東葛人的視点

ITを中心にインダストリーをウォッチ

SOAへの視線

2004-07-12 20:30:19 | ITビジネス
 IT業界やユーザー企業にとって大きなチャレンジになりそうなのが、SOA(サービス・オリエンテッド・アーキテクチャ)だ。SOAへの取り組みは、IBMBEAシステムズなど外資系が熱心だが、富士通など国産ベンダーもSOAをどう消化するか、検討を進めているという。

 このSOAを、IBMのマーケティング戦略に乗っかって言えば、「オンデマンドを実現するためのアーキテクチャ、もしくは環境」ということになるのだろうが、むしろデータ連携、プロセス統合の観点から素直に見た方が分かりやすい。つまり、古くはEAI(エンタープライズ・アプリケーション・インテグレーション)、最近では富士通のTRIOLEなどミドルウエア、さらにはSAPのNetWeaverなどの延長線上でとらえるのだ。

 そんなことを書くと、SOAを推進している方から「何を卑俗な見方をしているのだ」と叱られそうだが、プロセス統合(とデータ連携)の観点からは、そんな違いがない。スタティックにやるか、ダイナミックにやるかの違いだけである。もちろん、“ダイナミック・バインディング”、つまり環境の変化に合わせて業務プロセスを動的に変更するための仕組みが、SOAの本質であることは理解している。

 ただ、オンデマンド的とらえ方は、現状では理念的するぎる。それよりも、今いまのニーズであるレガシー資産も活用したシステム再構築の方向から漸進的にSOAに取り組んでいった方がよい、と私は思うのだが。