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うつを悪化させない鑑賞物

2019-04-15 | 症状とともに生活する

この記事はトラウマやうつの症状を抱えて生活している仲間のみなさんに向けて書きます。 関連記事:環境神話

私の場合ですが、「元気が出る」ことを期待してやったことが返ってトラウマやうつの症状を悪化させることがかなり多いです。

ハートウォーミング系の映画やミニコンサートに出かけて、気分を変えようと試みた結果、逆にうつが強く出ることが多いです。

同じだと言う人がいると思うのですが…  哀しい時に、まぶしい綺麗な桜の花を見たら、哀しさが増すのと似ています。

だから安易に、元気を出すため気分を変えるため、自分の今の状況と逆の様子を描いた刺激(映画とか)にさらされない方がいいと

私は考えています。対比して、フラッシュバックが頻繁に起こります。返って哀しみを深く感じ、胸がえぐられる…

 

トラウマ、うつ、強迫性障害、睡眠障害などの症状を抱える私の場合はそうですので、参考になればと思います。

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トラウマ経験とリンクしてしまっている音楽は聴けなくなってしまいましたが、リンクしていないものを網の目をくぐるように選んで聴いています。

Chopinはリンクしていないので、聴けてよかったです。

Chopinのバラード1番やソナタ3番1楽章の、とても美しい旋律がありますが、その良さは、暗くて険しい旋律の中に途中で出てくることで際立って感じられると思いました。

プレリュードやエチュードやノクターンやマズルカなら、最初から最後まで美しい旋律が流れ続けたりしますが、バラードやソナタでは、悲しさ、険しさ、暗さ、激しさ、深刻さから始まって、途中でえもいわれぬ美しい旋律が出てくることで、それが強く印象づきます。けれどその清らかな美しさで終わらずまた激しさや、憂うつ、激情ffの美しさや悲しさが来て、終わります。

そういう構成の音楽は、私にはとてもいいです。神経に沿った感じで安心して身を委ねて聴けます。

こういった複雑な構成の音楽は、うつやトラウマを抱えた他の人達にもいいかも知れないと思っています。

逆に、一貫してまぶしさで満ち溢れている曲は、憂うつを起こします。(元気な頃は、そのまぶしさに満ちたのが大好きだったのですが、症状が出てからの話です)一貫して激情に荒れ狂う曲は、いいです。

精神を深く病んでしまった仲間の友人も言ってました。彼女は重い症状の子です。ベートーベンの「月光」1楽章やサティの「ジムノペディ」がいいって。私もわかります。

「月光」1楽章は、悲しい調べが静かに淡々と続く曲です。左手の音は重く、その静かな旋律を支えます。その中で少しの音の違いで美しい旋律に変化したりと淡々と入れ替わり、1音1音が語って響きます。「ジムノペディ」も、綺麗でゆっくりだけど、憂うつに響きます。

そういう曲は、精神を病んだ人の神経に沿うように思います。「月光」は2楽章、3楽章まで聴いても、いいと思います。2楽章は明るいけど、暗い1と3楽章に挟まれていますから。

音楽も、選曲によっては返って悪化します。不本意にも哀しみをえぐられたりします。歌詞はトラウマとリンクしてしまう恐れがありますので、音だけのが安心です。

複雑な構成の曲や、あるいは「月光」のように、ちょっとの音の違いで悲しさ、美しさが淡々と入れ替わっていく曲や、「ジムノペディ」のように綺麗な響きと憂うつとが入り混じって進行する曲が神経に沿うように思います。

 
こういうのもいいよ、というのがありましたら、教えて欲しいです。


上に書いた重い症状の子は、音楽好きの子でもないけど、その感度は鋭敏でした。「これがいい」って言うものに、狂いがないというか。

切実だから、副作用的にそういう感度が磨かれるように思います。


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