皆様こんにちは
山三三ツ屋染舗の三ツ屋邦孝です。
いつも当ブログをご覧いただき誠にありがとうございます。
昨年の最終営業日にクリーニング店からルイヴィトンのトレーナーの
袖口に黄色いしみが付いているのでしみ抜きをして欲しいとのご依頼です。
ルイヴィトントレーナー
ルイヴィトントレーナー品質表示
綿100%で家庭での洗濯禁止、塩素系及び酸素系漂白剤の使用禁止、タンブル乾燥禁止、
底面温度110 ℃を限度としてスチームなしでアイロン仕上げができる、石油系溶剤による
弱いドライクリーニングができる、との表示になっています。
持ち込まれた品物はクリーニング店で石油系溶剤で洗って、蒸気アイロンで
プレスした状態でした。
クリーニング店の方がおっしゃるには、配達前の検品で袖口に黄色いしみを見つけたので
工場にしみ抜きを依頼した所、工場は仕事納めを終えて、機械を止めてしまったので
作業を出来ないと断られてとの事でした。
ルイヴィトントレーナー袖口 黄色いしみ
ルイヴィトントレーナー袖口汚れ
まず私が見ると全体的に薄汚れて状態でした。袖口のリブ編みの部分の折れ目を
開いてみると黒っぽくいですし、衿周りのリブ編みの部分も黒っぽくて薄汚れていました。
ルイヴィトントレーナー衿周り汚れ
ルイヴィトントレーナー裾リブ編み部分(裏側)汚れ
裾のリブ編み部分も汚れていました。
製造元のアパレルメーカーは家庭用洗濯は禁止で商業用洗濯は石油系溶剤で洗うと
薄汚れて仕上がって来る結果となっていました。袖口の黄色いしみは何が原因か
分からないとクリーニング店はおっしゃっていました。
まず30年以上ヨーロッパ製のインポート製品を水洗いした経験を踏まえてお話しましたが
インポート製品を水洗いで初めて洗うと洗浄液が黄色くなる事から、製造段階で生地を
洗浄した洗剤や水(硬水)が原因だとお知らせしました。
リブ編みの袖口を水処理でしみ抜きをすると黄色い輪じみが発生したり全体的に
薄汚れているのでしみ抜き部分が白っぽくなる可能性があり、白っぽくなった部分に
色掛けして逆に汚さなければいけない事が根本解決にはならないので、
品質表示の洗濯は家庭用洗濯は禁止になっていますが、業務用のウエットクリーニング禁止と
はなっていない為に水洗いを行いました。
ルイヴィトントレーナー袖口 仕上げ後
ウエットクリーニング(水洗い)をすると、洗浄液が最初に黄色いなり次に汚れが
落ちて、黒くなりました。乾燥すると艶が出て来てすっきりとしました。
袖口の汚れてと黄色いしみも落ちています
ルイヴィトントレーナー裾リブ編み 仕上げ後
裏側の汚れも落ちました。
ルイヴィトントレーナー衿リブ編み 仕上げ後
衿周りもスッキリとしました。
ルイヴィトントレーナー 仕上げ後
アパレルメーカーは家庭で洗濯して伸びたりしてのクレームに手間暇が
掛かることを嫌う為に、商業用洗濯の表示をしています。クリーニング業者は
クレームによる手間暇や弁償する事を嫌って石油系溶剤での処理で汚れも
しみも落ちずに納品して料金をもらっているのが、現状です。
着物の洗いの歴史は圧倒的に水洗いが長くて2000年以上と思われますし
ドライクリーニングが一般的になったのは戦後の事です。
私も幼少期から親の行っていた洗い張り(水洗い)が考えのベースになっていますし
現在80歳の先輩職人から自分も親のクリーニング屋を手伝い出した頃は背広も
水洗いをしていた事をお聞きしました。別の先輩職人さんからは「水より良い溶剤は無い」と
お聞きしていますし、私自身もそう思います。
このクリーニング業者さんはどこでどう変わってしまったのか、もう一度立ち止まって考えて
いただきたいと思います。クリーニング業者の中には、ドライクリーニング、
ウエットクリーニング、ランドリーやしみ抜きをしっかり行っている業者もいます。
クリーニングに出したら汚れて戻ってくる業者に成らない様に今年も頑張っていきたいです。
ブログ読者のクリーニング業者さんも共に歩みましょう。
ルイヴィトントレーナー 包装後
綺麗に仕上がりました。
仕上がりを見て持ち込まれたクリーニング業者さん、
カルチャーショックだったと感想をおしゃっていました。
着物と洋服のお手入れは
厚生労働大臣認定一級染色補正技能士のいる
山三 三ツ屋染舗にご用命下さい。
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