にヤマトを知らない世代でも、SF好きだったら心が沸き立つ感覚を覚える人も多いのではないかと思います。

ちなみに私宇宙戦艦ヤマトは再放送で見ているだけなので、その世代ではないですよ?

まぁそんなわけで冒頭の『つまんない大人の作品』という私の感想はさておき俯瞰的に見れば、多くの人の心を揺さぶるエンターテイメント映画には仕上がっているので、興味が湧いたなら是非『ヱヴァンゲリヲン劇場版:序』『破』『Q』の三作と『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の視聴をお勧めします。

TV版や旧劇場版はまぁ気が向いたら見る…ぐらいの気持ちで良いと思います。

コアな人は「いやこれはTV版からのループ物となっていてTV版から見ないと…」と文句も出るかもしれませんが、ライト層なら見ていて楽しい新劇場版だけで良いんですよ。

当時私たちが味わった苦痛を与えてまで、今の人にTV版や旧劇を見せるこたぁないのです。