TREE CIRCLE 「小さな写真便り」 （37）

◆◆ 冬の木々たち・冬芽の表情 『クロモジ』 ◆◆

　寒い冬を迎え、野山の草木は静かに眠っているかのようです...。冬の寒さと乾燥に耐える木々たちが、「春」を迎えて 其の「葉」や「花」を展開・伸張する為に、とても大切な役割を担う『冬芽（とうが）』を付けます。此処では、そんな『冬芽』の持つ 色んな表情をご紹介してゆきましょう。

　さて、今回は「クロモジの冬芽」をご一緒に見てみましょう。クスノキ科の「クロモジ」は、あの『高級爪楊枝』の原材料としても知られていますね。(^-^　

　私が育った大阪府河内長野市では、クロモジの爪楊枝生産量が日本一だと、よく聞かされたものでした。東京都内の日本橋には、『さるや』さんと云う『爪楊枝の店』があります。爪楊枝だけを専門に扱うお店としては、国内では此の1軒だけでしょう。

　さて、そんな「クロモジ」の冬芽を見ると、なんともユニークな形をしています。拳を振り上げたような芽と、ロケットのような形のものが見えますね。丸い芽は、春に『花』となる冬芽で 『花芽（かが）』と呼んでいます。亦、真ん中の長い芽の方は、春に葉っぱを展開する冬芽で 『葉芽（ようが）』と呼びます。

　そう 「葉」と「花」の冬芽が、それぞれに分けて作られている事が判ります。外見的にも形が違っていますから、どちらが「葉」になるのか 或いは「花」になるのかが一見して判りやすいのも特徴ですよ。(^_^)

　今回は、冬芽に『葉芽』と『花芽』を付けた、クスノキ科「クロモジ」の写真を ご紹介致しました。(=^-^=)