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RVでの小旅行。

酸性雨・・・

2010-02-24 20:31:43 | 独り言
自宅を建ててから13年強だが玄関前のコンクリートが溶けているのに気が付いた。これは酸性雨の影響だろうと都市毎の酸性度を調べてみると、政令指定都市中で最も酸性度が高い(高かった)のだそうだ。

日本で一番酸性度が高い政令指定都市は岡山市
http://weathernews.com/jp/c/press/2009/090804_1.html

尚、現在の日本での酸性雨の基準は、ph5.6以下の雨の事を酸性雨と云う。酸性雨の原因は、化石燃料の燃焼や火山活動に由来する硫黄酸化物(SOx)や窒素酸化物(NOx)が大気中の水や酸素と反応し硫酸や硝酸や塩酸が発生し、雨を通常よりも強い酸性度にするとされている。尚、ph5.6以下と云う基準の根拠は、ph5.6は雨中に飽和溶解度まで二酸化炭素が溶けた場合の酸性度であるからだ。

酸性雨は、湖沼を酸性化し水生生物の成育を脅かしたり、土壌を酸性化し植物の生存に必要なカルシウムイオンやマグネシウムイオンを溶解させ流出させたり植物に有害な重金属イオンを溶け出させ土壌に生育する微生物を殺してしまう。勿論、屋外にあるコンクリートや金属製の建物や構築物を腐食させてしまう。

岡山平野は複数の河川の沖積平野で周囲を山に囲まれている為に工業地帯で発生した汚染物質が溜まりやすい地形だから・・・、とされていますが、地域内の工業地帯は全盛期の頃より大幅に活動が減じていて、それが酸性雨の原因とは私は思えない。

東アジアから飛来する黄砂に因る霞は春霞と云われ春の風物詩だったが、ここ数年では春に限らず1年中発生している。又、ここ最近では視程が5Kmと云う濃霧級の黄砂被害も発生している。黄砂のメカニズムは、東アジアの砂漠域(ゴビ砂漠、タクラマカン砂漠等)や黄土地帯から強風を伴う砂嵐等に因って上空に舞い上がった黄砂粒子が大気上層を浮遊しつつ降下する現象なのだが一年中砂嵐=砂塵嵐が発生していて、その上空に舞い上がった黄砂粒子が偏西風(ジェット気流)で日本に運ばれているのだ。

もし・・・、もしも・・・だが、東アジアで酸性雨の原因物質が大気中に放出されているとすればどうだろう。福岡市や北九州市では1970年代に逆行したかの様な光化学スモッグ警報が頻繁に発令されている。当地でも隣の倉敷市周辺では、ここ数年来光化学スモッグ警報が頻繁に発令されている。これが地元の工業地帯だけに起因するのでは無い可能性がある。

中国は、多くの「世界一」がある。「貿易輸出高」であり、二酸化炭素を中心とする「地球温暖化ガスの一国当たり排出量」である。そして、日本経済の後退を受けて「GDP世界第2位」の国へなろうとしている。

玩具への有害塗料の使用や、日本での「毒入り餃子」問題等で、主に安全性の観点での「チャイナ・フリー」が全世界規模で発生した事は記憶に新しいが、喉元過ぎれば熱さ忘れるの諺通りに、再び世界の製造工場として復権を果たした様だ。

中国は、毎年10%前後の急激な経済成長に伴って工業生産も急増している。この急激に拡大する工業生産だが、省エネ技術も公害防止技術も置き忘れたままだ。地球温暖化については、兎も角、脱硫装置等の公害防止措置等の環境効率改善を、日本は講じるべきだと思う。

日本は講じるべきだ、と、日本政府は講じるべきだ、とは多少違う。鳩山イニシアチブの下で地球温暖化ガスの排出への歯止めが掛かるのか否かは判らないが、偏西風に乗ってやってくる公害原因物質の輸出は止めて欲しい。鳩山首相は、世界に冠たる環境改善技術を基幹産業に据えると宣言されておいでだが、それを只ならいざ知らず、中国産業界が日本経済を復興させる程の高価格で購入して改善を進めるとは到底思えない。(そもそも、地球温暖化ガスにしても、大気汚染物質にしても、先進国が好き放題に排出して彼らの経済発展を果たしたのに、中国だけが出鼻を挫かれるのはオカシイと思うだろう。それはロジックとして間違いだとは言えない)

目下、京都議定書の定めるクリーン開発メカニズム(CDM)で、中国の環境効率改善の為に日本の資本が中国に移転している。ここでは、主に二酸化炭素排出抑制と云う方法で、燃焼効率の向上と云う中国産業界にとり有利な技術供与を受けているのだが、ここに大気汚染原因物質抑制と云う生産性を下げる負の項目を盛り込む事は容易ではない。又、クリーン開発メカニズム(CDM)の様な技術供与だと日本の先端技術だけが無償で中国に渡り、それを基幹産業として日本経済の復興なんか及びも付かないだろう。

勿論、中国国内でも野放しの公害対策での被害は頻発しているのだろうが、彼の国の社会構造社会体制は国内からの声に従う様には出来ていない。中国からの汚染物質の輸出に因って被害を受けている国が声を大にして国際世論に訴えると共に、日本国民に依る「チャイナ・フリー」の姿勢こそが多少なりとも改善を意図させるのでは無いだろうか?

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2 コメント

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御意 (ポル7)
2010-02-25 13:31:03
仰せのとおりだと思います。
店主様の意図するところの何%まで理解出来ているかは別として、彼の国の汚染問題は隣国の問題では済まないレベルなのに、何故ヤラレ放題で我慢できるのか不思議でなりません。
確固たる根拠が示せないから?
民族性の問題?

兎に角、近年北九州での光化学スモッグの復活?は彼の国の大気汚染の様子を見れば一目瞭然だと思います。
それが酸性雨にまで影響しているところまでは気づいてませんでしたけど<馬鹿

大気汚染に留まらず、彼の国の工場排水による河川の汚染もあまりにも酷過ぎます。
何かの画像集でみましたが、直接排水で川の色は様々に色付いて、生命のかけらも見れないような死の川のありさまや、排水管を何百mも下流の真ん中までひいて、放流している様子など、そのえげつなさに目も当てられません

日本も高度成長期は工場からの汚水垂れ流しで似たような光景を生で見たことありますが、彼の国は規模が違いますね

謎のエチゼンクラゲの大量発生もこの河川の汚染により河口の海が汚れてることが原因ではないかと勝手に推測しています

ヤラレっ放しで黙っていてはつけ上がる一方だと思うのですが・・・・
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Re: 御意 (軽薄な店主)
2010-02-26 13:03:06
ポル7さん、熱いコメント有り難う御座います。

> 彼の国の汚染問題は隣国の問題では済まないレベルなのに、何故ヤラレ放題で我慢できるのか不思議でなりません。

大気汚染の原因物質が、数百、数千kmの遠く離れた発生源から気流に乗って運ばれて、特に国境線を越えるものを越境大気汚染と云います。欧州に於いては、中欧の工業地帯からの汚染物質が風下である北欧へ被害を与え、また北米では米国北東部から五大湖を越えてカナダに及んだ大気汚染被害がそれぞれ外交問題に発展してきました。特に欧州ではECとして統合する際の大きな障害となり、早くから問題視されていて1979年には長距離越境大気汚染条約(LRTAP)が締結されています。コレには当時のEC諸国の他に、米国・カナダも加盟していますが、我が国は加盟していません。我が国だけが加盟しても仕方がないのカモ知れませんが、このLRTAPへの加盟を中国・韓国と共に果たして相互理解の下での問題解決を進めるベキだろうと思います。この手の問題は、発展途上国を標榜する国との2国間協議では絶対に解決出来ません。(それは、竹島問題、尖閣諸島地下ガス田問題の推移を見ても明らかです。これらは国際司法裁判所で決する問題だと思います。しかし、越境大気汚染に関してはLRTAPが在るので・・・)

> 大気汚染に留まらず、彼の国の工場排水による河川の汚染もあまりにも酷過ぎます。

広州市では酸性雨の平均酸度がpH3.8とされていて、食酢の平均酸度pH4よりも酸性度が高いのだそうです。我が家のコンクリートが溶けるのは可愛い被害ですが、このまま酸性度の高い酸性雨が降り続ければ日本の生態系をも破壊してしまいます。因みに、湖沼等ではpH5以下になると魚類の大部分が死滅します。

この問題は解決に長い時間が掛かるでしょうが、国民レベルでも問題意識を持つべきだと思います。国民レベルで問題意識を持つと云う事は、これらの種々の問題解決の担保としてのチャイナフリーを国民1人1人レベルでも考えるべき・・・だと思うのですが・・・
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