東葛人的視点

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レガシー・マイグレーションの本当の課題

2004-07-25 19:59:30 | ITビジネス
 レガシー・マイグレーションがちょっとしたブームだ。メインフレームやオフコンなどレガシーなシステムを、UNIX、Linux、Windowsなどのオープン系のシステムにリプレースすることを意味するらしい。確かに大きな商談になるので、ITサービス企業が必死になるのも分かる。

 しかし、単にハードやソフトをレガシーからオープンに移すというだけでは、あまりにも皮相だ。レガシーシステムを抱えたユーザー企業の最大の課題は、個々の業務システムごとにバラバラなデータ構造をどうするのかということだろう。データ構造に一貫性がないから、システム間でうまくデータの連携ができない。それを力技でつなぐから、保守の手間やコストは大きくなる一方だ。

 レガシー・マイグレーションでは、本当はこの問題をなんとかしないといけない。つまり、データ・モデルを再定義する必要がある。システム・インテグレータなどITサービス企業は、ここを提案できなくてはいけない。IT基盤の構築と絡む話であり、長期にわたる投資案件になるため、ITサービス企業が活躍できる余地は大きいはずだ。

 データ構造の見直しやデータ・モデルの再定義というと、抽象的で難しそうなため、ユーザー企業でもまだその重要性を理解していない企業は多い。しかしKDDIなど先進事例も現れており、大きなビジネス・チャンスがあるはずだ。