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熊本城の倒壊の中崩れていない石垣と穴太衆

2016年11月25日 | コラム

皆様こんにちは

山三三ツ屋染舗の三ツ屋邦孝です。

先日研修で行った長崎のホテルで放映していた番組がふと気になりました。

2016年(平成28年)4月14日21時26分に熊本県と大分県を襲った熊本地震

被災された方々心よりお見舞い申し上げます。

石垣が崩れた熊本城

震度7が二度に渡り発生したために熊本城では、天守閣の屋根瓦が崩れた上に屋上に

あったしゃちほこが落下し、石垣が少なくとも6か所で崩れ、塀が100mに渡って倒壊した。

熊本城は加藤清正により築城しましたが、その後改易により、熊本藩細川家の居城になり

明治の西南戦争の戦場となった為、あちこち消失してその後再建されたそうです。

石垣も崩れた所と崩れていない所が有り崩れていない石垣は穴太衆(あのうしゅう)が

積んでいたと言っていました。穴太衆(あのうしゅう)って?とテレビに釘付けで見ました。

 

穴太衆(あのうしゅう)は、日本の近世初期にあたる織豊時代(安土桃山時代)に

活躍した、石工の集団。主に寺院や城郭などの石垣施工行った技術者集団である。

石工衆(いしくしゅう)、石垣職人(いしがきしょくにん)とも称す。

現在残っている穴太衆の石垣職人は会社組織として存続しており、十三代目から

株式会社粟田建設を興し、2005年(平成17年)現在は十五代目が活動を行っているとの事。

粟田建設の代表取締役の粟田純司会長は穴太衆の積み上げた石垣は倒壊してないが

他の石工が積んだ石垣は倒壊していることを話していました。

穴太衆積みの特徴

堅牢さの秘密は石の内側に石積みの技としては、大きく分けて野面積、打込みハギ、

切込みハギの三種類に分けることができるといわれています。

穴太衆積は、野面積を代表する積み方で、一見粗野に見えますが、

堅牢さは比類なきものがあります。その秘密は積み石の比重のかけ方にあって、

表面から1/3位奥のところに重力がかかるように設計されており、

さらに 土の水ぶくれによる崩壊を防ぐため、石垣の奥に栗石層、その奥に小石を

つめていくなどして排水をよくする工夫が施されています。

このように目に見えない部分に穴太衆積ならではの秘伝の技が潜んでおり、

それが何百年の風雪に堪え得る堅牢さを生み出しています。

石の声を聞き石に従うことが仕事です

石の集積場へ行き、たくさんの石の周りを1日か2日かけてゆっくりとぐるぐる周りながら、

一つひとつ違う石の 性格を覚えていきます。そうして頭の中に絵を描きながら配置を

組み上げていくのです。実際に石積みに着手するときは、すでに頭の中に設計図が

ほぼ出来上がっているわけです。石を見分けるというより、石と対話しながら石の声に

耳を傾けていく。石と長く付き合っていると石のほうから教えてくれるようになるのです。

穴太衆積の技法はすべて口伝されてきましたが、 それは秘技だからというよりも文字では

表現できないからです。

古きをたずねて新しきを知る。解析データが示した伝統の技

長い歴史が堅牢さを証明している穴太衆積ではありますが、現代の建築基準に適合するか

どうかの実験数値データ が必要。そこで石垣が積まれる予定地に穴太衆積とコンクリート

ブロックによる擁壁を並べて実作し、積荷装置で土圧をかけて 擁壁の変位を測定する実験が

おこなわれました。最大荷重の基準は250トン。より過酷な条件を満たすためにジャンボ

ジェット機1機分という現実にはありえない重さをかけました。

 実験開始からほどなく、穴太衆積の擁壁の中からピシピシという耳慣れない音が

聞こえてきました。石積みは部分的に最大13センチまで大きく変位しましたが、

結局250トンの重さを支え続けました。一方コンクリートブロック擁壁は変位こそ

5.5センチと小さいものの、約200トンまで荷重した時点で、突然胴込めした

厚さ30センチのコンクリートがバリッと大きな音とともに割れてしまいました。

石積は変位は大きいものの、コンクリート以上 の耐荷力が確認されたのです。

最先端技術でデータに現れた「しなやか」な耐荷性

京都大学大学院の大西有三教授のグループにより、

不連続変形法というシミュレーションで穴太衆積の構造上の 特性が解析されました。

石積の構造を忠実に再現したモデルを作成し積荷時の状態をシミュレーション。

結果は、認証試験の実測値と見事に一致しました。

さらに阪神・淡路大震災クラスの地震の揺れの数値を入力してシミュレーション。

この結果も大きな変形はあるものの、逆にその変形で石積がしまり、石積の崩落などの

擁壁の機能破壊までは起こらないという 良好なデータが得られました。

                       (株式会社 粟田建設 HPより)

同じ石垣を積んでも400年前の穴太衆の石工の積んだ石垣は倒壊せず

他の石工の積んだ石垣は倒壊した。この違いに思いを馳せていると

テレビ番組の中でも「石の声を聞き石に従うこと」と言っていた粟田会長の言葉が

心に響きました。物事の本質を見抜いて心の知恵を働かせた仕事をしている事

今日の世の中を見ていると中々この様な仕事をしている人に出会えません。

商業で言えば近江商人の三方よしの様な仕事です。

クリーニングの業界で「衣類との対話」をするとの事を言っている方と

同じ事を感じました。こちらも「石との対話」すると石が教えてくれるとおっしゃています。

私自身も同じ事を感じています。私は「着物の気持ち」を感じ取る,といつも言っています。

同じ事だと理解しています。

私自身は、霊能者でも超能力も有していない為、着物(衣類も含みます)の声は

聞こえません。しかし自分の胸の部分(想念を感じます)に感じて響いてきます(精神力)。

その感じた事を言語化した事が「声を聞く」と表現していると理解しています。

私自身50歳を過ぎてから、ご多分に漏れず、体力が衰え、知恵が衰え来ていますが

それと引き換えに自分の精神力は随分広がって来た事を強く感じます。

精神力(人や物の気持ちを感じやすくなってきています)は今後益々上昇し続ける事を感じています。

衣類(着物)や石との対話(声を聞く)事は精神力(心)のなせる技だと思います。

これから益々精神力を高めて、人格、風格、品格、神格を高めていく事(人生修行)に

励んで行きたいと思います。

 

着物と洋服のお手入れは

厚生労働大臣認定一級染色補正技能士のいる

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