東葛人的視点

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ITサービスの業績回復局面

2004-07-08 13:38:27 | ITビジネス
ITサービス業界の2003年度決算を集計してみると興味深いことが分かる。売上高100億円以上の企業の合計では、売上高の伸び率は対前年度比1.1%増。2002年度は2.4%減とマイナスだったから、回復局面ともいえなくもない。だが、むしろ市場が成熟化し、伸びが止まったと言った方が正解かもしれない。

そんな中で驚くのは、経常利益の伸び率だ。なんと対前年度比11.1%の二桁成長。この業界の企業は、市場の成長が止まっても、コスト削減により利益面で“急成長”ができる。今期の業績予測値の合計でも、売上高の伸び率は4.1%増に過ぎないが、経常利益は2003年度と同じ11.1%に達する。

ある意味、これは、ITサービス業界でこれまで合理化が全く行われていなかったことの反映だろう。濡れ雑巾はいくらでも絞れるわけだ。しかし、コスト削減ばかりでは産業としての“夢”がない。ユビキタス時代を視野に入れた新規ビジネスの創造が必要だろう。