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人の寿命とは

2010-09-14 20:26:09 | 独り言
100歳以上の所在不明高齢者23万人
医療介護CBニュース2010年9月10日(金)17:30
相次ぐ高齢者の所在不明問題で、法務省は9月10日、戸籍に現住所が記載されていない100歳以上の高齢者が、全国で23万人超確認されたと発表した。同省は、このうち120歳以上の高齢者は既に死亡したものとして、生存確認を行わなくても戸籍から削除する方針を示した。

同省は、全国の市区町村が管理する戸籍の90%に当たる4743万9848戸籍を対象に、現住所の記載がない100歳以上の高齢者を調査した。その結果、戸籍に現住所が記載されていない100歳以上の高齢者は23万4354人。うち120歳以上が7万7118人、150歳以上が884人だった。同省では「中には海外に移住して戸籍が正しくない例もあるだろうが、大半は所在不明と考えていいだろう」としている。

同省では「常識的に考えて、 120歳以上の高齢者のほとんどは死亡している」として、市区町村が生存確認せずに対象戸籍を削除して戸籍の正確性を確保できるよう、6日付で各地の法務局に通知した。100歳以上119歳以下の高齢者については、「必ずしも死亡しているとは限らないので、従来通り生存確認が必須」としている。


不明高齢者問題の関連記事だが、私はチョットだけ違う部分に着目した。日本の法務省の見解では「常識的に考えて、 120歳以上の高齢者のほとんどは死亡している」とされた部分だ。いや、別に、異議を唱える訳では無い。だが、ナンで120歳近辺が人の寿命なのだろうか?

不老長寿・・・、いや、不老不死は人類の見果てぬ夢である。実際に不老不死の人は見つかっていないのだが、多分居なかったのだと思う。創作の世界では、不老不死のネガティブな面を強調して、長く生き過ぎた為に精神が退廃(無感情、又は残虐性、異常性などの負の感情の増幅)したり、親しい人間が老いて死んでいく中で永遠に続く人生を疎んだり、と・・・限りがあるからこそ人の命は尊いとしている。イソップ童話の「酸っぱいブドウ」の様である。

厳密には、不老不死と不死と不死身は違う。尚、公式記録上で最も長生きしたとされる人物はジャンヌ・ルイーズ・カルマンであり122年164日生存したとされている。非公式記録では中東の女性が150歳まで生きたらしい。

人間五十年、下天の内をくらぶれば、
夢まぼろしのごとくなり。
一度生を得て、滅せぬ者のあるべきか
(敦盛)

出典不明だが私が知る常識では、誕生後に細胞分裂を止める脳神経系の細胞寿命が最長で140年位だとされていて、脳細胞1個では生命維持が出来ないので或る程度組織的に脳神経が機能する限界が120歳位では無いか?とされている。

体幹部の大部分の細胞は、細胞分裂で新陳代謝するのだが、そのコピーの限界が50回だ。人間の細胞でも不死化を獲得した細胞・・・ガン細胞はコピー限界を超えて無制限に細胞分裂を続ける事が出来る。遺伝子の端にはチェックデジットとしてテロメアが存在する。テロメアには遺伝情報はなく固定的なDNAが連続していて、染色体の末端を保護し、転写RNAが染色体の端として認識するのだが、転写を繰り返す毎に段々短くなっていき、最終的にはテロメアが無くなってしまう。テロメアが無くなると転写出来なくなると同時に、他の染色体の端と融合してしまい異常な細胞となってしまう。だから、真核生物の染色体はテロメアを失うと寿命を迎える(又は、ガン化する)。クローン生物では誕生時点でテロメアが短かった事が報告されている。だから、テロメア短縮化が細胞寿命を決めているのだが・・・、現時点でもテロメアを延長する技術は在るのだが、テロメアを延長しても細胞死を迎えてしまう事からこれ以外にも細胞寿命を決める因子は他に存在するらしい事は判っているが、それが何かは未だ判っていない。

細胞分裂を経て新陳代謝する細胞は、テロメア短縮や未判明の因子で細胞老化と細胞死が組み込まれているのだが、脳神経系の様な細胞分裂をしない細胞の寿命は何で決まっているのだろう?

脳細胞の寿命は・・・ニューロン細胞には寿命は無いらしい。(馬のニューロン細胞を培養し生体コンピューターとして利用する実験の中での発見として、ニューロン細胞は不死性を獲得しているらしい)だが、ニューロン細胞を守るグリア細胞(神経膠細胞)は普通の細胞分裂で新陳代謝するので、グリア細胞の寿命がニューロンの寿命だと云う事になる。グリア細胞のテロメア延長を行えば・・・脳の寿命は大幅に伸びるのカモ知れない。

尚、遺伝子治療でのテロメア延長は・・・細胞のガン化リスクが増大する。この細胞死のシステムは複雑に絡み合っていて、当面解決されるとは思えない。遺伝子が少しだけ壊れても細胞内のシステムで補修してしまうが、広範囲に複数箇所が壊れると修復を断念して細胞死を実施する。又、細胞内の維持システムも同様で、小さな破損は補うが大破損は自然死を待たず細胞死させる。この大破損をも修復させるシステムも細胞内には備わっているのだが、これを起動させられるのはガン化した細胞だけだそうだ。

だが・・・、実は・・・、ガン化を抑えつつ細胞寿命を有意に延長する物質が見つかっている。それがラパマイシンだ。ラパマイシンはイースターの土壌から発見された放線菌から生成された抗生物質だ。現在では抗生物質としてではなく、臓器移植等に纏わる免疫抑制剤として、又、明確な薬理不明だが有意に強力な抗ガン剤として使われている。


免疫抑制剤ラパマイシン処理によるショウジョウバエの寿命延長メカニズムの解明

免疫抑制剤に長寿効果=高齢マウスへの投与で確認

ラパマイシンに老化防止の効果あり?マウスが超長生き



日本では未認可の薬剤なので医師から処方して貰う事は無理だけど・・・フト、「ラパミューン(Rapamune®)」で探すと個人輸入で買えてしまう事が判明した。但し、免疫抑制剤なので、風邪やインフルエンザ等の感染症への免疫力が極端に弱くなるので、細胞の寿命延長の為に人体全体の寿命を危機に晒すのはお利口さんのする事では無いらしい。

寿命延長の薬理は、細胞を緩やかな飢餓に追い込む事らしい。人体全体も、細胞も、小食の方が長生きする様だ。

テロメア延長で回数券的な延命と、細胞寿命の延長での定期券的な延長で・・・人の寿命は170歳位までは延びるそうだが、死なないと云う事と生を愉しむとは別の話なのかも知れない。
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