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絹芭蕉訪問着単衣 赤ワインしみ 水洗い・しみ抜き 正絹素材

2023年09月15日 | 着物(丸洗い・しみ抜き)

皆様こんにちは

山三三ツ屋染舗の三ツ屋邦孝です。

いつも当ブログをご覧いただき誠にありがとうございます。

クリーニング店から絹芭蕉訪問着単衣に赤ワインが付いたので丸洗いとしみ抜きを

して欲しいとのご依頼でしたが水洗いとしみ抜きを行う事にしました。

絹芭蕉訪問着単衣

渋い緑色の地色に生成り色地色に型付けしています。

着用中に赤ワインが掛かっています。

掛衿、上前と下前、袖にも赤ワインがたっぷりと付着しています。

赤ワインは水処理を行っても除去できたとしても、ポリフェノール(タンニン)が

残留していて、半年後位に黄変しみとして浮き出てくるので、ポリフェノール(タンニン)

を除去する為には酸化漂白剤を使用ないといけませんが、使用すると緑色の青の染料が

脱色します。脱色すると色掛け(色修正・染色補正)を行い必要がありますし、

ましてや単衣なので、色掛け(色修正・染色補正)も裏側と表側を行わないといけなくて

手間も2倍掛かります。高価な着物が泣いている声が聴こえるので、手を差し伸べる事が

出来る職人は限られいると思います。頑張らないと決心して作業を進めます。

赤ワインのしみ抜きをした後に広範囲のしみ抜きの為に薬剤残留して経時変化の

リスクを避ける為に仕立て上がりの状態で水洗い(ウエットクリーニング)を行い

仕上げ(プレス)後に裏側、表側と色掛け(色修正・染色補正)を行いました。

絹芭蕉訪問着単衣掛衿 赤ワインしみ

ワイングラスで飲用しようとして手が滑ったと思われますが、全体的にかなり酷い

状態です、掛衿も重なっている部分に赤ワインが掛かったので一か所だったのが

二か所になっています。

絹芭蕉訪問着単衣上前衽 赤ワインしみ

絹芭蕉訪問着単衣上前身頃 赤ワインしみ

上前柄は生成り色で酸化漂白剤でそんなに脱色するとは考えていませんが

柄が脱色するかどうかは、未知数ですので、脱色したら色掛け(色修正・染色補正)して

補正すると腹をくくるしかありません。

絹芭蕉訪問着単衣上前身頃 赤ワインしみ

絹芭蕉訪問着単衣掛衿 しみ抜き(酸化漂白)後

しみ抜き(酸化漂白)をすると予想通り青色がポリフェノール(タンニン)と

共に脱色しました、色掛け(色修正・染色補正)をして補正していきます。

絹芭蕉訪問着単衣掛衿 色掛け(色修正・染色補正)後

絹芭蕉訪問着単衣掛衿 汗による退色

絹芭蕉訪問着単衣掛衿 色掛け(色修正・染色補正)後

絹芭蕉訪問着単衣掛衿 しみ抜き(酸化漂白)後

絹芭蕉訪問着単衣掛衿 色掛け(色修正・染色補正)後

絹芭蕉訪問着単衣下前 しみ抜き(酸化漂白)後

絹芭蕉訪問着単衣下前 色掛け(色修正・染色補正)後

絹芭蕉訪問着単衣上前身頃柄 しみ抜き(酸化漂白)後

絹芭蕉訪問着単衣上前身頃柄 色掛け(色修正・染色補正)後

広範囲のしみ抜きと色掛け(色修正・染色補正)でした。

心臓外科のDrは3日間オペを行わないと手がなまってしまうので、

心外結びのトレーニングを行うそうですが、私も色掛け(色修正・染色補正)を

どんどん行わないと腕が鈍ってしまいます。

絹芭蕉訪問着単衣上前身頃柄 しみ抜き(酸化漂白)後

絹芭蕉訪問着単衣上前 仕上げ後

絹芭蕉訪問着単衣後身頃 仕上げ後

絹芭蕉訪問着単衣 仕上げ後

綺麗に仕上がりました。

 

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厚生労働大臣認定一級染色補正技能士のいる 

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