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ドイツ太陽光全量買取を13年には廃止

2012-02-28 20:40:49 | 独り言
独、太陽光全量買取13年廃止へ 買取負担重荷に 電気新聞 2012/02/28

ドイツ政府は太陽光発電の全量買取制度を2013年から廃止することを決めた。 同制度のもとで太陽光の導入量が急拡大し、電気料金を通じた電力消費者の買取負担額が膨らんでいるためだ。 今年4月以降に電力系統に連系する太陽光については13年1月以降、各設備の発電量の10~15%を買取対象から外す。 買取価格は今年3月上旬に数割下げた後、5月以降はさらに毎月引き下げていく。 再生可能エネルギーの導入先進国でも、太陽光の大量導入に伴う費用負担に耐えかねる状況が生じている。 日本で進むエネルギー政策の見直し論議にも一石を投じそうだ。

ドイツ政府が23日に発表した素案によると、太陽光設備の価格低下にあわせて買取価格を下げ、設備設置が過剰にならないようにする。 全量買取をとりやめ、一部の発電量については自家消費や電力市場での売却を促す。 買取価格の改定前に駆け込みで系統連系に殺到する事態を防ぐため、買取価格の改定頻度を半年ごとから毎月に変える。年間の太陽光設置量には目標値を設け、目標値からかけ離れた実績となった場合は省令によって買取価格を修正できる。


原発は絶対駄目!自然エネルギーが採算ベースになるまでは天然ガスだ!」と云うのが、我が国日本の現時点でのコンセンサスなのだろう。

原発は止まったけど電力不足は起きなかったので原発は不要・・・と云うのは少数派の考えだと思う。勿論、省エネに励み電力消費量を一方的な右肩上がりから脱却させようと云う努力は大切だろう。だが、TV放送を法的に制限しない限り・・・大幅な節電には至らない筈。

日本の全エネルギー消費の内で、電力は23%。その内の6%は原子力発電に頼ってきたが、その6%の全量を自然エネルギーに切り換える迄(現在0.5%しか無い自然エネルギーが6%になるまで)足踏みをして待つ事は出来ないので調整用電源としていた天然ガス発電に切り換えよう・・・と云う流れなのだろう。だが、これは短期の問題先送りにしかならない。

オイルショックの頃から叫ばれていた石油資源の枯渇は、価格高騰は続けたモノの現時点に於いても産出量は右肩上がりで石油資源の枯渇は「ピーターの狼」化している。だが・・・、恐らく、中印を中心にした大幅な需要増を背景に石油資源が需要過多になり不足し始めるのは、もはや時間の問題だと云える。過去記事にも書いたが、石油資源が完全に枯渇する迄には後50年の猶予は在るだろうが、その頃には1バレル100ドルなんかではなく10倍20倍に高騰している筈だ。だから、大幅な価格上昇を続けながらでも現実的に発電用燃料として使える石油資源には後10~15年しか猶予は無いのカモ知れない。それと・・・我が国が輸入する天然ガスの価格は原油価格とリンクする契約なので、発電用天然ガスも原油価格上昇に比例して(当面は)値上がりしていくだろう。今後も電力価格は大幅に価格高騰していくのだ。

それと我が国のエネルギー政策を考える上で忘れてはならない事が、石油は発電用燃料としてだけではなく自動車燃料として物流を大きく担っている点だ。石油資源の価格高騰は、電力価格の価格高騰と共に、物流コストの価格高騰となってくる。トラック輸送は目下の日本では産業の血液となっている。目前に迫った石油資源の価格高騰と枯渇は、シェア6%の原発を停止するショックの数倍の衝撃となるだろう。

私は・・・予てから世論・時流に反して原発を止めるべきでは無いと思っている。どうせなら福島第一電子力発電所の反省を踏まえて、古い原発を止めて新しい安全設計の原発にスイッチしていくべきだとも思っている。家庭用の電力不足云々だけではない産業用電力の不足が、今後の物流コスト急騰が、傷だらけの日本経済に及ぼす影響を無視する事は出来ない。

今後の日本のエネルギー政策を真面目に考えれば、原発に依る発電量を増やして物流の電化促進を進める以外の答えが正しいとは思えない。古い危険な原発を止め、新しい安全設計の原発を順次整備していき、(オイルショック後の識者の提言通り)遠距離輸送は鉄道輸送にスイッチし、電気自動車への移行を加速しながら中近距離輸送のみをトラック輸送としていくしか無いと思うのだ。その中で、自然エネルギーへの依存度を高めていき不必要な原発は止めていく・・・と云う長いスパンで原発から脱却していく途を選択しないと・・・石油燃料枯渇を以て日本終了の途となってしまう。

福島第一原発事故で大部分の国民は原発事故の恐ろしさを痛感したので、如何に最新の安全設計で造られた原発でも所詮は人の手が造ったモノだから歓迎されるとは思えないだろう。シェールガスやメタンハイドレートやオーランチキトリウム(石油を作る藻類)、石炭発電、洋上風力発電、大規模太陽熱発電、大規模地熱発電・・・石油枯渇から核融合発電実用化までに人間が頼るべきエネルギー源は数々存在するだろうが、今後の10年20年で日本経済に足踏みをさせずに移行を進められるエネルギーは現時点では残念ながら原子力発電しか無いと思うのだ。

福島第一原発事故を見て、問題の収束も程遠い今日の現状を見て、原発再開なんか有り得ない・・・と大部分の国民が思っているのだろう。反原発論者の弁では、原発が止まっても日本経済は大丈夫なのだそうだ。いや、そうカモ知れない。但し、それは石油資源が従前通り輸入される場合と云う仮想モデルケースに過ぎない。

もしも原発に依存しない近未来を想定するなら、自然エネルギーが拡充する迄「私だけ節電に励みます」と云った感情論ではなく・・・キチンとしたエネルギー政策の国家プランを国民全体で真剣に考える時期に来ている・・・と思う。
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2 コメント

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Unknown (Unknown)
2012-02-29 11:38:20
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0004847023.shtml
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Re: Unknown (軽薄な店主)
2012-02-29 12:59:17
URL提供有り難う御座います。

文系なのでイメージし難くかったのですが、神戸大学海洋科学研究科・海事科学部のWebページには、もう少し詳しく書いてありました。原理は判りました。この構想だけで原発1200基分の発電が出来るのだそうだから・・・文句無しに素晴らしいです。

URL提供下さった理由は。新設計の原発なんか増やさなくても、この「NEPTUNE【海神】」を動かせば日本のエネルギー問題は解決するゾ!とお教え下さったのだろうと思います。

「NEPTUNE【海神】」1基の建造には原発1基分(3~5000億円)の1/3(1000~1500億円)なので、高く見積もっても1500億円で原発1000基分の費用(300~500兆円)分のバリューを生む訳ですから、無尽蔵のエネルギーを殆ど只で手に入れる事が出来るのですね?

材料工学的に半永久とはいかない迄も原発程度の耐用年数のモノを建造するのは、ヒョッとしたら現有するテクノロジーだけで可能かも知れませんねぇ。原発1000基分の発電量を、原発1基の1/3で実現する・・・尚かつ、現有の科学技術でも建造可能なのなら、日本のエネルギー政策は一気に完全解決しますね。

で・・・、実用化は何年後なのでしょうか?

波力発電と云うアイディアは古くから在り、現在でも灯台やブイで使われています。ですが、海面表層の波はエネルギー密度が低いので大電力の発電には向きません。他にも潮力発電と云って・・・黒潮等の潮流に巨大なダリウス型等の水車を複数沈めて・・・それこそ原発数基分の発電をする構想が・・・何年も前からありましたが、私の知る限り前へ進んでいる様には思えません。こうした新エネルギー開発が進まない理由は・・・エネルギー価格の基準が原油価格であるからですが、今後原油価格は最高価格を記録し続ける筈なので、メタンハイドレートも含め十分採算ベースに載ってくるでしょう。ですが、この御紹介頂いた「NEPTUNE【海神】」は、恐らく明日からでも着手出来る筈の技術ですから原油高騰に日本経済が脅かされる前に稼働開始する事を願います。
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